今日は台風11号が襲来しました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
さて、台風に伴って悪天の兆しとなる「ちぎれ雲」が見られましたのでご紹介します。
ちぎれ雲とは、気象用語では断片積雲や断片層雲と呼ばれる、厚い雲の下にある断片的な雲のことです。名前の通りの形をしているのですぐに分かると思います(下の2つの写真)。雨をまもなく降らせる厚い高層雲や、雨雲や雪雲として知られる乱層雲や、発達した積雲、雷や突風、強雨をもたらす積乱雲の下にできる雲で、雨や雪の直前や直後に現れることが多い雲です。下層が非常に湿っていて、風がある程度吹いているときに見られることから、荒天をもたらす雲として知られていますので、覚えておくといいでしょう。ただ、降雨直後にも現れることがありますし、山ではこの雲が現れるときは、大抵ガスに覆われていて、この雲を見ることができないことが多いです。
降雨直前のちぎれ雲
降雨時のちぎれ雲
降雨後のちぎれ雲
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文責:猪熊隆之