山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

年末年始におすすめの書籍のご紹介

2020-12-31 14:47:43 | おしらせ

山の天気予報会員各位

平素より、山の天気予報をご利用いただき、まことにありがとうございます。

安全登山にお役立ていただける、おすすめの書籍を2冊、ご紹介させていただきます。

 

  • 山の観天望気(山と溪谷社)

弊社代表、猪熊隆之が執筆。安全登山を考えるうえでの空の見方、雲の見方を分かりやすく解説しています。山だけでなく、平地でも空や雲を見るのが楽しくなる本です。年末年始は、都会の空気も澄んでいます。ぜひ、空を見上げて、雲の変化や空の移ろいを楽しんでください。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%82%B1%E3%82%A4%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B1%B1%E3%81%AE%E8%A6%B3%E5%A4%A9%E6%9C%9B%E6%B0%97-%E9%9B%B2%E3%81%8C%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C%E3%82%8B%E5%B1%B1%E3%81%AE%E5%A4%A9%E6%B0%97-%E7%8C%AA%E7%86%8A-%E9%9A%86%E4%B9%8B/dp/4635510727

 

  • 雪崩事故事例集(山と溪谷社)

特定非営利法人日本雪崩ネットワーク理事の出川あずささんが執筆。過去30年の日本における雪崩事故の実態と特徴を、事例別にまとめたもの。雪崩の種類、気象と積雪状況、地形の特徴、雪崩の規模、行動、捜索救助が詳細に書かれていて、出川さんのアドバイスも非常に役立ちます。積雪期の登山をされる方は必見の書です。

https://www.amazon.co.jp/%E9%9B%AA%E5%B4%A9%E4%BA%8B%E6%95%85%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E9%9B%86190-%E5%87%BA%E5%B7%9D-%E3%81%82%E3%81%9A%E3%81%95/dp/4635140296

 

年末年始の夜長を読書で過ごすのもいいものですね。

本年も大変お世話になりました。

良いお年をお迎えください。

 

株式会社ヤマテン

社員一同

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猪熊隆之の観天望気講座166

2020-12-22 14:07:30 | 観天望気

冬型の天気 ~八ヶ岳~

冬によく現れる冬型の気圧配置。モンゴルやシベリア方面に高気圧、千島列島やオホーツク海、三陸沖に低気圧という“西高北低型”の気圧配置で、天気図上では等圧線が縦縞模様になっている形です。冬型の気圧配置になると、「日本海側では雪や雨、太平洋側では晴れ」といった天気となりますが(実際にはそんなに単純ではない)、真ん中にある八ヶ岳はどのような天気になるでしょうか?多くの登山者にとって八ヶ岳の天気はイメージが掴みにくいと思います。

そのようなとき、取りあえず出発してみて八ヶ岳にかかる雲を見て判断するのもひとつの方法です。稜線で天候が荒れていても赤岳鉱泉や行者小屋、黒百合ヒュッテなど森林限界を超えなければ、風がそれほど強まらず、歩くことができます。山に入ってみて、山にかかる雲の変化から翌日の行動を決めてもいいでしょう。また、雪がシンシンと降る八ヶ岳もメルヘンチックです。

冬型の気圧配置といっても、冬型が強いとき、弱いとき、風向き、上空の寒気の強さによって、山の天候は大きく変わります。それは、八ヶ岳に限ったことではありませんが、今回は八ヶ岳について取り上げていきます。強い冬型と弱い冬型の違いは、地上天気図に書かれている等圧線が何本走っているかで見分けることができます。

●地上天気図で、冬型が強いか弱いかを見分ける方法

強い冬型・・・本州から九州、または北海道から本州にかけて等圧線が5本以上

 

並の冬型・・・本州から九州、または北海道から本州にかけて等圧線が3~4本

弱い冬型・・・本州から九州、または北海道から本州にかけて等圧線が3本または2本以下

それでは、まず並の冬型のときに現れる雲から。

写真1 並の冬型のときの雲

標準的な冬型のときには、山麓では晴れますが、山の上には雲がかかっています。雲のてっぺんは、水平になっており、この上に安定した空気の層があることを示しています。安定した層があると、雲はこれ以上、上昇できず横に広がっていくからです。この雲がかかっているとき、稜線では霧に覆われますが、降雪はあっても弱く、本降りになることは少ないです。稜線では風が強く、気温も低いので、防寒、防風対策は万全にしていく必要があります。また、上空の寒気が強まっていくと、写真2のように雲がやる気を出していき(上方に成長していき)、吹雪になります。

