矢嶋武弘・Takehiroの部屋

83歳のジジイです。 日一日の命
SNSが歴史をつくる、SNSの時代がやって来た! 

自費出版と私

2024年12月07日 13時37分25秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
<2002年12月に書いた以下の文を、一部修正して復刻します。> 1) 相当以前だが、自費出版ブームというのがあった。人間誰しも“自分史”みたいなものを書いてみたいと思うだろうし、それが実現すれば、その人の人生の証しということになる。 また、俳句や短歌などの自費出版も多い。 実は私も、今から20年以上も前に、3冊の本を自費出版したことがある。一つは自伝的小説で、残りの . . . 本文を読む
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〈まとめ〉 歴史ロマン『落城』

2024年12月06日 13時29分53秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
過去の作品をまとめる必要が出てきたので、この場を借ります。ご了承ください。 埼玉県・所沢市内の標識 https://blog.goo.ne.jp/yajimatakehiro/e/62ab8c36dda5f411411e6975a83b4756 https://blog.goo.ne.jp/yajimatakehiro/e/16b93d5c49aed18095bc698d3394c540 . . . 本文を読む
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歴史ロマン『落城』(6・最終回)

2024年12月06日 13時28分45秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
寄せ手の連合軍はいよいよ総攻撃の準備を始めた。兵力も4000人近くにふくらみ、藤沢勢が兵糧攻めでますます追い詰められているのが分かる。豊島範泰は軍勢を3つの部隊に編制して万全を期したが、ちょうどそういう時、山口貞清が範泰に意見具申にやって来た。「父上、総攻撃を前に、わが方から軍使をつかわせ、敵に“全面降伏”を呼びかけたらいかがでしょうか。もう勝敗の目途はついています。藤沢勢 . . . 本文を読む
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歴史ロマン『落城』(5)

2024年12月06日 13時22分13秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
上杉氏憲は各領主から人質を取っていたものの、その頃から、関東の情勢は次第に氏憲方に不利な様相を呈してきた。一つには、将軍・義持が氏憲らを“逆賊”と決めつけ、これを討伐する態度をはっきりと表明したからである。日頃は優柔不断な義持だが、断固として戦う姿勢を示したことが大きな要因だろう。もう一つはこの戦乱から、公方の足利持氏と管領の上杉憲基が生き長らえたことである。前にも述べたよ . . . 本文を読む
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歴史ロマン『落城』(4)

2024年12月06日 13時21分17秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
ちょうどその頃、鎌倉公方方にも明るい知らせが入った。それは安否が不明だった足利持氏が、駿河国まで逃げ延びて今川範政(のりまさ)に保護されたというのだ。また、同じく逃亡していた関東管領の上杉憲基は、越後国にいる伯父の上杉房方(ふさかた)のもとへ落ち延びたという。これで京都の室町幕府は、公方と管領を助けるために、氏憲らの勢力を駆逐する方針を決めた。そして、関東を中心とした諸大名・諸豪族に呼びかけ、軍勢 . . . 本文を読む
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歴史ロマン『落城』(3)

2024年12月06日 13時20分07秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
(3) それからほぼ半年がたち、時は応永23年(西暦1416年)の初夏の頃になった。(ちなみに山口貞清は31歳、尾高武弘は29歳になっていた) 山口領内はこれといった出来事もなく、農民を始め庶民は平穏な生活を送っている。関東の情勢探索の旅を終えた武弘は、久しぶりに領内の様子を見て回ることにした。付き人の佐吉を従えてだが、そろそろ“田植え”の時期に入るので農民は忙しそうにし . . . 本文を読む
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歴史ロマン『落城』(2)

2024年12月06日 13時19分04秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
(2) それから5年の月日がたち、応永22年(西暦1415年)を迎えた。武弘と小巻の間にはすでに一子・太郎丸が生まれ、小巻はちょうど第二子を身ごもっていた。尾高家とその一族にはこれといった問題もなく、平穏な日々が過ぎていった。問題があるとすれば、武弘は最近やや肥満気味になったのを気にして、このところ佐吉とともに武術の鍛錬に精を出している程度だ。一方、藤沢忠則に嫁いだ小百合はけっこう気苦労が絶えな . . . 本文を読む
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歴史ロマン『落城』(1)

