山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

山の天気を学ぶオンライン講座(第7回)のご案内

2024-10-25 21:39:24 | おしらせ

12月1日(日)開催の第7回オンライン気象講座につきまして、申込みが開始となりましたので、ご案内申し上げます。
今年最後のオンライン講座は、冬山についてです。近年はSNSでも雪山の写真が多数アップされ、興味を持つ方が増えています。今年こそは雪山にチャレンジしてみたい!雪山はまだ経験が少ないけど、もっとレベルアップしたい!改めて雪山の気象の基本を学び直したい!そんな皆様の要望にお応えする講座です。
なお、オンライン講座は、やまスクとの共催で開催いたします。

テーマ:「冬山の気象」
日程:12月1日(日) 

●初級編「雪山初心者のための冬山の天気」 10:00~11:30
参考資料:山岳気象大全(猪熊隆之著・山と渓谷社)P212~218あたりまで

●中級編「天気図で読む!冬山気象遭難を防ぐ方法」 13:00~15:00
参考資料:山岳気象大全(猪熊隆之著・山と渓谷社)P218~233

講師:渡部均
※講師は変更となる場合があります。
定員:各回とも70名
開催方法:オンラインZoomウェビナー

オンラインでの講座となりますので、全国の皆様にご参加いただくことができます。
また、通常の机上講座同様、質疑応答も可能となります(質問を文字でご入力いただき、それに講師が答える形となります)。後日、録画分の配信を3週間予定しております。

参加費につきましては、一般の方とヤマテンフリー会員の方は3,500円ですが、ヤマテンプレミアム会員の方は2,500円となります(初級編、中級編両方をお申込みの方は一般の方とヤマテンフリー会員の方は6,500円、ヤマテンプレミアム会員の方は4,500円と、別々にお申し込み頂くより500円割引になります)。なお、11月29日(金)以降、キャンセル料がかかりますのでご注意ください。

お申し込みやキャンセル料などの詳細は下記URLをご覧ください。
※定員を越えた場合、詳細ページにアクセスできなくなります。お早めにお申し込みください。
お申込時のメールアドレスにつきましては、ヤマテンにご登録いただいているメールアドレス(ログイン時のメールアドレス)をご記入ください。

初級編 
https://shop.yama-school.com/store/products/2024-12-01-winter-weather-basic

中級編 
https://shop.yama-school.com/store/products/2024-12-01-winter-weather-mid

初級編・中級編セット 
https://shop.yama-school.com/store/products/2024-12-01-winter-weather-set

講義を受ける際の操作方法につきましては、下記のやまスクのブログにて詳細な解説が記載されております。サポート体制も整えており、不明な点があっても安心です。
https://www.yama-school.com/blog/how-to-attend-zoom-webinar

この機会にぜひ受講いただき、登山をより安全に楽しむための一助としていただければ幸いです。
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

株式会社ヤマテン
気象講習係

山の天気予報は、ヤマテンで。

https://lp.yamatenki.co.jp/

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猪熊隆之の観天望気講座201回 ~予備日を使って好天を掴め!~

2024-10-11 22:13:33 | 観天望気

※今回の内容は上・中級者向けです。

毎年恒例の空見ハイキング、東北紅葉シリーズ。今年は月山の美しい紅葉を皆さんに見ていただく企画にしました。紅葉は陽射しがあるかないかでその色合いが大きく違ってきます。やはり晴れた太陽の光で輝く紅葉を見たいものです。そこで、今回は2日目と3日目の日程を入れ替えることができるような日程にしました。当初は2日目が月山の登山、3日目が羽黒山と金峯山の登山予定でしたが、2日目の月山はガス(霧)がかかると予想して、3日目に変更しました。テレビやネット上で見られる平地の天気予報では2日目が終日晴れ、3日目が晴れのちくもりといった予想でした。結果としてこの予報が外れ、私の予想したように2日目が霧、3日目は下山時まで晴れていました。このように予想した理由について、天気図から解説していきます。

 

図1 29日発表の2日目(30日9時)の地上予想図

図2 29日発表の3日目(10月1日9時)の地上予想図

まず、2日目(30日)と3日目(1日)の天気図を比べてみましょう。2日目(図1)では、高気圧が北海道の東海上にあって29日と似たように一見、東風が吹きそうな気圧配置ですが、日本海中部にも隠れた高気圧があって、日本海側では弱い西風が吹く形です。こうなると日本海側にある月山では湿った空気が少し入りやすくなります。ただし、この微妙な風向は予想が難しいので、取りあえず風向きは不明瞭と判断しても良いでしょう。

 