写真2 上空の寒気がやや強まったときの雲

写真3 冬型が強いときの雲

冬型が強くなると、山麓でも雲が多くなり、雲底(雲の底)の高度と雲頂(雲の上端)の高度の差(写真3、4の白い矢印の幅)が大きくなります。つまり、雲が厚くなるということです。そうなると、太陽の光が通らなくなり、雲の底は暗い色に変わってきます。雲が厚みを増すと山全体を覆い、雲の下に降雪が見られるようになります(緑色のカコミのもやっとした部分)。このような雲の特徴が見られるとき、山の上は吹雪となっています。見通しが悪く、低体温症のリスクもありますので、森林限界より上部の行動は控えた方が良いでしょう。

このようなとき、南アルプスでも稜線では雲に覆われることが多く、ふぶくこともあります(写真5)。北アルプスでは猛吹雪となっており、大雪になることもあります。

写真4 上層に強い寒気が入っているときの雲

上層に寒気が入ってくると、大気が不安定になり、雲がやる気を出して上の写真のように、もくもくと上方へ発達していきます。夏の入道雲と同じですね。このような雲に山が覆われているときは、雪が強まり、突風や落雷の恐れもあります。冬型が強まっているときに、このような雲が見られるときは、山の上では暴風雪の大荒れの天気になります。もっとも注意が必要な雲です。

写真5 甲斐駒、鳳凰三山付近の雲

東京方面から「特急あずさ」に乗車して茅野、松本方面に向かうと、韮崎を過ぎる頃から車窓の左手に鳳凰三山~甲斐駒の山並みが見えてきます。上の写真のように山が雲に覆われているようなときは、南アルプスの稜線でも吹雪いています。冬型のときには普通、八ヶ岳より南アルプスの方が天気は良くなりますから、このようなときは八ヶ岳では暴風雪の大荒れの天気になっていると思った方が良いです。そのため、北八ヶ岳の樹林帯のコースや、入笠山など山頂は開けていてもすぐに樹林帯に下りられるような、風の影響を受けにくいコースに変更した方が良いでしょう。

写真6 冬型が弱いときの雲

一方、冬型が弱まっていくと、標高の低い茶臼山から高見石付近から雲が取れてきて、上の写真のように、雲は天狗岳~権現岳上空に広がるのみになってきます。やがて天狗岳や権現岳も雲が取れて阿弥陀岳が見えてくると、最後まで残っていた横岳~赤岳の雲が取れるのももう一息です。冬型が弱まってくれば、天気が回復していき、稜線の風も弱まっていきます。午前中に写真6のようになれば午後は全域で好天が期待できますし、午後に写真6のようになっていれば翌朝は好天が期待できます。

このようなとき、南アルプスでは快晴です。ただし、稜線では西寄りの風が強まることがあります。また、北アルプス南部でも常念山脈や上高地など信州(長野県)側の山麓から次第に天気は回復していきます。

このように雲を見ることで、山の上の天候の荒れ具合を想定することや、冬型の強さを推測することができます。空からのサインを読み取って、安全な登山を心がけてください。

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

山の天気予報は、ヤマテンで。

天気予報の内容、ご登録はこちらから。

https://i.yamatenki.co.jp/lp/

https://i.yamatenki.co.jp/lp/movie.html(動画)

 

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年末年始期間の「週間予報」と「おすすめ山域」の発表につきまして

2020-12-22 09:59:37 | おしらせ

平素より「山の天気予報」をご利用いただき、まことにありがとうございます。
年末年始の連休を対象としました「週間予報」と「おすすめ山域」につきまして、発表日等をご案内申し上げます。

