1980年(昭和55年)の大ヒット曲で、五輪真弓が作詞・作曲し彼女自身が歌ったものだ。 ある人が、これは「アクティブな生き方をしているインテリ女性の失恋というイメージがある」と語っているが、私もそのような印象を受ける。
ちょうどこの頃は、男女間の雇用機会均等が叫ばれ、女性の社会進出が当然のことのように言われた時期だ。現実に5年後に「男女雇用機会均等法」が制定された。
そうした背景の中で、インテリ女性の“痛切な失恋”を思わせるこの曲が世の中に広まったのだろう。五輪真弓の硬質な歌声とメロディーによって、切々たる哀感が伝わってくるようだ。 しかし、アクティブな女性は挫けない。失恋という挫折を乗り越えて前へ進んでいくに違いない。
なお、この曲は韓国やベトナムなど、アジア各国でも大いにヒットしたという。
五輪真弓「恋人よ」/Mayumi Itsuwa「MY ONLY LOVE」