一方、3日目(図2)では、東北地方で等圧線が縦縞に走っていて東が気圧が高く、西が低いことから南風になります。月山では南側に飯豊・朝日連峰、さらに関東山地などが控えており、湿った空気が入りにくい風向になります。また、台風が接近しているように見えますが、この台風の大きさは小さく、等圧線が込み合っている部分では風雨が強まりますが、そこからはまだ離れているため、影響が小さいと判断します。

 また、この両日ともに平地の最高気温の予想は30℃近くまで上がることが予想されていました。このようなときは、上層に寒気が入ると、大気が不安定になり、平地では晴れていても山では上昇気流が発生して雲に覆われることが多くなります。そこで、上層の寒気を見ていきましょう。上層の寒気は高度5,700m付近の500hPa面の気温予想図を見ていきます。地上の気温が上昇し、大気が不安定になりやすい、15時の予想図で確認します。

 

図3 2日目(30日15時)の500hPa面の気温予想図

※500hPa面の気温予想図の見方は下記youtubeヤマテンチャンネルで解説しています。

https://www.youtube.com/watch?v=DXiRd7LMg2g&list=PLMEQ1UAZdr6UQfU8W-lzlWUMc1Ajszs70&index=9

図3を見ると、東北北部にマイナス9℃線がかかっています。地上が30℃近くまで上がるときは、マイナス9℃以下の寒気が入ると、大気が不安定になりますので、山で雲が発生しやすい気温です。また、図4は図3と同じ高さの高度・渦度予想図ですが、日本海に赤い円形の部分があり、等高度線が南に張りだしています(緑色のカコミ部分)。このような場所には上層の気圧の谷があり、上層で上昇気流が起こりやすくなるところです。つまり、雲がやる気を出して上方へ成長しやすくなります。

 

図4 2日目(30日9時)の500hPa面の高度・渦度予想図

※500hPa面の高度予想図の見方は下記youtubeヤマテンチャンネルで解説しています。

https://www.youtube.com/watch?v=mkCIzNOKSas&list=PLMEQ1UAZdr6UQfU8W-lzlWUMc1Ajszs70&index=10

※500hPa面の渦度予想図の見方は下記youtubeヤマテンチャンネルで解説しています。

https://www.youtube.com/watch?v=p6A0MByEGx0&list=PLMEQ1UAZdr6UQfU8W-lzlWUMc1Ajszs70&index=17

図5 3日目(1日15時)の500hPa面の気温予想図

一方、3日目(1日)の気温予想図を見ると、月山付近はマイナス6℃以上になっています。つまり、寒気が抜けて大気が安定していることが分かります。これまでのことから以下のことが分かります。

 

1.地上天気図から3日目の方が月山に湿った空気が入りにくい風向である

2.500hPa面気温予想図から3日目の方が大気が安定して、雲がやる気を出しにくい

 

以上のように、天気図を見ることで、より天気が良くなりそうな日に紅葉の美しい場所を訪れるチャンスが増えます。土日のどちらにメインとなる場所を持っていくのか迷うときなど是非、皆さんもチャレンジしてみてください。

 

文責:猪熊隆之

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猪熊隆之の観天望気講座200回 ~東風のときの蔵王連峰の天気~

2024-10-11 21:57:00 | 観天望気

今回は、2024年9月29日に蔵王連峰で見られた雲についての解説です。この日は、朝から山形盆地では良く晴れていました(写真1)。

 

写真1 29日朝の山形市内

一方、刈田岳に到着すると、一面のガス(霧)に覆われていました(写真2)。

 

写真2 霧の刈田岳

ガス(霧)にも悪いガスと良いガスがあります。悪いガスとは、オナラのことではなく(失礼!)、上を見上げたときに空が暗いとき、明るい感じがしないときのガスです。雲が高い所まで達しているので太陽の光が届かず、暗い感じになります。このようなときは、いつ雨が降りだしてもおかしくありません。一方、良いガスは写真3のように、太陽が透けてみえたり、明るい感じのするガスです。このようなときは、雲の上端は私たちのいる所のすぐ上にあり、湿った空気の入り込みが弱まると、ガスが取れることもあります。

 

写真3 良いガス

さて、蔵王といえばお釜。やっぱりエメラルドグリーンのお釜は見たいものですよね。ところが、刈田岳から熊野岳に向かって歩き出し、お釜の展望台に着くもガスガスでお釜は見えず・・・。良いガスなのでチャンスがあるかなと思い、時々お釜が見える所で待機しながら、お釜寄りの登山道を進んでいきます。すると、奇跡のように霧が晴れてお釜が現れました!

