日常生活の卑近な事例から「思考力・判断力・表現力」を考察する
「幼児がどのようにしてリンゴを認識していくか」の事例より
リンゴを初めて見た幼児は、まずはジッと眺め触り舐めます。小さいリンゴならかじることもするでしょう。赤かったり黄色かったり、触るとツルツル感じます。かじった幼児は、甘かったり、甘酸っぱかったり味覚で捉えます。この様子から五感を使って対象を理解しようとしていることが分かります。
「これなあに?」と聞く幼児がいたり、近くにいる母親が「りんごだよ!」と名称を教えたりすることもあります。この繰り返しで「リンゴ」を理解します。
同様に、既に知っている梨のケースを取り上げます。食卓の籠にある幾つかの梨に気付きます。これは五感(視覚)の感覚より情報を取り入れ認識したことになります【感覚で認識】。「みずみずしく美味しそうな梨だ」「大きな梨だ。甘いかな」など既有の知識や経験と比較して捉えます。「食べようか。まてよ、あとにしようか」など考えを巡らします【思考】。そして、「3時のおやつ時に食べよう。いまは冷蔵庫に冷やしておこう」と状況に応じた決め方をします【判断】。冷蔵庫のドア―を開け、梨をしまいます【行動=表現】。その結果、「大きい梨を冷やして食べると夏には最高においしい」と食べた経験より理解し概念化された知識が身につきます【知識・概念】。