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父の著書「ヘミングウェイの女性たち」が国書刊行会50周年記念冊子に紹介されたわけ

2022-11-20 | 読書(芸術、文学、歴史)
先週、父の七回忌の法要のために山口の実家に帰省したら、国書刊行会から郵便が届いていると母が言う。なんだろうと見てみたら、同社の創立50周年を記念した小冊子が同封されていた。地方の大学で英語を教えていた父が、唯一の書籍「ヘミングウェイの女性たち 作品と伝記の間」を国書刊行会から出すという話を少し不思議な面持ちで聞いた記憶がある。 . . . 本文を読む
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「俺に似た人」   平川克美 著

2013-06-30 | 読書(芸術、文学、歴史)
父親の介護から、その最後を看取った息子の話である。 今の時代、どこにでもありそうな話であり、あえてノンフィクションや小説にするほどの珍しさがないと思われる分、逆に介護とはいかなるものか、親を看取るとはどういう経験なのかを教えてくれた。 . . . 本文を読む
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雪の休日

2013-01-14 | 読書(芸術、文学、歴史)
昨日の快晴はどこへ行ったのか、今日は昼前から本格的な雪となった。べちゃべちゃのボタン雪だから積もるまいと思っていたが、その後気温も下がった のか、午後3時には7~8センチの雪が道路や家の屋根を覆った。 二軒どなりのポルシェ乗りのご夫婦が、共有の敷地の雪かきを始めたので、河童と長靴を履 いて加わった。「明日の朝は間違いなく凍結するし、スタッドレスなしのクルマは動けないだろうが、これで少しは歩きやすいだろう」などと話しながら、いっ とき作業した。 . . . 本文を読む
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「小説 琉球処分」

2010-11-21 | 読書(芸術、文学、歴史)
今年6月、沖縄普天間基地移転問題で、辺野古以外の代替案を結局提示できないことが引き金となって鳩山内閣が倒れ、その後の民主党代表戦を小沢と戦って総理になった管直人がこの「小説琉球処分」を読んでいると、その頃ある週刊誌にあった。 明治維新を経て後の数年間に、版籍奉還、廃藩置県、廃刀令、四民平等と徳川260年の社会制度は根底から覆され、新しい近代社会に日本は大転換を遂げていった。そうした時代の激動はしかし、本土から1000キロ以上離れた西南海の島で、何世紀も王をいただいて独自の制度を維持していた琉球にはどこか遠くの出来事であった。 . . . 本文を読む
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江藤淳 「南州残影」 

2010-04-04 | 読書(芸術、文学、歴史)
江藤淳が亡くなってから、既に10年余りがたつ。 1999年7月、前年11月に最愛の伴侶である慶子夫人を亡くし、「妻と私」という佳品を残した後の自死は、もちろん少なからぬ驚きをもって迎えられた。 とはいえ、批評家や知識人が社会の中心にいて世論を牽引する時代は既に過去のものであり、その死は比較的早く忘却されていった印象がある。 間もなく扉を開いた21世紀は、インターネットによる情報通信革命が世界のフラット化を促進し、 9・11テロがアフガン、イラク両戦争を引き起こし、EUの統合とBRICsの台頭が世界の多極化を現出し、めまぐるしい変化の渦中に人々を否応なく巻き込んだ。  . . . 本文を読む
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鳥羽伏見の戦い ‐ 野口武彦 (中公新書)

2010-03-14 | 読書(芸術、文学、歴史)
歴史は決して直線的に展開するわけではない。後世から見れば必然だったように見えても、個々の現場で、何か1つが異なっていれば、別の方向に転がっていったかもしれない。 歴史に“もし”はないというが、それを想像することが歴史書を読むことの楽しみだろう。鳥羽伏見の戦いで、たかが4000人程度の薩長軍に対し、軍勢では数倍だった幕府軍がなぜ簡単に敗れたのか、その謎に迫りたいと思いこの本を手にした。 . . . 本文を読む
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「生命=動的平衡」。 福岡伸一の本。

2009-10-04 | 読書(芸術、文学、歴史)
分子生物学者の福岡伸一氏のベストセラー「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書)は、2007年の新書大賞やサントリー学芸賞を受賞し、ロングセラーだから読んだ方も多いかもしれない。エッセイ風の雰囲気のある文体で、自分のアメリカの大学でのポスドク研究員体験を交えながら、ウイルスの発見や二重螺旋DNA解明の舞台裏など、生物学にそんなに馴染みのないものにもおもしろく教えてくれる。 本論は、「生命=動的平衡」という話で、これはとても示唆に富んでいる。 . . . 本文を読む
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水村美苗 「日本語が亡びるとき-英語の世紀の中で」

