私はメンタルチャットの管理人

メンタルチャットでおこるさまざまな非日常

私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット: 中国の富・権力・腐敗・報復の内幕

2023-09-05 22:14:13 | 
デズモンド・シャム著 草思社刊 2022年初版 328P 2860円
amazonのレビューを見ると絶賛してるのと 冗長・・というのがある。日経の書評から拾った図書館の本。著者の個人史を読みたいわけでは無いので もっと整理して新書なら売れたかも知れないけど 3千円近い価値は無い。なんせ328Pもあって嫌な話満載なので一読したらそれでいいかと。基本は 中国でビジネスするとなると 縁故ビジネス。 中国共産党は人民の味方ではなく 絶対の権力で人民を支配し 幹部やその一族が好き放題したり私腹を肥やすためには 平気で命すら奪う・・というヤバさ。中国って普通の国・・て思いたい人もいるだろうが 実情は酷いので知るために読んでおいた方がいいだろう。個人的には やっぱそうなのね・・で終わった本。
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踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代

2023-09-04 21:36:11 | 
小倉 孝保著 講談社刊 2022年初版 376P 2200円
まず うちの図書館がこれを買ったことに驚く。 十一章の 見事な最後・・を読んでたら いきなり泣けてきた。涙が止まらん。
これはそういう本。あーだこーだ言うつもりは無い。昭和を生きてきた人にだけお薦めしたい。
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「おかえり」と言える、その日まで 山岳遭難捜索の現場から

2023-09-04 21:32:45 | 
中村 富士美著 新潮社刊 2023年初版 160P 1540円
今日は大雨のはずだったが 午後から薄日が差してたので 彼女が仕事帰りに取ってきてくれた。これは待ってる人がいるので2週間しか借りれないのだが・・・期限は18日なのだが 6時過ぎから読み始めて3時間たたないうちに読み終わった。版型が新書を数センチ横に広げたようなソフトカバーで ページは厚手の上質紙なので単行本・・といわれりゃ言えなくもない。不思議なことに 出てまだ5カ月なのにamazonでの新本の取り扱いが無い。よほど部数が少ないのか バカ売れ・・するような本でも無いし謎だ。小さな版型なのに上下の余白も行間も広いし文字も教科書並みに大きい。つまり情報量が少ない。著者は東京青梅市立病院の救急救命センターの看護師だった人で今は外来だが 山岳行方不明者遭難捜索活動および行方不明者の家族サポートを行う民間の山岳遭難捜索チームLiSS代表。場所柄青梅や秩父のそんなに高くない日帰りコースでも行方不明になる。警察や消防なんかの山岳救助隊が最初に入るのだが 見つかるまで探すわけでもなくある期間捜索して見つからないと打ち切りになる。そこから先は家族の求めに応じて民間の捜索隊が入るわけで まあそこの代表だ。捜索の日当は1人1日3~5万で 最低2人で行動するので最低でも1日6万 捜索が数カ月に及ぶと家族が破綻するので どんな低山でも山岳保険はちゃんと入ろうね・・というのと 最近は発信機を持って入山し遭難したらヘリで電波探知して大体の位置特定をするサービスもあるらしい。単独行はちゃんと届を出して万が一の時の装備と食料と・・て言い出すときりがないが。あたしも 山は好きだが若いころからちゃんとした登山をしたことが無い。奈良の若草山のぼったくらいで遭難しようが無いのだが 10年ほど前に山梨の知人が ちょっとあそこ登ろうぜ・・頂上で呑むビールは旨いぞ・・と言うのでのぼったことがある。そこに見えてる植林された低山で えールート知らんし装備もないからやめとく・・と言ったら すぐ行けるしルートは知ってるし 装備はなんもいらん・・と 食料とビールだけ持ってスニーカーで昼近くの遅い時間から動き始めたことがある。彼は地元なので安心してたんだが 彫金屋さんで山は素人なのは後で知ったのだが 案の定迷った。お気楽な人でだーいじょぶだーいじょぶでついていったあたしもバカだが。ガイドが迷い あたしが少ない知識でこっち・・といって 数時間迷ったがなんとか降りてこれた。その後彼と呑むとその話題で平謝りだったが 遭難しなくて良かった。もう大病して体力半分以下なので ちゃんとした装備で縦走するようなのや沢なんか無理だし ちゃんとした経験がないと何でもないところで怪我するのを知ってるので行かない。今行きたいのは吉田山(京大の裏山)と如意ヶ嶽(送り火で大の火床があるところで小学生の遠足ルート)くらいが限界だろうな・・と思う。まあ 山を甘く見たらとんでもないしっぺ返しを食うから気をつけようね‥と言う話。内容的には悪くないが この価格に見合うだけの情報量が無いので 図書館にあったら読んでおくくらいでいいと思う。
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羊飼いの想い: イギリス湖水地方のこれまでとこれから