〇「年末年始の週間予報」
予報対象山域は、全国18山域+比良山系(武奈ヶ岳)となります。
発表時刻は、12月28日(月)17時頃です。
この日は通常の翌日、翌々日の予報に加えまして、12月31日(木)~1月4日(月)までの週間予報を発表いたします。
週間予報は、各山域の天気予報ページでご確認いただける他、メールでも配信いたします(要設定。比良山系は天気予報ページでの発表はなく、メール配信のみとなりますのでご注意ください)。

天気予報ページでは、28日の17時頃から翌29日16時頃までの約24時間の掲載となります。
確認方法は下記の通りです。
1:山域の選択画面(下記URL)より、週間予報を確認したい山域をクリック
PC版URL:https://i.yamatenki.co.jp/member/mt_select.cgi 
スマホ版URL:https://i.yamatenki.co.jp/smartphone/member/mt_select.cgi
2:「気象レーダー・大荒れ情報」の下にある「週間予報」の欄の「現在発表中です」をクリック

メール配信は、28日(月)夕方1回のみの配信とさせていただきます。
メールでの配信を希望される方は「各種変更・退会」ー「予報メール受信設定」から、配信を希望される山のチェックボックスをONにしてください。【28日(月)16時までに】設定をおこなっていただきますようお願い申し上げます。
上記の時刻を過ぎますと、メールが配信されない可能性がございますのでご注意ください。その場合は、大変恐れ入りますが、サイト上で予報内容をご確認いただきますよう、お願い申し上げます。
※比良山系(武奈ヶ岳)の予報メール配信を希望される場合は、「大峰・台高」の山域でメール設定をお願いいたします。
設定方法の詳細についてはご利用マニュアル https://i.yamatenki.co.jp/manual2/manual.pdf の17~19ぺージをご参照ください。

〇「年末年始のおすすめ山域」
12月29日(火)に、12月30日(水)から1月3日(日)のおすすめ山域を発表します。
対象は日本全国で、地方別におすすめ山域情報をお送りいたします。奥多摩、那須、奥日光、安達太良周辺、妙高・雨飾、白山、鈴鹿山脈など、「山頂天気予報」や「週間予報」の対象外の山岳も含めたおすすめ山域情報となります。

天気予報ページでは、29日(火)11時30分頃から翌30日(水)12時までの記載となります。
確認方法は下記の通りです。
1:山域の選択画面(下記URL)より、「おすすめ山域」を確認したい山域をクリック
PC版URL:https://i.yamatenki.co.jp/member/mt_select.cgi 
スマホ版URL:https://i.yamatenki.co.jp/smartphone/member/mt_select.cgi
2:「気象レーダー・大荒れ情報」の下にある「今週末のおすすめ山域」をクリック
※「おすすめ山域」は、18山域の各山が属する地方の情報が表示されます。例えば、飯豊・朝日連峰の場合は「東北地方」のおすすめ山域情報が、谷川や尾瀬の場合は「上信越・北関東」のおすすめ山域情報が表示されます。

メール配信につきましては、29日(火)11時頃の予定です。こちらは初期設定で受信可能となっています。メールを受信しないように設定している場合は、「各種変更・退会」画面から、「予報メール受信設定・山の選択画面」をクリックしていただき、「受信する」にチェックを入れてください(山域のチェックは特に必要ありません)。

皆様の年末年始期間の登山計画や、気象リスク軽減のお役に立てれば幸いです。
なお、新型コロナウィルスの感染拡大が続いております。移動自粛を呼びかけている自治体にお住まいの方や、来県自粛を呼びかけている地域での登山はお控えいただき、感染を広げない、感染しないための行動をお願いいたします。

山の天気予報のご登録はこちらから 

株式会社ヤマテン
山の天気予報係

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【重要】課金登録画面の障害につきまして(復旧済み)

2020-12-09 16:49:11 | おしらせ

平素より、山の天気予報をご利用いただき、誠にありがとうございます。

本日9時50分~14時34分にかけて、クレジットカード決済代行を委託している株式会社イプシロンのシステムに障害が発生し、課金登録ができない状態となっておりました。

現在は復旧し、正常にご利用いただけるようになっております。

この度は、ご不便・ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
引き続き、「山の天気予報」への変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

山の天気予報
システム担当

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