2024年12月06日 13時18分05秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
<空想、夢想、幻想の歴史ロマン> 『主な登場人物』 <山口家関係>山口貞清(山口城主) 牧の方(貞清の妻・豊島範泰の娘) 山口武貞(貞清の父) 薫(貞清の母) 和田信春(家臣) 稲村幸正(家臣) 幸若丸と桔梗(貞清の子供) <尾高家関係>尾高武弘(主人公・山口貞清の家臣) 小巻(武弘の妻・筒井泰宗の娘) 尾高武則(武弘の父) 栞(武弘の母) 佐吉(武弘の家来) 太郎丸と鈴(武弘の子供) & . . . 本文を読む
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<小説> 高齢期 ②(未完)

2024年12月06日 03時10分32秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
(4)ミッチー・サッチー騒動 そういう日々を送っているうちに、先輩の大森、山口が相次いで定年退職を迎えた。視聴者センターでは2人の送別会を手厚く行なったが、彼らがいなくなったので行雄が山崎室長に次ぐ“ナンバー2”の立場についたのである。彼は日報・月報作りを初めて担当したり、レスポンスはもちろんのこと、センターの勤務表を作ったりとけっこう忙しく充実した毎日を送っていった。こ . . . 本文を読む
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<小説> 高齢期 ①

2024年12月06日 03時08分52秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
〈懺悔、告白のような自伝的物語。ただし、以下は小説だからフィクション=虚構である〉 (1)視聴者センター それは6月末に起きた。行雄がFUJIテレビの外で同僚と昼食をとったあと職場に戻ると、栗橋総務担当部長が彼を呼び寄せた。「村上さん、いま石黒人事局長から連絡が入って、7月の異動で視聴者センターへ行って欲しいということです。これは内示ですから、正式には来週 発表になります。よろ . . . 本文を読む
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極左の人、極右の人・・・小野正春氏と野村秋介氏

2024年12月02日 04時25分50秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
<2020年6月18日に書いた以下の文を復刻します> 〈前書き〉 極左や極右の人で知っている人はほとんどいないが、私には忘れられない人が2人いる。いずれももう他界されたが、1人は小野正春さん、もう1人が野村秋介さんだ。野村さんは右翼の大物として有名だが、小野さんは革共同・中核派の幹部で、一般にはそれほど知られていない。ただし、ここでは時代の経過と私の体験上、まず小野さんのことから語っていきたい . . . 本文を読む
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『雨ニモ負ケズ』

2024年11月29日 14時01分36秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
<以下の文を復刻します。> 日本で最も有名な詩が『雨ニモ負ケズ』だろう。これはもちろん宮沢賢治が書いたものだが、原文は漢字交じりのカタカナ書きである。作られたのは1931年・昭和6年とされる。賢治愛用の黒い手帳に記されていた。私はこの詩に人間の一つの原点を見る思いだ。ただし、私には「決して怒らず」などということはできない。不義や不正を見れば怒って当たり前だ。しかし、この詩は私を、いや人々を惹 . . . 本文を読む
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『されど われらが日々ー』

2024年11月23日 14時41分15秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
<以下の文を復刻します。> 『されど われらが日々ー』 題名からして郷愁・ノスタルジーを感じさせてくれる。ご存知、柴田翔(しょう)さんの芥川賞受賞の小説だが、1964年の作品だからもう半世紀以上がたつ。何回も読んだが、読むたびに新たな感慨が湧く。こういう作品を名作と言うのだろうか。最近、また読んだ。いつも泣けてくるが、今回は不思議に涙が出なかった。頭が悪いのでディテールを忘れていることが多い。頭 . . . 本文を読む
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江戸川乱歩の『芋虫』にショック!

2024年11月23日 03時07分22秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
<以下の文を復刻します。> 文芸評論などは滅多にしないが、江戸川乱歩の短編小説『芋虫』については何か書かざるを得ない。ショッキングな小説である。一言で云えば“グロテスク”な嗜虐(しぎゃく)趣味の極致だろうが、なかなかこんな作品は書けるものではない。乱歩だから書けたのか。1929年(昭和4年)の作品というから、当時のエロ・グロ・ナンセンスの風潮を背景にしていたのか。それ . . . 本文を読む
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小説『若草物語』

2024年11月16日 14時04分09秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど
主な登場人物・・・星野英樹。 宮寺恵子(1年下の女生徒)。 宮寺和江(恵子の母)。 星野久子(英樹の母)。 鳥井信子(英樹の同級生)。 島本昌弘(英樹の友人) 時・・・1956年~57年場所・・・埼玉県浦和市(現さいたま市) 小説の舞台になった現在の「さいたま市立本太中学校」 英樹(ひでき)が恵子を知ったのは、たしか中学2年の真冬の頃だったと思う。昼休みに大勢の生徒が校庭で遊んでいた時、 . . . 本文を読む
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