今回は、12月6日(日)におこないました、「山の天気ハイキング in 石割山」のときに見られた雲です。
当日は、高気圧が中国大陸から日本付近に張り出して、弱い北西風となり、陸からの乾いた風となって午前中は良く晴れました(下図参照)。
ところが、午後は高気圧が北に偏って張り出したため、関東南部では東風、富士山周辺では局地的に南風となり、いずれも海からの湿った風となりました(下図参照)。
特に駿河湾からの湿った空気が入った愛鷹山ではすぐに低い雲がかかり始め(下の写真)
次第に富士山の静岡県側下部へと広がっていきました(下の写真)。
また、上空には富士山の風下側に吊るし雲が現れました(下の写真)。
太陽の右側にある雲で、これは山岳波による雲です。富士山を乗り越えた風が風下側にも波を打ったように伝わり、波が上昇しているところでできる雲です。今回はレンズ雲に近い形となっていますので、風がある程度強いのでしょう。
図:山岳気象大全(山と渓谷社)より
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文責:猪熊隆之