 

写真4 ガスが取れて突然現れたお釜

やはり、良いガスのときは諦めない方がいいですね。

さて、この日は宮城県側から東寄りの風が吹いており、太平洋からの風向きになっていました。そのため、太平洋からの湿った空気が蔵王連峰で上昇させられて宮城県側で雲を発生させ、その勢いが強いときには稜線を覆うという天気でした。このようなときは、宮城県側から登るとガスガスで景色が見られないので、山形県側からのアプローチがおすすめです。逆に、西風のときは山形県側で霧に覆われることが多く、宮城県側からのアプローチが良くなります。風向きは天気図から予想できるので、この日の予想天気図を見ていきましょう。

 

図1 28日に発表された29日午前9時の予想天気図(気象庁ホームページより)

天気図を見ると、北海道の西に高気圧があり、福島県沖から九州の南海上にかけて前線が延びて前線上に低気圧があります。つまり、北の方が気圧が高く、南が低い北高型と呼ばれる気圧配置です。このようなときは、北の高気圧からの北東や東風が吹くことが多くなります(風は気圧が高い方を右手に見て等圧線に平行に吹くので)。したがって、太平洋からの風向となり、風上側の宮城県側で海からの湿った空気が上昇して雲が発生するのです。

 

一方、山を越えると下降気流となり、空気が温められて雲が蒸発していくことや、蔵王連峰で太平洋からの湿った空気が食い止められるので、山形県側では空気が乾いた状態です。そのため、山形県側では中腹以下を中心に、お天気が良くなります。

 

図2 山を挟んで天気が異なる理由

写真5 宮城県側で霧、山形県側では晴れと蔵王連峰を挟んで天気が異なる様子

普通は山を越えた雲は風下側に流れ下り、徐々に蒸発していきますが(時に滝雲になります)、写真5のように雲が垂直に立っているのはなぜでしょうか。これは東風があまり強くないため、山形県側には風が吹き下ろさず、山形県側では日中の昇温による谷風で風が吹きあがってきているからです。山形県側からの谷風が宮城県側からの雲の侵入を食い止めているので、このように雲が垂直に立ったような状態になります。

 

講師の猪熊は、アルパインツアーや毎日新聞旅行で空見ハイキングツアーを企画、同行させていただいております。次回は2025年1月、2月に関東近郊と南九州で予定しています。皆様とご一緒できることを楽しみにしています。

 

文責:猪熊隆之

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猪熊隆之 気象講習会のお知らせ

2024-10-09 11:47:44 | おしらせ

平素より「山の天気予報」をご利用いただき、まことにありがとうございます。

弊社代表の猪熊が、山岳気象リスクを考える学生の会において「冬季の山岳気象について」の講習会を行ないます。
日時:2025年1月12日(日)13時~17時(12時半~受付開始)
費用:無料
対象:大学生、高校生、指導者
会場:関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス 第5別館(予定)

詳細やお申し込み方法については、関西学院大学のHPをご覧ください。
https://kgwv.jp/archives/501

ワンダーフォーゲル部や山岳部の学生はもちろん、一般の学生も参加できます。ぜひこの機会にご参加ください。

株式会社ヤマテン
気象講習係

 

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スポーツの日連休の「5日間予報」と「おすすめ山域」につきまして

2024-10-02 11:37:58 | おしらせ

平素より「山の天気予報」をご利用いただき、まことにありがとうございます。
スポーツの日連休の「5日間予報」につきまして、ご案内申し上げます。

発表日時:10月9日(水)17時半頃
予報対象期間:通常の3日先までの予報に加えて、14日(月)までの1日ごとの予報
予報対象山岳:
利尻山、大雪山、飯豊山、燧ヶ岳、谷川岳、剱岳、槍ヶ岳、赤岳、甲武信岳、丹沢山、富士山、木曽駒ヶ岳、北岳、八経ヶ岳、大山、石鎚山、久住山、宮之浦岳

連休期間予報は、スペシャル予報の詳細予報ページにて、【気象予報士のコメント】と【専門天気図】の間に表示されます。
掲載期間は、予報発表から約24時間のみとなりますので、ご注意ください。
グループ分けやご利用上の注意点につきましては、下記の記事をご参照ください。
https://help.yamatenki.co.jp/hc/ja/articles/4402158621209

なお、10月10日(木)発表の「おすすめ山域」(対象は全国の山岳)は10月14日(月)までの情報を掲載します。

皆様のスポーツの日連休の登山計画や、気象リスク軽減のお役に立てれば幸いです。

株式会社ヤマテン
山の天気予報係

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■「山の天気予報」価格改定および新機能追加のお知らせ
2024年6月25日より、ご利用料金を月額550円(税込)に改定するとともに、各種機能をバージョンアップいたしました。詳細は下記をご参照ください。
https://help.yamatenki.co.jp/hc/ja/articles/33403809439129

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ヤマレコのアプリでヤマテンの天気予報をご確認いただくことができます。山中で電波が通じない場所でも、一度ダウンロードしたページを見ることができます。併せてご利用ください。
https://www.yamareco.com/yamarecomap/

 

山の天気予報は、ヤマテンで。

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