2013年12月28日
今日から冬休み。毎年恒例、冬の北海道へ出発。
本来ウキウキ気分の北海道も、今回は暗い影が。
その理由は、12月20日ついに正式に出された「あけぼの廃止」の発表。
11月2日の新聞報道以来、無駄な抵抗とはわかっていながらJR東に「廃止反対」を訴えてきたけど、
やはり無駄だったようで、ついに現実に。
「年々ご利用が減少」「機関車と客車の老朽化」が廃止の理由。
「減少なんかしてない」と訴えたものの、
「お客様のご指摘のようにご利用の多い時期もありますので臨時列車として運行します」
と白々しくかわされた。
どうせ2シーズンくらいのわずか数日間運行して、シレッとやめるんでしょうけど。
また、ある新聞では「乗車率が60％と低迷」などと書かれていて唖然。
「60％」ってかなり優秀だと思いますが。
いずれにしても、冬休みに「あけぼの」で出発できるのは今回が最後かもしれません。
自分は「ムーンライトえちご」で行く予定だったけど、
奇跡的に出発前日にキャンセルが出て、思わぬ形で「あけぼの」ソロゲット！
「北海道&東日本パス」が使えなくなる為、大幅な予定変更を余儀なくされるけど、今回は「あけぼの」優先。
急遽、小樽までの往復乗車券（復割）を購入して上野駅に向かいます。
そして20時10分頃、上野駅到着。寒波到来で運休が懸念されたけど、今日は無事運行されるようです。
そう言えばこの冬はあまり運休のニュースを聞きません。
強風・大雪が警報レベルまでいっていないのか、JRが気合を入れているのか、
わからないけど、利用者としてはありがたい限りです。
乗車前の夕食購入。上野駅で夜行列車乗車前に駅弁を「どれにしようか」と悩むのはまさに至福のひと時。
しかしこの至福の時間も、もうこれが最後かも。そして聖地13番線へ。
何だかそわそわしている人が多いです。何とも落ち着かない雰囲気。
「あけぼの」も消されてしまうのか？
20時55分頃、いつもと同じように「あけぼの」が推進運転で入線。
それと同時に、ホームにいる人ほぼ全員がカメラマンに変身！何だこれは？
こんな光景を見ると「廃止」が現実味を帯びて迫ってきます。ダメ、直視できない。
さらに先頭の機関車を見に行くと、さらに受け入れがたい現実が。
非常線登場！
安全確保の為、EF64周辺には規制ロープが張られていて近付けません。
あ～、「あけぼの」が手の届かない所へ行ってしまったようだ。
次から次へと人が。
無理。これ以上この光景を見るのは無理。自分は本日のお宿、5号車にそそくさと乗車。
しかし、車内にまで撮影隊が押し寄せます。あ～もう早く落ち着きたい。
ゴタゴタの中、21時16分となり「ピーッ」という汽笛と共に「あけぼの」定刻発車。「ふ～」。ようやく一息。
もしかしたらこれが最後の下り「あけぼの」乗車かも。本当にこの時が来てしまうとは。
駅でごった返すサラリーマンを尻目に個室でビール。「あけぼの」で幾度となく見てきたこの光景。
いつもは、失礼ながら、優越感に浸りながら見るこの景色も、今日は寂しさしか感じません。涙が出そうです。
心なしか、今日は「あけぼの」の姿に振り返るサラリーマンも多いような気がします。
大宮を出て高崎線に入り、気分的にやや落ち着いたところで夕食タイム。
途中駅のカメラマンの姿が異様に多い。昨年の「あけぼの81号」の時のようです。
あの賑わいから1年、まさかこんな時が来ようとは。
高崎到着。
上越線内は部屋の照明を消して夜景を眺めます。ソロ上段からは満天の星空が。
ベッドに寝そべってひたすらボーッと眺めます。息をのむ美しい冬の星空。
もうすぐこの景色も見れなくなってしまうのでしょうか。
「時代の変化」という言葉に、こんなにも嫌悪感を抱くのは初めて。
やがて星空は雲に隠れ、天気は一気に変わり雪に。そして水上に到着。
そして新清水トンネルへ。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」の通り、トンネルを出ると絶景の雪景色。
いつ見ても美しい冬の上越国境夜景。この景色もこれが最後になるかも。
時刻は24時30分。ずーっと「あけぼの」の事を考えていたけど、六日町を過ぎたあたりで睡魔が襲ってきました。
雪景色に未練を残しつつ、ブラインドを下ろして就寝。「ソロ」は本当に快適。zzz…。
