先日からNHKのニュースサイトに出ている記事が気になっていました。
NHKのサイトから転記させていただきますと
(以下、NHKサイトより)
「“学会”が発表した内容だったので信頼できると判断し、生徒たちに知らせました」
去年、新型コロナワクチンをめぐって科学的根拠の不確かな情報が拡散しました。
きっかけのひとつは、ある学会が発表した文書。それを読んだ公立中学校の校長は「価値は重い」と全校生徒への配付を決めました。
しかし取材を進めると、引用されていた海外の論文やそれが掲載されていた学術雑誌の信頼性に疑問があることが見えてきました。
不確かな情報の“根拠”を追跡しました。
(引用、ここまで)
これは現在使用されているコロナウイルス・レプリコンワクチンについての『デマ』を巡る報道です。
私が注目しているのはワクチンについてのあれこれではなくて、
「このワクチンに関する情報を、公立中学校の校長がネットで見つけ、
その情報発信者が『〇〇学会』であったため、すっかり信用し、
全校生徒へ配布を決めた。」
という部分です。
1)ネットリテラシーの低さ
2)生命科学リテラシーの低さ
3)全校生徒への情報発信に関する手続きの貧弱さ
という点で驚きました。
1)まずは発信元について、個人、団体を問わず、明確であるか、信頼のおけるものであるかどうか精査するべきでした。
この事例では「〇〇学会」(この学会については上記記事を参照してください)
が発信していたそうですが、当該校長はこの事実のみで情報を「信頼」したそうです。
「学会」も実態はいろいろです。
実態を精査するべきでした。
2)については、自覚していただきたい、ということです。
情報の真偽を判断するには、専門の人なり、団体なりに意見を求める。
これは基本です。
今回の事例でも、例えば生物の教師や保健所、校医などに意見を求めていれば、全校生徒への伝達は防げたはずです。
(現在の厚労省関連情報を信用しない、という思想の場合はやっかいですが)
詳細は知りませんが、この事例の発覚はおそらく生徒の家族からでしょう。
生徒の家族はさまざまな職業に就いておられるわけで、
生命科学の専門家がこの情報を見れば一目瞭然です。
専門性の高い情報発信は慎重にするべきです。
3)は組織ガバナンスの問題。
全校生徒への情報発信が「校長」の思いつきで簡単になされてしまう、
ということに驚きを禁じ得ません。
中学だと生物の教師もいるはずで、その方は発信前にこの情報は変だ、
とわかったはずです。
(わからなかったら大問題)
職員会議にもかけなかったのでしょうか?