無知の知

ほたるぶくろの日記

さわやかな5月

2019-05-25 14:07:11 | 日記

アップルゼラニウム

実は先週くらいはもっと花があったのですが、ひと段落して、花がらを摘んだところです。

もう少しするとまた咲くと思います。

リンゴの香りがほんのり。冬でも盛んにランナーを伸ばし、花を咲かせていました。
先週、今年初めて薄目の液肥をあげました。

昨秋だいぶ刈り込み、早春には特にランナーを整理し、コンパクトにしています。
ランナーを盛んに出すので、グラウンドカバーにもなるかもしれません。


東京ではそろそろ紫陽花が咲き始めました。
今週末は夏日ですけど、五月晴れ、というべきですね。

このところまた忙しいので、週末は静かに過ごします。
最近話題の『和渦(わか)』さんの「特選醤油ラーメン」を頂いてきました。


さっぱりとして、それでいて濃厚な鶏油の香りがあって、ボリュームがありました。
味の異なるワンタンが2個入っていて、大きなチャーシュー、
自作と思しきシナチク、味玉。

お腹いっぱい。ごちそうさまでした。

さて、あとは洗濯機のクリーニングかな。。。

夏の準備

2019-05-18 19:10:09 | 日記

薔薇の季節になりました。近所の丹精されているお庭の薔薇が今年も開き始めました。

こちらは去年もアップした記憶があります。花がハート形です。

 

こちらは花の形がちょっと違います。剣弁高芯咲き、でしょうか。

そしてこちらは初めて見る色合い。

平咲きで、シャクヤクのようなポピーのような感じのする薔薇。

毎年楽しませて頂いております。感謝致します。

気温もこのところ25℃くらいまで上がりますので、ほぼ夏。今日はいよいよ衣類の入れ替えをしました。果物もあっという間に微生物の餌食になります。冷蔵庫が大活躍の時期になりました。

 

さて、先日の虫下しの薬の話しを書いていて、久しぶりに生物のエネルギー単位、ATPのことを改めて考えました。ATPはアデノシン三リン酸のこと。アデニンがリボース(糖の一種)と結合したアデノシンにリン酸基が3つついたものです。アデノシン自体は割合ありふれた物質なんですが、リン酸基が3つあるのはとても不安定。エネルギーレベルが高く、容易にリン酸基を手放してエネルギーを放出する性質があります。

生化学実験ではエネルギー源として加えてやらなくてはならない反応が結構ありますが、分注してマイナス80℃に保管してあったATPが分解してしまっていて実験失敗、なんて言うのはありがちなことです。

このATPをどうやって作るか、が生物学の定義する「呼吸」であり、私たちが摂取した炭水化物がこのATPを作ることに効率よく利用されることが重要です。

大きく3種類ありますが、普通の細胞では主に使われているのがクエン酸回路。その他に解糖系、電子伝達系があるのですが、がん細胞はなぜか解糖系を使う。例の寄生虫は専ら解糖系を使っているので、宿主(人間や動物)に害のない虫下しとして解糖系の酵素阻害剤が使われます。

だから、この薬ががん細胞に効果してもおかしくないのです。
できれば静かにこの薬が皆さんに使われたら良いな、と思います。ヒトでの治験がまだないのですが、あまり人間にも害はないと思います。そっと広がって、一般化すると良いですね。

ベランダは花盛り

2019-05-15 21:19:49 | 日記
ベランダはペラルゴニウム(匂いゼラニウム)の花盛りです。
昨年秋に大分刈り込んで、冬越しをしてもらいました。

今、次々に花芽が出てきています。昨年夏から晩秋までしっかり施肥していたので、今年はまだ施肥していません。そろそろかな。

最初に花が咲いたのはファーンリーフ・ゼラニウム。



そして次がスケルトン・ローズゼラニウム。


少ししてレモンローズゼラニウム。



最後がクリスピューム・レモンゼラニウム。


花はいずれもピンク。少しずつ色も形も違うのが面白い。

雌しべの先端の繊細さがお気に入りです。
香りはそれぞれ特徴的です。

ファーンリーフ・ゼラニウムの香りは信じられないほど
”木の香り”です。

ペラルゴニウムの生化学的力は”神”です。

フェバンテルまたはフェンベンダゾール

2019-05-11 19:12:36 | 生命科学

連休中に出た週刊現代の記事、元ネタは英大衆紙『サン』誌の4月27日の記事

CANCER MIRACLE  Granddad claims DOG medicine got rid of his ‘head-to-toe’ cancer after docs gave him three months to live

(がんの奇跡  おじいちゃんは犬用の薬で身体中にあったがんを取り除いた。3ヶ月前、彼は3ヶ月の命と告げられたのに。)

しかし、もう少し調べてみますと実はかなり前からフェンベンダゾールにはがん治療に使える可能性があると分かっていたようです。


この記事は2009年の慶応義塾大学の記事です。
「虫下し薬が「がん」に効く? メタボローム解析でがんが回虫と同じ代謝を使うことを示唆 」
フェンベンダゾールは、動物の消化管などに寄生する回虫などの寄生虫に対する治療薬です。どうやって寄生虫を退治するのでしょうか?

