山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

雪山で学ぶ空見(そらみ)トレッキングツアーのご案内

2022-10-28 23:48:36 | おしらせ

空や雲を見ることを楽しみ、山の天気について学び、雪山歩きを体験できるツアーを実施しますので、ご案内申し上げます。

今回の舞台は、北信(長野県北部)の名峰・飯綱山と戸隠高原です。

飯綱山は、北西側に妙高・火打山などの豪雪の山があるため、雪雲はそれらの山を越えるときに弱まり、豪雪地帯ではありません。しかしながら、雪雲が適度に流れ込むため、積雪は十分にあり、パウダースノーの感触を楽しみながらラッセル歩行を学ぶことができます。また、山頂からは北アルプスや高妻山、志賀高原から上信国境の山並みを始め、眼下に善光寺平(長野盆地)の展望が広がり、冬の絶景と空見を楽しむことができます。戸隠高原では雪に埋まった鏡池をスノーシューを履いて散策したり、雪をまとって荘厳な雰囲気の杉並木を通って戸隠神社・奥社を訪れます。


●冬の戸隠で天気を学ぶ 雪の戸隠高原と飯綱山 2日間
日程:2023年1月28日(土)~29日(日)
企画・実施:株式会社アルパインツアーサービス
集合場所:JR長野駅 新幹線改札前 / 9:00
ツアーの詳細や申し込み方法は下記URLにてご確認ください。
http://www.alpine-tour.com/tourinfo/details.php?keyno=3694


過去における空見ハイキングの動画を以下に公開しております。
https://www.youtube.com/watch?v=IlC5F-us4qM&t

皆様と一緒に山を歩き、空見(そらみ)ができることを楽しみにしています。

株式会社ヤマテン
気象講習係

 

山の天気予報は、ヤマテンで。

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猪熊隆之の観天望気講座188回 天候を急変させる危険な雲 ~日本海側の山岳編~

2022-10-28 23:03:50 | 観天望気

天候を急変させる危険な雲 ~日本海側の山岳編~

気象遭難は、日本海側の山で多く発生しています。その理由のひとつは、日本海側の山では天候が非常に変わりやすく、朝のうちは晴れていても、昼頃から風雨が強まったり、吹雪になったりすることがあるからです。そのようなとき、山麓の予報では悪天が予想されていなかったり、天気の崩れが小さい予報になることがあります。また、天気の崩れが予想より早くなることもあります。そこで、空を眺めることで、悪天の兆候をいち早く捉え、早めの避難行動につなげるための方法をお伝えします。

写真1 吹雪の中は、視界が非常に悪く、道迷いや低体温症のリスクが高まる

日本海側の山で、天候が急変するのは、日本海の方角に危険な雲が現れるときです。

このうち、もっとも多いのは寒冷前線が接近するケースです。前線にはいくつか種類がありますが、落雷や強雨(雪)、降雹など激しい気象現象をもたらすのは寒冷前線です。そこで、寒冷前線が接近するときの雲を覚えましょう。主に2つのパターンがあります。

1.真っ暗な雲が接近するとき

写真2 寒冷前線が接近しているときの空

寒冷前線に伴う雲の特徴は、①真っ暗な感じの雲が帯状に連なっている(赤い破線)、②その雲の下に霞んだような、レースのようなエリアがある、③①の雲の上には、真っ白なソフトクリームのような、もくもくとした雲が見える(①の雲に隠れて見えないこともある) の3点です。

雲は厚いほど、また雲粒が密集している程、暗く見えます。雲が薄ければ、危険な雲ではありませんが、厚みがある雲は落雷や強雨をもたらす積乱雲(せきらんうん、別名雷雲)です。厚みがあるかどうかは、雲の隙間に③が見られるかどうかでチェックします。写真2のように、③が見られるときは厚みがある雲で、寒冷前線に伴う雲の可能性が高くなります。

また、②の部分は、雨が降っているエリアになり(降水雲と呼びます)、このエリアが近づいてくると、雨が降り出します。

写真3 写真2の数十分後、①と②がさらに接近したときの空

2.帯状にモクモクとした雲が連なっている

 日本海の方角に帯状のモクモクとした雲が連なっていることが良くあります(写真4の赤い破線)。この雲が左の方から右の方へと進んでいるときは問題ありませんが、奥から手前に進んでくるときは要注意です。

写真4

写真5 写真4の数十分後、雲が接近した様子

1のパターンや、2のパターンのような特徴を持った雲が日本海から接近するときは、すぐに落雷や強雨から身を守れる場所に避難することが大切です。

 

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

 

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猪熊隆之の観天望気講座187回 山を挟んで天気が異なるのはなぜ?

2022-10-28 23:01:35 | 観天望気

山を挟んで天気が異なるのはなぜ?

 

山に登っていて、山の片側は晴れているのに、反対側は雲に覆われているってことありますよね?平地では、山を挟んだ両側の天気の違いを見ることができませんが、山の上にいるときは、このような光景が見られます。それでは、どうして山を挟んで天気が異なることがあるのでしょうか?