2009-02-18 | 読書(芸術、文学、歴史)
読書好きで、言葉に少しでも関心を持つ人間にとって、この本のタイトルが興味をそそらないはずはない。とりわけ、最近日本語で書かれた小説に興味が持てない、どれを読んでよいのか分からない、と不満に思っている向きにとってはそのはずだ。 水村美苗の名前は知っていた。日本の近代小説の一つの到達点ともいうべき漱石の未完の小説「明暗」の続編を書く、という大それたことをする女性の(当時は)若手作家となれば尚のことである。  . . . 本文を読む
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「悪霊」 再読

2009-02-08 | 読書(芸術、文学、歴史)
昨年、「カラマーゾフの兄弟」の新訳がベストセラーになっていると聞いて、意外な感じがしていた。若い人が読んでいるらしいのだが、30万部突破、と派手な帯のついた「蟹工船」などと並べて書店に平置きしてあるのを見ると、この亀山郁夫なる人の新訳(光文社古典文庫)を手に取ってみても、改めて読む気はおこらずにいた。 カラマーゾフは、数年前に再読したことでもあるし。 . . . 本文を読む
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中国人作家の芥川賞受賞作を読む

2008-08-13 | 読書(芸術、文学、歴史)
今年のお盆休みは、実家にも帰らず自宅で過ごしている。会社の事務所は、模様替えの工事のためクローズ。世の中もこの一週間は、活動を緩め、真夏の太陽の下、つかの間の休息をとる。久しぶりに文芸春秋を買ってきて、暇つぶしに前から読み、ひっくり返しては後ろから読んだりしているが、ちょうど同年代の中国人女性が書いた小説が、芥川賞に選ばれている。 . . . 本文を読む
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ダライ・ラマ自伝 (文春文庫)

2008-05-24 | 読書(芸術、文学、歴史)
ミャンマーのサイクロン、四川省の大地震と大変な災害に胸の塞がれるようなこの頃である。特に、四川省の地震は、阪神大震災や中越地震など、常にこの災害の脅威にさらされている日本人にとって、痛切なものがある。地震の規模が大きかったとはいえ、あれほど広範囲にわたって建物が倒壊し、多くの人が生き埋めになる大惨事になったのは、やはり耐震構造などほとんど考慮されていない設計や、粗悪なコンクリート、いい加減な施工のせいであろう。被災地を訪問する共産党幹部が被害者を慰問し鼓舞する映像は、ぎこちなく、演じられたようで、共産党支配の中国に、言論の自由や人権の思想が欠落していることを露呈した。 . . . 本文を読む
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阿久悠の小説 「ラチ゛オ」

2007-12-02 | 読書(芸術、文学、歴史)
先に書いた「瀬戸内少年野球団」の原作は阿久悠である。 惜しくも今年8月に亡くなったが、言うまでもなく作詞家として第一人者で、彼の作詞した歌謡曲は5000曲を超え、レコードも通算4000万枚以上売れており、2位の松本たかしを大きく引き離しているそうだ。 70年代に10代を過ごした者にとっては、ピンクレディー、岩崎ひろみ、沢田研二といった当時流行った歌手の曲でその名前はお馴染みだし、「舟唄」とか「津軽 . . . 本文を読む
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吉本隆明と内田樹の対談 (中央公論 9月号)

2007-09-09 | 読書(芸術、文学、歴史)
先週の台風で大雨が降り、一挙に秋らしくなるかと思ったが、今週末は残暑が厳しかった。 世の中の動きも相変わらず忙しい。 内閣は改造されたが、またもや農水大臣が一週間で辞任し、トラ退治の姫の不倫の話やら、改造内閣の目玉といえる厚労相舛添要一の離婚暦や隠し子の話やらが噴出し、メディアや週刊誌を賑わしている。 APEC会議でブッシュ大統領にアフガン沖での海自の給油活動を続けるよう釘をさされた安倍総理は、対 . . . 本文を読む
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佐藤優著 「日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く」 

2007-08-15 | 読書(芸術、文学、歴史)
今日は62回目の終戦記念日。 昨晩はNHK特集で、東京裁判でA級戦犯全員無罪の判決文を書いたインドのパール判事の話をやっていた。 よく言われる「平和に対する罪」および「人道に対する罪」というのは当時の国際法の概念になく、極東裁判所を開廷するにあたり新たに設定した基準で過去を裁くことを根本的に間違いとするのがパール判事の立場だ。 パール判事は、当初から自分の見解を11人の全判事に回付した。 これに対 . . . 本文を読む
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トーマス・マン 魔の山

2007-05-26 | 読書(芸術、文学、歴史)
この高名な小説をこの年になって初めて読んだばかりか、誤解していた。 「死霊」の埴谷雄高は、「世界で二番目にいい小説」といったそうだが、それは誇張ではないことがわかった . . . 本文を読む
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