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メンタルチャットでおこるさまざまな非日常

寿町のひとびと

2024-02-06 14:23:58 | メンタルヘルス
山田清機著 朝日新聞出版刊 2020年初版 368P 1980円 文庫化もされてて1155円
本書は朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」に2016~2019年まで連載していたものをまとめたもの。取材には6年かけたそうな。帯に ここは異界か、現代日本の最後の砦か。・・とあるのだが 内容的にはそんな感じ。大阪の釜ヶ崎 東京の山谷は有名だが ここは知らなかった。寿町を入れて日本の三大ドヤだそうだ。わずか200m×300mほどの町の中に120軒ものドヤが犇めくそうで 昭和の人なら想像できるだろうが 今の若い人にはわからないだろうなぁ・・と思う。簡易宿泊所・路上生活・昼間から呑むあぶれた人達・・とまあ ドヤ共通の話だが あくまでもこちら側から見た話なので それぞれの向こう側から見た絵はどうなってるかはわからない。ヘビーな内容なのが想像できたので 軽い万城目を読みながら少しずつ読んでたのだが やっぱりヘビーで深夜に呑みながらでないと読めなかった。ドヤのルポではあるけれど こちら側の支援者を掘り下げた内容が中心となるのは仕方がないが 中心となってるのは学生運動から左翼 宗教 ジェンダーと色々試行錯誤してたどりついた人が多いので そういう読み方をすれば昭和の尖がった人たちは今何をしてるのか?という読み方もできるので興味深い。本書もう出てから4年なので 古本がそろそろ下がってきてもいいのだが 未だに千円前後をうろついてるので買うか?と言われたら図書館にあるからもう少し待つ・・としか言えない。それに繰り返し読むとか本棚に置いておきたいか?と言われると微妙なのだ。文句なしに良書だけど あの時代を知らない人には単なる貧困の話に読めるだろう。あとがきにもあるが 本書が出た4年前に 街の中核をになってた日雇い労働者のおっちゃんたちが高齢化して 街も普通の街に変わりつつあるそうで 遅かれ早かれ再開発の波に飲み込まれて消えていく街だ。横浜の街中でもあり大手デベロッパーがほっておくわけがないからだ。買って読めとは言わないが図書館にあるなら是非読んでいただきたい。
コメント
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