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北アルプス、鹿島槍登山。剱の雄姿に魅了される。

2021-08-10 | 山歩き

8月5~6日に、扇沢から種池小屋、爺が岳、冷池(ひやしいけ)小屋経由で鹿島槍に登った。当初は、室堂から五色が原山荘、薬師岳、雲ノ平と4泊くらいの長旅を計画していたが、天気が崩れるという予報があり、このルートに変更した。4日の夕方、B氏宅をQ5 TDIで出発。午後8時半には大町温泉郷のアルペンルートホテルに投宿。

翌朝は3時半には出発し、扇沢の登山道入り口駐車場の最後の一台のスペースに停めて、4:10に登山開始。新調したヘッドランプは軽量で明るい。登山道はよく整備されており、鹿島槍へ日帰り往復と思われるトレランのカップルにも出会う。こちらは、今回テント泊ということで背中の荷物がずっしり重い。しかし6時過ぎには種池山荘に到着。ほとんど休まずに爺が岳に向かう。尾根道では剱・立山が目近で素晴らしい景観。コースタイム以下で7時半ごろには爺が岳西峯山頂に達する。ここからも360度の展望が楽しめ、薬師や槍穂もくっきり見える。300名山ではもったいないような景観である。

 

8時には出発。爺が岳の残り二つの峯は巻いてやり過ごし、2400mくらいまで降下して9時半には冷池山荘に到着。B氏は先に着いていて、さらに10分くらい登ったところにあるテント場を予約して設営に上がる。水場がそばにないので、小屋まで水を買いに行くのがちょっと不便な場所であった(ちなみに、いろはす2ℓが400円で500mlは300円ってなんで?) 設営を終え、10:40に鹿島槍に向け出発。この頃には日差しも強烈に照り付けて首の後ろや半ズボンから出た膝やふくらはぎに容赦なく射す。首後ろは買ったばかりのNorthfaceの帽子の縁でカバーされているかと思っていたが、これが大きな間違いで、真っ赤(黒)に日焼けしたことに後で気付く。山頂への道のりは短くはなく、暑さもあって450mの標高差を一歩一歩こなすのにかなり消耗したが、12:10に登頂。真干になっても雲は殆ど湧かず360度の視界がずっと堪能できた。量感あふれる五竜岳の向こうで唯一ガスがかかっていた白馬岳の雲もやがて晴れて、その白い山肌と三角の見事な頭頂部を見せた。

 

あまり早くテント場に戻ってもすることがないので1:20まで山頂にいたが、やがて下山を開始。3時にはテントに帰着。しかし、陽射しにさらされたテント場は焦熱の床のようであり、冷池小屋に涼を求めて1時間あまり避難。体も拭いてシャツは着替えて少しすっきりした。17時過ぎ、まだ陽はかなり高いが、バーナーで湯を沸かし、アルファ米とカレーの夕食を摂る。B氏はドライカレー+カレールウに加え、もう一袋アルファ米にイワシ缶をかけて食す。私の二倍の腹である。

 

日没前にはガスが出て、あいにく夕暮れの景色は拝めず。7時過ぎには20近いテントはジパーを締めて就寝の準備に入る。B氏と私のテントも8時には完全消灯した。

 

翌朝は2時半ごろに一度目が覚めたが、モンベルで求めた赤いクッションはなるほど寝心地が良く、何度が寝返りはするもかなりよく眠れた。3時半には起きだして、相変わらずガスに閉ざされているが山が見える地点まで行こうと、闇の中を歩き出す。途中、2683mの布引山- 失礼!昨日はそれが「山」とは認識していなかった、でご来光を待つ。ガスはしかし完全には晴れず、地平線から登る太陽は拝めなかった。それでも、東の雲間に射した朱色の燐光が、剱岳後方の空をうっすらと青みがかった色に変え、剱の険しい黒い岩稜を際立たせた。遠く南の雲海からは、槍と穂高の先が突き出している。後ろ立山の盟主である鹿島槍は、容易に陽が当たらずモルゲンロートは見られなかった。この山の東面は、かなり南を向いているため東北東からのご来光は当たらぬようだ。

 

6時過ぎにテント場に戻り、カップヌードルとパンの朝食をとる。すでに撤収に入っているパーティもあるが、相変わらずガスに閉ざされ、我々は7時過ぎから撤収開始、8時に完了し帰途に付いた。右ひざの内側の腱が少し痛むので、爺が岳への登り返しでペースが上がらず。10時前に爺が岳を通過、種池山荘へは石だらけの道をひたすら下り。時折陽が射すが、時々谷からの冷たい風が上がってくるので救われる。 種池山荘からは、風のない樹林帯の下り。大きめの石を敷き詰めた道は整備されているが、右ひざが少々痛むのと、高度低下による気温の上昇、無風のために汗は出て体力は結構消耗する。荷は少し軽くなったとはいえ、ザックは重く肩に食い込む。

 

12時前、扇沢登山口に到着。汗だくなので、大町温泉の薬師の湯で汗を流し、昼食を摂る。下界は晴れていて陽射しは強いが、昼食休憩用の畳間にはエアコンがなく、緑の田んぼから風が吹き抜ける。これで十分気持ちは良いのだが。途中、安曇野の道の駅で桃やトウモロコシ、枝豆などを求め高速に乗る。途中、八王子手前で事故とオリンピックの交通規制で渋滞があったが、18時には帰宅した。

 

今回、高山で初めてテント泊を経験した。かつてボーイスカウトで中学生頃までは割と野営の経験があったが、食料や寝具、調理器具などを担いでの登山はやはり体力的にはきつい。しかし、食事や出発の時間を自由にできることや、外気に触れながら横になる解放感はやはり特別なもの。今後、もっとトライしてみたいと思わせるものがあった。

 

 

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