無知の知

ほたるぶくろの日記

ちょっとだけワクチンの話し

2011-10-24 23:28:01 | 生命科学
東京も大分涼しく、秋らしくなってきました。そうなりますと、にわかにインフルエンザの動向が気になりはじめました。さて、ワクチンの最前線はどうなっているのでしょうか?

先日某○ヤリサンの会社がインフルエンザ抗体を含んだトローチを発売、とのニュースがありました。鶏卵にウイルスを無毒化して注射し、卵黄中に抗体を作らせ、その卵黄を粉末に(たぶん凍結乾燥によって?)します。この抗体を含んだ粉末を配合したトローチということで(卵アレルギーのある方はだめかもしれません)、インフルエンザウイルスを粘膜に張り付く前に無毒化してくれるということです。なめて2時間ほどは効果が持続するそうです。通勤通学時などになめていると、感染の機会を減らせるかもしれません。また鳥インフルエンザや新型インフルエンザの抗体も配合済みだそうで、かなり幅広いインフルエンザたちからの感染を防いでくれそうです。

その他、この10年ほどで経口の粘膜免疫獲得のための飲むワクチン研究も進んでいます。この分野では公的な資金での大きな研究も2008年から始まっています。もう少しで実用化になるのではないでしょうか。注射ではなく飲むことによって小腸のパイエル板にいるM細胞が粘膜免疫獲得のために働いてくれるのです。そうして粘膜を経由しておこる感染症に対する防御ができるようになります。また、より自然な形での免疫獲得ができるのは身体への負担を考えても良いことだと思います。

長生きについて

2011-10-16 18:29:28 | 生命科学
  太陽の黒点が多くて、太陽表面が斑にみえます。昨日SOHOのサイトで太陽を観ていて、ふと子供がよく描く「照っているお陽様」のようにみえました(上の写真)。太陽表面のあちこちに黒点があり、エネルギーが吹き出しているようです。黒点数も順調に(?)ここ5日以上100個を超えています。F10.7も9月24日の190という値に驚きましたがその後もずっと100以上です。本当に活発になりました。

ところで今週のNatureのハイライトはハダカデバネズミのゲノム解析でした。このネズミは地中で暮らす不思議な生態のネズミで寿命が他のネズミたちの十倍。ふつう研究室などで使われているネズミは3年ほど(それでも長生き)ですが、このネズミはなんと30年くらい生きるそうです。その長寿の秘密を明らかにしようとこのゲノム研究が始まったようです。これまでにも彼らの酸化ストレスに強いタンパク質についての論文がPNASにでています。長く人々の興味を引いてきたネズミですが、それほどゲノムに目立った相違点はないようです。長生きの秘密がネズミのもつ遺伝情報のせいなのか、酸素濃度が8%(われわれの住んでいる地上は21%)で暗い、つまり紫外線を浴びない生態のせいなのかは微妙なかんじがします。
ただ、酸化ストレスによって老化や発がんがおこる、ということはここでもあきらかなようです。

長寿に関しては最近やはりNatureでちょっとショックな論文がありました。ながらく長寿を保証する遺伝子としてサーチュイン(SIR)という酵素が注目されていたのですが、その遺伝子を線虫やハエに発現させても寿命は延びなかったという論文がでたのです。ただ、マウスでは沢山あるSIRの一つSIRT6を破壊すると早く老いる、というものはありました。これでしばらく論争が続きそうです。赤ワインの成分のひとつがこSIRの産生を高めるらしいと話題になったこともありました。しかしこれもまだ確定的なものではないかもしれません。

そもそも一つや二つの成分で長く生きたりするようになる、ということがファンタジーだと思います。それよりは気持ちを明るく毎日を過ごすことの方がやっぱり大事なような。

大人のキノコ狩り

2011-10-08 09:56:51 | 日記

昨日の朝は「完璧な初秋の朝」でした。暑くもなく寒くもなく、心地よい乾燥したそよ風がそよそよとキンモクセイの香りをはこんでくれるのでした。完璧な心地よさを堪能しました。年に数回あるかないかのすばらしい朝でした。空も美しいですし、ああこんなに地球は日本は美しいのだ、とおもっておりました。私は空の様子を比較的よく観察する方だとおもっているのですが、最近ますますこの地球の美しさが心に沁み入るようになりました。同時に、いかに人間が地球を痛めつけているのかを思います。

