「何ボーっとしているのよ。しっかりしなと、」と母ちゃんはいった。
「あんたがジャガイモやるっていって、買った機会の代金はどうするのよ。
シオンは出て行ってしまうし、機械代の借金だけ残って、それでもじゃがいもを
やるつもりなのかい。」
「いや、シオンはやるっていったんだよ。あいつがやるっていったから、ジャガイ
モの種まき機械と収穫機械を買ったんだ。トラクターは、寿命でぼろになったから
かったんだ。」
「何言ってんのよ。それだけの設備投資にどれだけの採算があるって言うの。」
「しかし、この機械がなければ仕事はできないんだ。」
「そうやって、後先見ずに仕事ができないといっては、機械を買ったのよね。
支払いの月末になれば家中のお金をかき集めて、払いましたよ。
時には、子供のお金だって、手をつけたことがありますよ。」
「しかしな、機械のお金で生産物ができて、それが売れて、生活ができた
のも確かではないか。とにかく、支払いでおいたくられたとしても、
それで家族は食ってきたんだ。それを良しとしないとな。それに気持ちの持ち方し
だいで、生活はばら色にも灰色にもなるもんだ。」
「何ですって、これがせいかつですか。」ととうとう母ちゃんは頭にきた。
「いつもいつも仕事仕事で、私は、一人で子育てしたんですよ。
あんたは、自分の仕事仕事というだけで、自分がやったと自己満足できたんですよ
それが家族との生活ですか。ここには、家族で価値を分かち合うゆとりはないです
よ。今の言葉で言えば、あんたは、完全な自己中なんですよ。。
シオンが出て行くのもわかりますよ。こんなところに誰だっていたくないですよ。
私だって出て行きますよ。」
父ちゃんは、ここで、母ちゃんをなだめすかせば事は収まったのに、男のメンツ
がたたないとムカッとしていた。
事はどんどんエスカレートして、とうとう母ちゃんは、シオンのところに出て行く
と言い出した。
「大体私がここにいるのだって、お情けなんだから。自分がどれだけ、
くそなのかわかんないのかね。」
(スカトロジーが出てくれば大体事は穏やかにすまないのが世の定めよね。)
つづく
「あんたがジャガイモやるっていって、買った機会の代金はどうするのよ。
シオンは出て行ってしまうし、機械代の借金だけ残って、それでもじゃがいもを
やるつもりなのかい。」
「いや、シオンはやるっていったんだよ。あいつがやるっていったから、ジャガイ
モの種まき機械と収穫機械を買ったんだ。トラクターは、寿命でぼろになったから
かったんだ。」
「何言ってんのよ。それだけの設備投資にどれだけの採算があるって言うの。」
「しかし、この機械がなければ仕事はできないんだ。」
「そうやって、後先見ずに仕事ができないといっては、機械を買ったのよね。
支払いの月末になれば家中のお金をかき集めて、払いましたよ。
時には、子供のお金だって、手をつけたことがありますよ。」
「しかしな、機械のお金で生産物ができて、それが売れて、生活ができた
のも確かではないか。とにかく、支払いでおいたくられたとしても、
それで家族は食ってきたんだ。それを良しとしないとな。それに気持ちの持ち方し
だいで、生活はばら色にも灰色にもなるもんだ。」
「何ですって、これがせいかつですか。」ととうとう母ちゃんは頭にきた。
「いつもいつも仕事仕事で、私は、一人で子育てしたんですよ。
あんたは、自分の仕事仕事というだけで、自分がやったと自己満足できたんですよ
それが家族との生活ですか。ここには、家族で価値を分かち合うゆとりはないです
よ。今の言葉で言えば、あんたは、完全な自己中なんですよ。。
シオンが出て行くのもわかりますよ。こんなところに誰だっていたくないですよ。
私だって出て行きますよ。」
父ちゃんは、ここで、母ちゃんをなだめすかせば事は収まったのに、男のメンツ
がたたないとムカッとしていた。
事はどんどんエスカレートして、とうとう母ちゃんは、シオンのところに出て行く
と言い出した。
「大体私がここにいるのだって、お情けなんだから。自分がどれだけ、
くそなのかわかんないのかね。」
(スカトロジーが出てくれば大体事は穏やかにすまないのが世の定めよね。)
