yasuの「今日もブログー」

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京都雑感

2005-06-12 | 
会議は、奇しくも97年に温暖化防止に関する京都議定書がサインされたそのホールで行われた。同時通訳の設備も完備した大変立派なホールで、座席に座っていると、なんだか国際会議に出席しているような気分になる。 内燃機関の将来、電気自動車、ITSといった将来の自動車に関するパネリストのプレゼンテーションがあり、アメリカのdepartment of energy、 EU議会の代表、日本は、経済産業省、環境省、国土交通省の役人も形ばかりのスピーチを行ったが、話される英語の発音も多彩で、結構おもしろかった。 VWは最新のDE車を展示し、本社のエンジニアがDEとガソリンエンジン技術の融合化の上に、GTLやBTLといったクリーン燃料が登場するというシナリオを披露した。 京都議定書から脱退したアメリカは、無公害の石炭発電や新世代の原発を継続しつつ、水素エネルギーへの転換にも膨大な技術支援をしており、エネルギー消費の削減よりも確保を重視しており、欧州や日本との対比を見せた。 エネルギーの争奪に関しては、ものすごく貪欲で戦略的なアメリカに対し、日本の役所の考え方は対処療法的で、グランドデザインが感じられない。 要するにスケールが小さいと感じるのである。

二日目の試乗ラリーイベントでは、比叡山を越え、琵琶湖大橋を渡って彦根城の袂で昼食を摂り、愛知万博がゴールとなった。 10台以上参加した燃料電池車も無事山を越え信頼性を見せたし、ハイブリッド、ディーゼル、バッテリーEV、天然ガス車を含む50数台が午後4時には万博会場に着いた。

万博会場は、就学旅行の中学生で賑わっていた。 1970年の大阪万博の時のような興奮はこの子達にあるのだろうか、と訝りながら、パビリオンを眺め会場を散策する程度の訪問であったが、ディズニーランドやバーチャルリアリティーのTVゲームに慣れっこになった今の人間には、この程度のexhibits はそれほどの驚きはないのではなかろうか。  

「燃料電池が世界を変える」という4年ほど前に出た本を丁度読んでいたが、将来のエネルギーは、「風力や太陽などの自然エネルギー発電」、「高効率の小型コージェネレーション」、そして「燃料電池」の普及にとどめをさす、という著者の論旨は説得力あった。 原発はもはやエネルギー効率も30%台と悪く、最新のガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコージェネの効率が60%に達していることから考えると、これ以上の建設は不要と感じる(ドイツでは完全廃止を数年前に決めている。) もちろん燃料電池は、renewable, recyclable,なシステムで効率も40%近くにあるし、将来を担っていくこは間違いない。 クルマの動力をどこに求めるか、という点についても、今後しばらくは、内燃機関とFCやハイブリッドを含む電気自動車が切磋琢磨しながら共存する混沌とした状況にあると思える。

水素エネルギーへの転換には、まだ30年以上かかるだろうが、生きているうちに、それが見れるかも知れないという期待感はある。 色々と考えさせられるイベントであった。

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