東京の上空から測定した放射線量の結果、青梅などの東京の西の方、山間部と東端部が高いことがわかったようです。とりあえず今年はキノコ狩りはやめたほうがよいと思います。それでは来年ならば大丈夫なのか?除染の方法を工夫しない限り、しかも木々など植物たちがセシウムを取り込まない前になんとかしませんと、放射性セシウムは山の中で循環し、いつまでたっても減らない可能性があります。ひまわりは結局あまり除染には役に立たないことがわかったらしいですが、キノコは実に高い値を示していますから、そういう意味ではよい掃除屋さんなのではないでしょうか?キノコを採取して、放射性廃棄物として集める、というのはキノコ狩り+除染で楽しいイベント(大人限定)かもしれません。キノコの種類などを覚えるよい演習にもなりますね。


秋の日記

2011-10-07 00:41:09 | 日記
キンモクセイの香りが空気に漂っています。昨日今日はそれまでとうって変わって暖かい日々です。(そして地震も多いですね)季節の移り変わりをじっくりと味わっています。空の色や雲も季節によって大分違います。そういう全てが素敵ですね。現実の社会ではいろいろあるのですが、マザーテレサではありませんが「全ては私と神とのあいだのことなのです」。

先日NYでのデモに関しての報道で、Wall Street で証券マンへの interview で「彼ら(デモをやっている人々)は世の中を甘く見ている」といっていたのが印象的でした。どっちが甘く見てるのよ。いつまでも良心の声に逆らって「よらば大樹の陰」をやっていると、いつかは(次の世とか)大変なことになるんです。生活に必要以上の富があって、片方には食うにも困る人々がいる。そういう体制を作り上げたあなた方は「wise」かも知れない。しかしそれはまさにあなた方の良心を(魂座を)悪魔に売り渡した結果であります。今現在は「ラッキー」かもしれませんが、それはどこかで回収される類いのラッキーなのです。早くそのことに気づけるといいですね。

秋の気配

2011-10-02 17:20:37 | 日記
東京でも今朝は肌寒く感じるくらいでした。昨日の朝、窓を開けてベランダにでましたら、空気の匂いに秋を感じました。

この、空気の匂いに季節を感じることですが、これは私は子供のときからです。しかし親や友人に言ってもあまり本気にしてもらえないので自分で密かに季節感を楽しんでいるばかりでした。説明し難いのですが、温度や湿度だけでなく、やはり「季節の匂い」があるようにおもいます。私は東京の西にも中間にも東にも住んだことがあるのですが、どこでもこの匂いは同じでした。何だろうとずっとおもっていたのですが、最近はひょっとしてその空気がやってくる場所がことなるせいかもと考えています。

日本列島に訪れる大気団は5種類ほどあるようです。夏の暑くて湿った小笠原気団。秋から冬にやってくる乾燥したシベリア気団の空気。台風が運んでくる熱帯の空気は赤道気団。春と秋のさわやか~な空気は揚子江気団。梅雨時の湿った空気はオホーツク海気団。それぞれまったく異なった場所からやってきます。それぞれに特有の自然の匂いを日本まで運んできてくれるのかもしれません。地衣類を含めた植物の香り。動物たち、水のなかの生き物がつくる匂い。火山があれば地中からガスも吹き出しているでしょう。人が住んで活動していればその匂い。そんなこんなの集合としての季節の空気の匂いになるのでしょう。

そしてもちろん、この辺りに特有の香りもそれに加わります。たとえばもうすぐ、きっとキンモクセイの香りが空気にただようことでしょう。もう本当に正確に体育の日あたりにキンモクセイは咲きます。そうですね、昨日空気に秋を感じ取って、実はキンモクセイの香りを連想していたのでした。そしてこれから、落ち葉の匂い、焚き火の匂いが加わると、秋も深まったな~とおもうのかもしれません。秋は紅葉など色も豊かでありますが、香りもいろいろありますね。楽しみたいとおもいます。