評価していいのかは みんなそれぞれ違うだろう。オン・ザ・ロード スクロール版 ジャック・ケルアック著 青山南訳 河出書房新社刊 2010年初版 定価3500円。うちの図書館で検索したらこれしかなかった。本書は別に刊行版というのがあって こっちは小説(まあ小説といっても ノンフィクションなのかフィクションなのか曖昧なのだが)というか 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 全24巻の中の一冊 訳は同じ青山南氏で 出版もおなじ河出書房新社 こっちは2007年初版で2600円。簡単に言ってしまえばスクロール版はカルアックの元原稿を忠実に再現しているところである。もう一冊は小説としてのオン・ザ・ロード。なぜスクロール版というのか?というと 普通英文タイプライターというのは紙を一枚ずつ挟んでタイプしていくものだが カルアックはこれを嫌い つぎあわせたロール紙でこれを書き上げたことに由来するもの。出版社の手直しが無いこっちが本物なのだが いかんせん読みづらい。書かれたのは1951年 初版が出たのは1957年だ。内容?男二人がニューヨークからメキシコ・シティまでのおしゃべり過剰の気ままないきあたりばったりの旅を描いたものである。車・セックス・ドラッグ・JAZZ・友情まあ そんなものを全部ぶち込んで煮たような代物だから筋らしい筋は無い。これがビート・ジェネレーションの誕生を告げ バイブルとなり その後のあらゆる文学・文化に影響を与えた本であることは間違いない。ジム・モリソンやジョン・レノン ブルース・スプリングスティーン 二ール・ヤング ジャニス・ジョプリン デニス・ホッパー ヴィム・ベンダースなどなど 60年のカルチャーを生み出した作品・・と言えばいいのだろうか・・まああたしが その時代を生きてきたから・・というのもあるんだろうが おはずかしながら本書は未読であった。アメリカ文学と言えばサリンジャーやヘミングウェイだけじゃないぞ?というを強烈に印象付けた本でもある。ま当時を知らない人には ただだらだらと無軌道に放浪を続ける男たちの話なんか はぁ?何?という感じだろうが 60~70年代を知るものには ああ始まりはここだったのか?と納得するような作品である。解説でもあるように絶望の循環とは 目標から「絶えずずれていくのが人生の経験というものだ」という信念を表したものだ。究極のアレを求めるために常に動き回るのだが けっきょくそれは得られない・・という絶望である。まあ本書 読む人によってみんな感想が違うだろうが あたしはヒッピー世代なので 前のビート・ジェネレーションの世代から読み始めると とてもわかりやすい。僕たちが 理想 まあ本書で言えば究極のアレだが 結局誰もたどりつけなくて挫折していったのがよくわかる。さて 本書 刊行版とスクロール版の2版があるのだが 個人的にはぜひスクロール版を読んで欲しい。こちらには著作権やもろもろで削除せざる得なかった部分があるし 登場人物も本名 ジャック・カルアックやアレン・ギンズバーグ・・といった有名人すら実名なのだから。路上?そんなもんもう読んだよ?と言う人にもこのスクロール版は再読して欲しいものだ。ちなみにスクロール版は図書館で借りて読んで刊行版は安いのがあったので買ったが 来月当たりにスクロール版も買おうと思ってる。ついでに読みたいのが トム・ウルフのクールクールLSD交感テストであるw
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