2020年2月15日<1>
年明け以降、毎週続いた休日出勤が一段落し、久々土日休みの今日明日は毎年恒例となりつつある南伊豆ぶらり旅へ。
異様な暖冬に輪をかけて今週末はもはや4月の陽気。ということでもちろん釣具持参。
あわよくば南伊豆でシーバスフィッシング、なんて目論みながら午前11時出発。
12時20分、東京駅9番線に到着。これから乗るのは12時30分発「マリンエクスプレス踊り子79号」。発車10分前。意外にギリギリだった。
旅立ちを飾るこちらのE259系「マリンエクスプレス踊り子」、昨年遅ればせながら初めて見て一度乗ってみたいと思ってたところ、ようやく乗車チャンスが来たと思ったら、なんと来月の3月ダイヤ改正で廃止とか。
251系「スーパービュー踊り子」・185系「踊り子」の引退やE257系の「踊り子」転属、E261系「サフィール踊り子」デビューなど、今春ダイヤ改正で「踊り子」に動きがあるのは予想されてたけど、どうやらまだ残ってくれそうな185系より先にE259系が「踊り子」運用から離脱とは。
「踊り子」としてE259系が走るのもあとわずか、ということで9番線ホームにはカメラマンが多数。ダイヤ改正間近の光景。
イカリをイメージしたようなシンボルマーク付きのE259系も間もなく見納め。本来の「成田エクスプレス」運用に戻るならいいけど、京成「スカイライナー」に劣勢を強いられていると言われる現状。今後のE259系動向が気になる。
E257系の前面デザインがどうも自分には合わず、E259系が伊豆路に戻ってきて「マリンエクスプレス踊り子」としてまた走ってくれるのを何気に期待してしまう。
飛行機の国内線もほぼ乗らず、まして国際線の搭乗歴皆無の自分は当然「成田エクスプレス」にも乗ったことがなく、今回初めて乗るE259系。
普通車ながらなかなかゴージャスな内装。コンセントも全席に付いている。しかし料金は「スーパービュー」と同じA特急料金。
このモニター、「成田エクスプレス」運用時は別の映像が流れるのか?今日はこの固定画面のまま。
この「マリンエクスプレス」仕様のヘッドレストカバーがまたいい感じだけど、廃止されたらこのカバーはどうなるのか?
ブルトレ廃止時にJR浴衣を持ち帰る輩がいたというし、その時みたいに盗難・・・なんてならないといいけど。
発車時刻が迫り、9番線に「ドリームパーク」が流れる。これ聴くとテンション上がる。
そして定刻12時30分、「マリンエクスプレス踊り子79号」定刻発車。VVVFらしい滑らかな滑り出し。5号車の乗車率は40%ほど。隣席されることもなくゆったり。
さっそくビールタイム。もっと飲みたいけど、今夜は伊豆の海の幸が待っているので350ml1本でガマン。
乗車券は今回も「南伊豆フリー乗車券」使用。下田まで行くと単純往復でモトがとれかなりオトク。
この列車、伊豆急下田までの所要時間は3時間5分。熱海までは1時間21分と標準的な時間ながら、どうやらその先、伊東線・伊豆急行線内は行き違い停車の嵐っぽい。
このシートマップ、ネットに出てくるE259系座席表と比べ何か違和感あると思ったら、画面上左から席番1→2→3→4・・・の場合上からA→B→C→D列と表示されなければいけないところがD→C→B→A列と表示されてる。
以前JR西日本みどりの券売機で購入したキハ189系「はまかぜ」でも似たようなことがあったけど、プログラムの間違いなのか、これは一瞬頭の中が混乱する。
とにかくE259系の海側席はD席になるので、シートマップに惑わされずにD席を予約。
品川を通過。新型コロナウイルスと呼ばれる感染症が流行してしまい厳戒態勢が敷かれる中、この車内は平穏リラックスムード。ご婦人グループの楽し気な声が響く。
「マリンエクスプレス」は心地よいモーター音を響かせて東海道を快走。そして通過駅や沿線にはカメラマンが多い。この30分後に「スーパービュー」が追走するので、251系とE259系を両狙いか。
横浜で増客。5号車の乗車率は60%ほどに。横浜を出ると次は熱海までノンストップ。途中の大船では車両基地に引き上げるE259系の姿。
列車は相模川を渡る。この橋梁の平塚側河川敷、撮影のメジャーポイントらしく大量のカメラマンの姿。相模川お立ち台?ご婦人グループもざわつく。
今春のダイヤ改正、多くの185系がE257系に置き換えられるのかと思いきや、どうやら185系はまだ現役を続けてくれるようで一安心。
さすがに古さが目立つようになった185系ながら、国鉄車独特の匂いやモーター音、そして特有のかっこいい「顔」など、あの味わい深さは今の車両には無いもの。帰りは185系「踊り子」であのモータ音を堪能する。
小田原を過ぎると渋滞する西湘バイパスを横目に相模湾の海岸沿いへ。
「あらすごい渋滞、やっぱり電車がいいわね~」とご婦人グループ。自分も同感。
13時51分、熱海に到着。ホームに小鳥の姿。「あら鳥よ鳥、何て鳥?」とご婦人グループ。自分も気になる。シジュウカラ?
