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メンタルチャットでおこるさまざまな非日常

1970年代文化論

2023-09-09 22:14:44 | 
日高 勝之 (著, 編集)? 青弓社刊 2022年初版 280P 1980円
今回借りた10冊のうちで一番読みたかった本だ。日経の書評から拾った本。
表紙にはこうある。 〈政治の季節〉として語られる1960年代と、大衆消費社会やバブル文化で特徴づけられる80年代に挟まれた1970年代の文化は、2つの時代の「断絶」に位置して見過ごされ、戦後史での位置づけは不十分だった。沖縄返還や日中国交正常化などの政治の動き、高度経済成長や第一次石油ショックなどの経済の変容を押さえたうえで、1970年代の映画、テレビ、雑誌、文学、音楽、アート、国家イベント、社会運動を横断的に考察する。その際、「家族・若者・中高年」「政治・性・マイノリティ」「国家・地方・周縁」などに注目しながら予断を排して検証する。〈政治の季節〉から消費社会への過渡期という1970年代の単線的な歴史理解を退けて、新自由主義、新左翼、ポストモダン、戦後民主主義などが複雑に交錯した70年代の文化の深淵に迫り、「70年代とは何か」という問いに正面から応答する試み。
バブルの時代は覚えてるが・・と言っても遊んだわけじゃなくて 大きな買い物をしてた時代なんでわかるが その前はよくわからない。特に70年代はいろんな文化がが花開き世間も大きく動いていたので この辺を分析した本を待ってた。そんなに高くないが読まずに買うのは怖いな・・と思ってたら図書館が買った。表紙は時代をあらわしてて素敵なんだが 日高勝之 編集・・となってる。え?この人が書いたんじゃないの? 全部読んでわかったのだが この人立命の社会学部の教授で65年生まれだから58か・・ 70年代を再考する研究で科学研究費に応募したところ採択され 6人の共著でこの本はできている。メンバはみんな大学教授で立命が3人 日大1人 フェリス1人 桃山学院1人なので 嫌な予感がしたんだが当たった。あたしが読みたかったのは 若者文化 社会 政治 風俗なんかを網羅した70年代の社会全体なんだが これは70年代のイベントを取り上げて分析してる。みなさん教授なんで自分の専門分野でピンポイントで持論を展開してられる。ビックリハウス・ホームドラマ・伊庭遼太郎・大島渚・太田竜・東郷健・新日本紀行・CATV・・て確かに ピンポイントでは大きな転換点だけど 全体が全く見えないというか見せない。 それぞれが自分の専門分野で書いて ゼミの教科書にするような本になってるので もうがっかり・・ そりゃあんたがアホだからだろ?と言われたらそれまでなんだが これ1980円は無いよなぁ・・と思う。興味のある方はどうぞ。

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麻生圭子の京都エッセイ4冊

2023-09-09 11:05:06 | 
東京育ちの京都案内   文藝春秋刊 1999年初版 246P 1619円+税
東京育ちの京町家暮らし 文藝春秋刊 2000年初版 198P 1429円+税
東京育ちの京都探訪-火水さまの京  文藝春秋刊 2007年初版 253P 1524円+税
茶わん眼鏡で見た、京の二十四節気 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版)刊 2007年初版 237P 1500円+税
麻生圭子氏て大分の人で 1980年代のアイドル全盛時に作詞家としてヒット曲を多数作詞した有名人。あいざき進也・浅香唯・飯島真理・石野陽子・伊藤つかさ・今井美樹・岡田有希子・吉川晃司・小泉今日子・小比類巻かほる・田原俊彦・徳永英明・中森明菜・西村知美などなど。1999年に横浜出身 一級建築士の旦那と再婚して京都に移住したらしい。旦那さんは11下で横浜の人だが京大で院まで行ってるから そのご縁で京都。最初は御所東のマンション住まいだったらしいが 旦那さんの縁で御所南の町家暮らし。ここは京都に多い定期借家で 中は今風に改装されてたのを 台所の床板はがして走りを復活させて走りやおくどさんまで戻したらしい。床は漆塗りを自分でやって・・というのが2冊目の京町家暮らしで これは最初の町家。 東京育ちの京都案内・・の後ろの方に二軒目の町家の話が出てくるが まあ他は京都エッセイだ。いくらかけたかは知らないが5年で定期借家が切れて六波羅の旧家の離れというか隠居所か・・に縁があって相当痛んでたらしいが 茶室がついてる・・てので修復してお引越し。ここも借家だ。旦那が建築家さんだから 横のつながりで職人さん頼めるので また大枚つぎ込んだぽい。お金があればなんでもできる。 さて京町家暮らし 京都に住んだことが無い人だと イメージですごく憧れると思うが現実は夏は死ぬほど暑いし冬は底冷えがすごい。麻生さんは町家を戦前の姿に戻して システムキッチンどころか人研ぎの石の流しに 冷蔵庫は水屋に ホテルにあるような極小のを2台隠して冷蔵庫は見せない。で エアコンを設置しない・・て徹底しすぎてる。お客があるたびにPCやTVも隠してたそうな。普段も着物だったのかは知らんが写真を見ると全部着物。まあエアコン入れても隙間だらけなんで冷房なんか利かないし・・冬は火鉢と炬燵だけだったらしいので よく我慢できたな・・と思う。昔なら耐えるしかないが。結局19年いて 1年ロンドン暮らしして もう京都には戻らない・・と琵琶湖の湖畔の企業のセミナーハウスみたいなのを買って リノベーションして住んでるらしい。1957年生まれの66歳だから体が悲鳴をあげたんだろう。麻生さんは作詞なんて夢売る仕事してたから 築100年の京町家で暮らす京女を演じたかったんだと思う。あと これ4冊読んで思ったのが 京都のええとこのお家の方ばっかとお付き合いしてる。そやから お席も何もかもお高いところばかりだ。あたしは町工場で その辺のおっちゃん・おばちゃんと仕事してたから 公設市場や商店街で・・な生活。麻生さんのは京都の美味しいとこだけを上手につまんでるので世界が違う。麻生さんのは外から見た古都京都で あたしのは働く京都なので 違和感がすごい。4冊とも古本なので2~300円だし残すほどではないので処分の方向。図書館にあると思うので京都好きなら一読されたら妄想が膨らんでいいと思う。 さすが作詞家 夢を売るのは上手だ。
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