「座れないから怖くて乗れません!」タダになって乗る人がいっぱいになったコミュニティバスについて、こんな声が上がっています。
市内を走るコミュニティバスは北・中・南の3ルート。運賃は当初の100円から150円に値上がりしていましたが、今年10月から無料になりました。今月からこれに日・祝だけ運行する観光ルートが加わり、これも無料です。
南海バスの複数の路線が廃止されたり、市民病院がりんくうタウンに移転してしまったりで、車を運転されない高齢者を中心に、コミュニティバスは市民の大切な足となっています。一方向の循環なので「行きはいいけど、帰りは遠回りですごく時間がかかる。」とか、「うちのあたりはバス停がなくて利用できない。」などという声はお聞きしていました。これまで、反対まわりを含むルートの拡充やバス停の増設、運賃の値下げなどを要望してきましたが、市長に「いたしません。」と冷たくあしらわれ叶いませんでした。
ところが市長選を契機に飛び出してきたのが「運賃を無料に」ということです。
そしてタダで乗れるようになったコミュニティバスは・・・、乗車する人がいっきに増えて座席が足りず、立って乗らなくてはならない状況に。今まで利用していた高齢者が、「立っていて転んでけがをされた」とか、「行き先が同じで空いている南海の路線バスに替えた」とか聞きました。
無料化は決して悪いことではなく、むしろ市民にとって喜ばしいことであるはずなのに、そのためにこんなことが起こっているのです。「タダにしてくれなくてもいいから、必要な人が安心して乗れるようにしてほしい。」このようなご意見を複数の方から伺いました。同感です。
利用者が増えたのは「無料化の効果」ですが、その陰で負担を強いられる弱者の存在。これを予測するのは難しかったかもしれませんが、何らかの対策が必要です。