普通のほ乳類動物はクエン酸回路という代謝経路を使って酸素を用いてATP(細胞が細胞内の遺伝子複製や物質合成、タンパク質合成などに使うエネルギーの元)を作り出しています。

面白いのはあらゆる生物が細胞内でのエネルギーの元としてATPを使っていること。小型の電池のようなものです。


寄生虫も小さいながら多細胞生物で、それらの細胞内でも遺伝子複製やらタンパク質合成、物質合成をしています。そして、使えるエネルギーの元はやはりATP。しかし、それを造り出す代謝経路はほ乳類細胞と異なっています。寄生虫には特徴的なATP産生経路があって、酸素を用いない酵素反応経路を用います。

この酵素反応を選択的に阻害するのがフェンベンダゾールです。それゆえ動物に害のない、駆虫薬として用いられているのです。

ところで、がん細胞は特殊な代謝をしています。このがん細胞の特殊な代謝経路については、すでに1955年オットー・ワールブルグ(ドイツ人生化学者、1931年黄色酵素に関する業績でノーベル生理学・医学賞受賞)が指摘していました。
好気的条件下でも腫瘍細胞は解糖系に偏った代謝を行っていることを明らかにし、『ワールブルグ効果』と呼ばれています。この原理は現在ポジトロン断層法(PET)に応用され、身体の深部にあるがん細胞を外から非侵襲的に調べる機械に応用されています。

そして、フェンベンダゾールはこのATP産生代謝経路を阻害します。大変に歴史的な、よく知られた腫瘍細胞の特徴なので、フェンベンダゾールが効果したとしても全く驚くにはあたりません。上で挙げた記事によれば2004年にはがん細胞に対する効果は確認していたとのこと。

ここで世論が盛り上がれば、ヒト腫瘍への適応について治験を行うことになるかも、しれません。現状では動物に対する治療薬であって、ヒトへの治験が行われていないので、表立って病院では処方できないと思います。患者さんが自分の判断で、服用するしかありません。

(しばしビビッドな野バラをお楽しみください。)


ところで、hiさんのご質問についてですが、
「話題の駆虫剤は 腸からは ほとんど吸収されないとのこと。」
フェンベンダゾールのWikipediaにはそう記述がありますが、プロベンズイミダゾール(体内でベンズイミダゾールに変換)である、フェバンテルですとこちらに記載があるように、経口でも吸収されるようです。

少し探しましたが、フェンベンダゾールの吸収のデータが見つけられませんでした。フェバンテルのデータを見る限り、経口摂取してもきちんとフェンベンダゾールの血中濃度が上がるようです。

したがって、おそらく最初の記事の方がフェバンテルを服用された場合、血流、およびリンパ液内の薬剤が身体中の腫瘍細胞に届いたのではないか、と思います。

フェンベンダゾールを服用された場合、殆ど吸収されないとしても、胃などの消化管に露出していたがん細胞は死ぬはずです。
そして、少しでも腫瘍細胞が死にますと、その死骸を片付けにマクロファージを始めとする免疫系細胞が集まってきます。それにより、腫瘍細胞に関する免疫学的なマーカー(標識)を大量に受け取り、細胞傷害性のNK細胞が活性化される可能性があります。免疫学的にも腫瘍を攻撃する態勢になり、一気に腫瘍が退治されてしまったのかもしれません。

そのためには、身体が元気であることが大前提。上記の「おじいさん」はまだ抗がん剤治療も行っていない「元気な」末期がん患者様だったため、より全てが効果的に働いたのではないか、と考えられます。
これからのがん(特に固形がん)の標準治療が駆虫剤になるときが来るかもしれませんね。

臨床の先生方には頑張って頂きたいと思います。


ふと気がつけば

2019-05-09 07:01:52 | 日記

この30年くらいの世界の変化はすごい。

その中で日本も変わっている。

 

こんな変化は もしかすると 今までもあったのかもしれない。

世界は いつもこんなふうに 変化していたのかもしれない。

私が もっと変化は緩やかだと 思い込んでいただけかもしれない。

 

あるいは 私の老化のせいかもしれない。

自分の変化が遅くなって、周りの変化が速く見えるのかもしれない。

 

あるいは長く生きてきたので、

子どもの頃の世界を憶い出すと その世界との違いが大き過ぎて

目眩がするようになったから かもしれない。

 

どっちにしても 年を取ったということか。。。

* 写真は地下鉄『表参道駅』の出口のひとつ。ビルとビルの隙き間に出てきます。