熱海を出ると伊東線へ。ここからは行き違い停車の嵐が予想される。
さっそく来宮で停車。目の前には今や珍しい手動式ポイント。かつては全国各地で駅員さんがレバーを動かしてポイントを切り替えていたかと思うと感慨深くなる。
「移動」という側面から見ると鉄道は便利になったのだろうけど、「旅」という側面から見ると本当につまらなくなった。「踊り子」のように在来線特急が走ってくれている所はまだいいけど、東海道や東北本線のように在来線特急なしの普通列車ロングシート苦行では行く気にならなくなる。
何気なく手動ポイントを見たら、もう恐らく戻ることはない古き良き時代の鉄道に思いを馳せて悶々としてきた。
来宮を出ると「踊り子」の真骨頂、本格的オーシャンビュー。あいにく曇り空。明日は雨予報なのでまだいい方。
そしておなじみ初島の姿。今日は波が穏やかで、既に釣り欲がムンムン。今日は恐らく釣りする時間は無いから、明日も雨は降ってもこれくらい穏やかな海であってほしい。
14時17分、伊東到着。多くの乗客が下車。あのご婦人グループも。
♪伊東に行くならハトヤ♪あのCM世代の自分には伊東=ハトヤだけど、この降車客の数をみると伊東は今も変わらず人気の観光地。
行き違いで数分停車するようなので、ホームに降りて外の空気を吸う。こういう小休止タイムはありがたい。
車内に戻ると、隣のホームにはデビュー間近、あのE261系「サフィール踊り子」の姿。サボは「試運転」。来月のデビューへ向けて着々と試運転が進められている。
しかし全車グリーン車か。さらにはプレミアムグリーン車なるものも。E231系やE217系のグリーン車といい新幹線のグランクラスといい、JR東日本は格差分けが好きらしい、などと嫉んでみる。
伊東を出ると伊豆急行へ入り、伊豆高原へ向けて一路登坂。川奈辺りでは高原の向こうに広がる海の車窓。リゾート感が漂ういい眺め。
14時50分、伊豆高原到着。やはり熱海以降は行き違い停車が多くここでもしばらく停まるかと思いきや、意外にすぐ発車。
眼下には伊豆のきれいな山々と海。あのひょっこりと突き出た茶色い山がいつも気になる。晴れていればもっとコントラストが出るけど、さすがに曇天の今日はイマイチ。
15時ちょうど、伊豆熱川到着。
毎度目の前で上がる湯けむりは圧巻。多くの乗客がカメラを向ける。「玉の湯源泉 自噴100℃」の看板。自分は入ったことないけど、熱川はオーシャンビューの本格的温泉が味わえる場所かも。加水なんかされていたらガッカリ。
伊豆大川付近では伊豆大島をバックに河津桜と海の絶景。満開の河津桜は初めて見たけど、いや~きれい。若い頃はあまり花に関心が無かったけど、歳と共に花がきれいに見えてくる。
伊豆稲取を出ると列車は海岸線へ。伊豆大島を眺めながら堤防で釣りできそうなポイント。釣り人が数人見える。あ~釣りしたい。
車内放送で車窓に見える伊豆諸島についての案内が入る。晴れていれば島がクッキリ見えるけど、曇天の今日はかすかに見える程度。沖に浮かぶ船の後ろに見えるのは、案内放送によると確か利島。
15時19分、列車は河津に到着。非常に多くの乗客が下車し、5号車は自分を入れて残り2名に。
今の時期、河津では河津桜まつり開催中。上りホームは列車待ち客でごった返している。
列車から河津桜が見える定番スポット、河津川。川の両サイドは河津桜並木。降りて歩いてみたくなる。しかし見る限りすごい人だから人混み苦手の自分には無理そう。
河津川を渡ると列車は海岸線を離れ山間部へ。蓮台寺では普通列車と交換。これが最後の行き違い停車。
ここまで行き違い停車が本当に多かったけど、初のE259系「マリンエクスプレス踊り子79号」は実に快適だった。噂通りトイレの数が少なかったこと以外は。
「踊り子」としては長めの3時間5分だったけど、恐らく最初で最後の「マリンエクスプレス踊り子」、じっくり堪能させて頂いた。
伊豆急下田でE259系を見れるのもあとわずか。またいつかこの伊豆路に戻ってきてくれることを願いながら改札へ。
このあとは東海バスに乗り換えて伊浜へ向かう。