2023-09-04 11:28:14 | 
ジェイムズ・リーバンクス 著 早川書房刊 2023年初版 352P 2750円
前作の 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季・・は古本で310円だったが これはまだ出たばかりなんでお高いので図書館の本。本書も多数の有力紙誌からの激賞を受けたほか、2021年のウェインライト賞(英国ネイチャーライティング部門)を受賞したらしい・・とカバー裏にある。前半は続編ぽいのだが 三章の進歩あたりから農業全体の話になる。章の始めにレイチェル・カーソンの沈黙の春から引用されてるのからわかるように 化学薬品による環境汚染について書かれ 農業の大規模化 工業化について警鐘を鳴らしている。消費者が食料はどういう環境でどうやって作られているかについて関心がなくなったので安ければいい・・という方向に進んだので生産者 まあこの場合は農家だが経営を圧迫し 少しでもコストを下げるために品種改良をし大規模化して数で補おうとする悪循環にはまってる。古い小規模の混合農業てのは確かにロマンではあるけれど経済的に成り立ちにくい。近代化した農業・・それは農業大学で教育を受けた効率性という教義の狂信者・・彼らはビジネスマンだ・・と。高級なランドローバーを乗り回し 自分の手を汚すことなくあたかも企業で働いているかのように話す偽ファーマーだと。食べ物は工業製品ではないし その生産が環境に与えるダメージも含めて農業を考えなければいけない・というのが主張だ。自然は無限の資源と埋蔵量があるという古い信仰は自然を破壊へと導くもので 自然は有限であり壊れやすい。そういう環境問題も含めての持続可能な農業 未来に残せる自然を守ろうよ‥って本。羊飼いの暮らしがお好きだった方にはいいだろうが 後半か環境啓発本みたいになってるので 評価は分かれるだろう。小規模な混合農業だけで生活が成り立つなら それもいいだろうが 著者自身 農場からはほとんど利益が上がらないので 別の仕事で補填してると書いてる。売れた作家なんでそれができるので著者の場合はそれで食えて 農場は理想の実現でやれるからいいだろうが 普通のファーマーにそれを求めるのは無理があると思う。結局こういう高い理想を唱えることができるのは ある程度余裕のある人に限られちゃうからだ。あたしもレイチェル・カーソンの沈黙の春も遺作のセンス・オブ・ワンダーも本棚にあるけれど 理想と現実のギャップはどうするのか?という問題は未だに未決着のままだ。セブンイレブンが自社ブランドのペットボトル飲料を再生プラに切り替えた・・と自慢げに宣伝してるがそんなん当然で あたし個人としては片道通行のPETボトルより 流通に手間がかかるが より環境に優しい繰り返し使えるガラスボトルに戻せ・・と思う。1.5リッターのコーラや リサイクルはできるが実際は環境を汚すビールやチューハイの缶も繰り返し使えるガラス瓶に戻せと思う。食のイベントで多用されるスチロールの容器や使い捨ての弁当容器 冷凍食品や練り製品のプラトレイ スーパーの刺身や肉だって経木で良くない?とか思うんだが。多少不便でも環境に配慮するなら そこまでやらないとダメなんじゃないの?と思わなくもない。あー瓶ビールを推すのは 缶より美味しいからだけなんだけどねw
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「私のはなし 部落のはなし」の話

2023-09-03 19:46:03 | 
満若勇咲 著 中央公論新社刊 2023年初版 240P 1980円
著者は86年生まれの大阪芸大で記録映像 要はドキュメンタリーを学んだ人。在学中に「にくのひと」って自主製作映画を撮ってるが これは 屠殺場・・今風に言えば食肉処理場を撮ったドキュメンタリー。今の人だと 肉・・ってスーパーのお肉コーナーでカットされたパックを買うか 裕福なお方はお肉屋さんのショーケースから買うわけだが そもそもお肉って 生きてた動物を殺して解体して枝肉にして流通するので 屠殺・解体が避けて通れない。これに従事してる人が多いと思われてるのが 江戸時代に穢多・非人(被差別部落民)として 当時の人々に忌避されていた部落民と呼ばれてた人たち。「死牛馬の処理」を強要されてたので差別されてたからなのだが 今でも差別は続いている。部落差別が残ってるところでは食肉処理場で働いてるだけで部落民・・となる可能性があるわけで 結局公開せずに封印してお蔵入りになったのが にくのひと。にくのひとが2007年で カメラマンとして仕事を続けながら ほぼ自費で撮ったのが 「私のはなし 部落のはなし」。これが2022年だから15年もこの部落問題の企画を温めてたことになる。映画は3時間25分の大作で あたしは知ってはいたけど残念ながら観てない。キネマ旬報ベストテンの文化映画第1位を獲得したそうな。本書はにくのひとから 私のはなし~へと繋がる 撮影の裏側を監督本人が書いた本。個人的な感想を言わせてもらうと素晴らしいのだけど 今部落問題・・て知らない人も多いので 誰にでもお薦めできる本ではない。人権や差別に関心がある人には興味をそそる本だ。私が生まれたのは三重の津市で県庁のそば 塔世川の近く。平成の大合併で安濃川と名前が変わったが ここの川を超えたもっと海寄りの地域が相生町と言って同和地区だ。なので興味があって当然。これも図書館の本なので もう一度読み返したいのだが 先にも書いた本借りすぎで 一度返してくる。直木賞や芥川賞のベストセラーじゃ無いので 待っても数人だろうし 手元に期限までに読まなきゃいけない本が8冊もあるのは精神的に良くない。今?ジェイムス・リーバンクスの羊飼いの想いの半分くらい。前作の羊飼いの暮らしは古本買って読んで 今は彼女が読んでる。
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