文豪芥川龍之介によれば、人生を幸福にするためには、日常の些事を愛さなければならないという。
雲の光り、竹の戦(そよ)ぎ、群雀の声、行人の顔、あらゆる日常の些事の中に、無上の甘露味を感じなければならぬそうだ。
人生を幸福にするためにはだ。
それはまあわかる。
だが一方で、こうも続けている。
◆些事を愛するものは些事のために苦しまなければならぬ
小さなことを愛すれば、やはり小さなことに苦しめられる。
人生を幸福にするためには、日常の些事に苦しまなければならぬ。
雲の光り、竹の戦ぎ、群雀の声、行人の顔、あらゆる日常の些事の中に堕地獄の苦痛を感じなければならぬ。
どうせ生きているからには、苦しいのは当たり前だと思え。
生きるのは苦しいのだから、苦しいのは当たり前ということなのだ。
→おいおい、いったいどっちなんだ?
偉い人とか立派な人とかの話は、難解です。