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メンタルチャットでおこるさまざまな非日常

父と娘の歳月

2021-08-20 22:33:05 | メンタルヘルス
寿岳文章・寿岳章子共著 人文書院刊 1988年初版 先ほどの日本語と女より9年新しいだけなのに 滲みひとつない焼けもないのが来たのにはちょいとびっくり。これも公民館所蔵だから誰も借りなかったんだろう。表紙裏の貸出カードを見ると前に借りた人は14年8月5日だからほぼ7年前。これはamazonのカートに入れてあって 寿岳章子氏はある程度経歴を知ってるのだが 父である寿岳文章氏についてはほとんど知らないので借りてみた。読んだところ 章子氏がインタビュアーみたいな形で 文章氏がそれに答えて当時の話を語るスタイル。母しづ氏との回想から始まる。雑に言ってしまえば文章氏の自伝と寿岳家の交友関係みたいなもの。文章氏は兵庫の人で僧籍 母しづ氏は大阪の人。まあ伝記だと思って読めばいいのだが とにかく交友関係がすごい。京都学派の重鎮の西田幾多郎とか鈴木大拙 民芸の柳宗悦・河井寬次郎 京大生にはお馴染みの進々堂家具を作った黒田辰秋とか南禅寺管長の柴山全慶・・とか 他にも学者や著名人がごろごろ出てくるところはすごい・・を通り越してすさまじい。あたしも名前だけは聞いたことはあるが詳しく知らない人がごろごろ出てくるから 寿岳家の交友関係の広さには驚く。まあ 文章・しづ夫妻には 章子と潤の二人の子供がいたわけだが 章子氏は独身のまま亡くなったし 潤氏も東京天文台の館長だったが子供は無くご本人もすでに亡く 今向日市の寿岳家は誰が継いだんだろうと気になる。とにかく きらめくような交友関係の中 激動の時代を生きてきた時の話を読むだけでも面白いのだが複雑すぎて 誰が誰だかわからなくなることは請け合う。amazonのマケプレで程度のよさそうなのが送料入れても800円以下で買えるので 興味のある方はどうぞ。その前に図書館で借りて一読することをお薦めする。3日で7冊読むとさすがに肩がこるw
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日本語と女

2021-08-20 22:03:16 | メンタルヘルス
寿岳章子著 岩波書店 1979年初版。寿岳章子氏は1924年生まれだから この本を出したときは54歳。昭和54年か・・初版本で新書なので頁をとめる糊が劣化してて 数ページ外れそうなところがあるがまあ読める。うちの図書館は結構しょぼいので 書庫のキャパが狭いのか 需要の無くなった・・というか誰も借りない本はスペースの都合で公民館で保管してるらしくシールがある。まあ それ以前に表紙の裏に貸出カードが貼ってる・・ということは まだ貸出や検索が電子化される前の本てことで 最新にあたしの貸出日付が21年8月16日とあるが その前は2001年4月11日w もう20年も誰も借りなかった本てことになる。道理で劣化してるわけだ。当時寿岳章子氏は京都府立大文学部の教授で まあフィールドワークの一環で調査したものを書籍化したっぽい。1.女らしさとことば 2.日本語と女の暮らしとのかかわり に大きく別れてるのだが 2の第一章のうたの中の女・・て 当時の邦楽 主に演歌・歌謡曲を中心に 女に関わる言葉を拾い出して統計を取ってる。寿岳氏って文学部なのに なんでまた社会統計学みたいなことをしてんのか?と思う。まあ 歌は世相を表すというけれど こんなことしてていいのか? 京都府立大文学部って学生に手伝わせてこんなことやってたのか・・と思うと 目の付け所は面白いのだがうーむだ。そもそも専門は中世の日本語なので 専門領域の古典から拾った女性の立ち位置みたいなものの考察は面白い。個人的に農村女性のフィールドワークもしてるから そういう記述が出てくるのも理解できるのだけど 初版は1979年だ。まあ書きためたものを書籍化したのだとは思うが いったいいつの話?とか思ってしまう。これが1969年出版ならありえるかも知れないのだが。内容の一部が後で出た単行本にも引用されてるので読んではいるのだけど あまりにも古すぎる。こういう歴史の上に今の我々はいるのだな・・という意味はあると思うが今更買う本ではない。amazonのマケプレで送料入れて360円くらいで買えるのだけど 裏表紙を見ると当時の価格が320円と印刷されてるw まあ一度読んだのでもういい。これも図書館にあればいい本だ。でも もう分解しかけてるし 次に何年後か何十年後かに誰が借りるのかは知らんが その時は崩壊してるだろう。
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