憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

白い朝に・・33

2022-09-09 19:58:50 | 白い朝に・・・(執筆中)

「家族」という閉ざされた扉の奥で、このような虐待行為が行なわれているのです。

しかし、それでも、子どもたちは生きていかなければならないのです。

どんなにひどい家族であっても、子どもたちはそこで生きていかなければならないのです。

その環境の中で、なんとかして生きて行く方法を考えなければならないのです。

 そして、その生きて行くための方法のひとつが、「心を凍らせる」ということです。

心が何も感じなくなってしまえば、もう苦しむこともないのです。

たとえば、手術のときに麻酔をかけて、痛みの感覚を麻痺させてしまうように、子どもは、自分の心を凍らせて、感情を麻痺させてしまうのです。

そうすれば、心をズタズタに切り裂かれたとしても、もう何も感じなくなってしまうのです。

なにも感じなくなってしまえば、虐待にも堪えることが出来るのです。

そして、卑劣な親から強姦されるという、こういう忌まわしい出来事は、すべて忘れてしまえばいいのです。

心を凍らせて、何も無かったことにしてしまえばいいのです。

そうすれば、もうそのことで苦しむこともなくなるのです。

このように、心を凍らせてしまうという行為は、激しいショックによって自分が発狂してしまわないようにするための、

ひとつの安全装置として作用するのですが、

しかし、後で詳しく書きますが、これが大人になってから、さまざまな心の障害となって現われて来るのです。

お気に入りタイプでは、言葉による暴力や、肉体的な暴力はほとんど見られません。

なぜかといいますと、親は子どもとの良好な愛情関係をうまく利用しながら、性行為へと誘導するからなのです。

子どもは最初は少し抵抗を示すこともありますが、最終的には消極的ながらも、親との性行為を受け入れてしまうのです。

あるいは、このような消極的な態度ではなくて、時として子どもの方から積極的に親を誘惑するようなケースもあるのです。

このようなお気に入りタイプの子どもというのは、親と性的な関係を持つことによって、家族内でさまざまな特権を獲得していくことになるのです。

たとえば、親の愛情を独り占めにすることができますし、自分の欲しいものを優先的に買ってもらったり、

親との肉体関係を利用しながら家族内の人間関係を操作したりして、自分が家庭の中で中心的な存在になったりするのです。

 このような、お気に入りになってしまう子どもというのは、親との性行為を楽しんでいるようにも見えますし、

親との間に濃厚な恋愛感情があったり、あるいは、まるで夫婦のような状態になったりするのです。

しかし、子どもが大人になってから、自分のしてきたことやされてきたことの意味を知って、

そのショックから精神的にボロボロになったりすることもあるのです。

あるいは、いつまでたっても親との性行為を断ち切ることが出来ずに、自立の問題で苦しむことになるのです。

たとえば、自分に恋人が出来たときに、親から妨害されたりして、なかなか親離れをすることが出来なかったりするのです。

あるいは、たとえ親との肉体関係を終了させることが出来たとしても、精神的な分離や自立の問題を抱えることになるのです。

 お気に入りタイプでは、なぜ親が性行為へと誘導したのかといいますと、親が自分の子どもを、性的に利用したかったからなのです。

親が勝手な都合によって、自分の子どもを利用しているだけなのです。

こういう親というのは、子どもの自立の問題だとか、近親姦によって生じる心の問題だとか、そういうことはまったく考えていないのです。

親は、性教育だとか、子どもへの愛情表現だとか、いろいろなことを言ったりしますが、それは言い訳にしか過ぎないのです。

親は、ただ自分の性的な願望が満たされれば、それでいいのです。

そのために、子供をうまく利用するのです。

ですから、子どもが大人になって、性行為の意味を理解できるようになると、それに伴って、親が自分の体を利用していただけなんだという事も、理解できるようになるのです。

そして、親の裏切り行為を知ったショックから、精神的に苦しむことになるのです。

作者注*(http://homepage1.nifty.com/eggs/jitai/incest/3jittai.html )より、引用。/引用許可をお願いしているのですが、どうも、書かずにおけない状態になってるので、とりあえず、お借りします。

5、6歳の瞳子がすでにそのときに発狂寸前で自分をくいとめる「凍心」をおこなっていたとするのなら、

レイプ事件により、凍らせた親の裏切り行為は瞳子の中で解凍される事になる。

心を凍らせる。それは発狂を回避するための、自己防御、あるいは、自己対処だったのだから、

それが、レイプ事件で父親のした事を理解どころじゃない、記憶の中に封じ込めていた事をひっぱりだし、

それがこういう行為だ心と身体を・・蹂躙・・し・・

何もかも理解した瞳・・子・・は・・狂うしか・・なかった・・。

私の目は落ちてくる涙で、文字を拾えなくなった。

瞳子の人を信じる心を、瞳子の人生をふみにじったのは、レイプ犯じゃない。

どんなにか、本物の愛情にうえていたことだろう。

どんなにか、娘であろうと努力しただろう。

なにもかも、忘れる事で本当の父子であろうとしたんだ。

崩したくなかったんだ。父親を失くしたくなかったんだ。

私はどろ沼の上にたつ薄い緑のベールを纏った妖精の幻覚をみた気がした。

それは、瞳子に違いない。

誰もが沈んでいく、暗い泥沼の上に妖精だけが沈むことなく立っていられる。

それは、それでも、それでも、それでも、

父親への愛情をなくすまいとする瞳子の姿だ。

初めて会った、あの時と同じ、瞳子が来ていた薄緑のカーデイガン。

妖精はやはり、薄緑色・・・。

私は自分の崩壊と逆上を瞳子に救われた。

狂ってまで、瞳子が崩したくなかった父親。

認めたくなかった父親。

その思いをこそ、掬いとらなきゃ、そう思った。

私の逆上で、教授を弾劾して、教授を傷つけ、絶望の淵にたたせて、はたして、瞳子はどう思うだろう?

「そんな思いで、責めたくないから、私はくるったのよ。お父様を、赦してあげて・・」

そうだ。初めてあったあの日。瞳子はそうやって、家族を愛してきたんだ。

それを私は愛されて育った娘・・そう、思った。

それも、今となって判る。

瞳子が精一杯、家族を守り、母親を守り、父親の発狂を防いでいたんだ。

何もかもを封じ込める事、それが瞳子の愛だったんだ。

その光がまさか、瞳子から照射されてるなんてしりもせず、家族に愛されて育ったからだと思った。

瞳子の愛の深さを思ったら、そこまでして、守った瞳子をおもったら、

けして、なにがあっても、教授のことをにくんではいけないし、弾劾しちゃいけない。

そして、なによりも、私に憎む思いをもってほしくないのは、瞳子だ。

胸が締め付けられる息苦しさは「憎しみ」が胸の外にでていく排出痛だ。

だせ。だしてしまえ。まっしろになれ。考える事は瞳子のこの先のこと。

憎むな。忘れろ。いや、忘れちゃいけない。それは、心を凍らせてるだけだ。

判っていて、いっさい、がっさい、うけとめて、赦す!!

赦すんだ。いいな。赦すんだぞ!!

極度の高ぶりが精神を急激に疲労させ、私を夢の中に滑り込ませはじめていた。

夢うつつで柔らかな瞳子の髪をなで、

「それでも、瞳子は生きていてくれた」と.良かったとそう思った安堵の先は

一切、音も光も意識もない眠りの世界にバトンを渡していた。



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