写真1 山を挟んで天気が異なるときの様子

1.水蒸気の量が山の両側で異なるとき

水蒸気を含んだ空気が上昇して冷やされると、水蒸気が雲粒に変わっていき、雲ができます。この水蒸気が山を挟んで片側に多く、片側に少ないと、山を挟んで天気が違ってきます。特に、山が単独峰でなく、長い山脈になっていると、こうした現象が良く発生します。水蒸気は、前号  http://sora100.net/course/kantenbouki/2650 で説明しましたように、夏場においては平地や河川、湖などに多く、これらが近くにある側で雲が発生することが多くなります。一方、水蒸気が少ない春や晩秋、冬においては海から風が吹いてくる風上側で雲が発生しやすくなります。海の上は絶えず、水分が蒸発しているので水蒸気が溜まっており、海から風が吹くと、その湿った空気が山に運ばれて斜面で上昇させられ、雲ができるのです。

写真2 海側からの湿った空気が作る雲

2.風が強いとき

海からの風が強く吹くと、海から運ばれた水蒸気を含んだ空気が山の斜面を上昇し、雲を作ることは先ほど述べました。風が強いときは、山で雲ができた後、空気は山を吹き降りていきます。空気は下降していくと温められるので、雲は蒸発していき、風下側ではお天気が良くなることがあります。

図1 海側から風が強く吹くことで天気が異なる仕組み

ただし、水蒸気が多かったり、風が強すぎたりすると、山の反対側まで雲に覆われてしまいます(その場合にも平地に達する頃には雲が消えて晴れます)ので、条件が合わないと山を挟んで綺麗に天気が分かれることにはなりません。したがって、1よりも見られるチャンスは少ないです。

写真3 秋田県側と岩手県側の天気の違い(真昼山地より)

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

 

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空の百名山公式HPに 鋸山、入笠山をアップしました

2022-10-28 13:57:21 | おしらせ

山に登ることは空に近づくこと。

空の百名山の第27回と28回は、千葉県の鋸山が舞台。まるで天空の城ラピュタを彷彿とさせるような石切場がある一方で、太平洋側に開けた鋸山は、空の見張り役としてふさわしい山です。

第27回 東京湾を一望できる絶景と「ラピュタ」の世界が広がる石切場 ~鋸山(千葉県)partⅠ~

第28回 太平洋から接近する雲を観察できる 海の見張り役 ~鋸山(千葉県)partⅡ~

 

さらに、第29回は春夏秋冬を問わず賑わいを見せる、南アルプス北端の入笠山です。

第29回 雲海広がる絶景テラスと高山植物咲く山上の湿原 ~入笠山(長野県)~

どうぞご覧ください!

 

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11月開催の講演・講習会のご案内

2022-10-23 11:24:30 | おしらせ

11月に弊社代表の猪熊が登壇する講演・講習会をご案内します。
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

①11月17日(木) SMSCA登山学校・山の天気オンライン講演会
主催:埼玉県山岳・スポーツクライミング協会
タイトル:冬山天候判断の基礎
時間:19時~21時
方法:オンライン(zoom)
参加費:無料
参加申し込み、講演会の詳細は以下のURLをご覧ください。
https://www.smsca.or.jp/3489/

②11月19日(土)~20日(日) 日本山岳会120周年記念事業「山の天気ライブ授業」
主催:日本山岳会埼玉支部
19日は山の天気を学ぶ机上講座(13時30分~16時)、20日は奥武蔵で観天望気講座(10時~)をおこないます。
19日の机上講座は、日本山岳会会員以外でもご参加いただけます。参加申し込み、講習会の詳細は以下のURLをご覧ください。
https://shibu.jac1.or.jp/saitama/saitama_shibu-info/2022092319381.html

③11月23日(水・祝) 国立登山研修所友の会研究会
主催:国立登山研修所 友の会
タイトル:アラスカとヨーロッパ・アルプスの登山報告と今夏の気象状況について(西田氏、猪熊)
YAMAPの小野寺洋氏による「登山におけるITとビッグデータ活用」及び、国立登山研修所友の会役員とのパネルディスカッション
時間:13時開演、講演は13時15分~16時40分
方法:現地(東京都武蔵野市、成蹊大学)とオンラインのハイブリット
参加費:無料
参加申し込み、講演会の詳細は以下のURLをご覧ください。
https://www.tozankentomonokai.com/blank-2

④11月24日(木) 冬山の気象講習会(オンライン講座)
主催:東京都山岳連盟
タイトル:冬山の気象リスクを回避する方法
時間:19時~21時
方法:オンライン(zoom)
参加費:2,400円(一般)
参加申し込み、講習会の詳細は以下のURLをご覧ください。
https://www.togakuren.com/youkou/2022huyuyama/

皆様の安全登山の一助となれば幸いです。

株式会社ヤマテン
気象講習係

 

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