去年、劇場へ観に出かけた 『シチズンフォー スノーデンの暴露』(ローラ・ポイトラス監督、2014年) が、レンタル店にあったので借りてきた。
イラク戦争やグアンタナモ収容所についてのドキュメンタリー映画で高い評価を得るとともに、当局からの監視や妨害を受けてきた映画監督ローラ・ポイトラス。
彼女は、2013年初め、“シチズンフォー”と名乗る人物から暗号化されたメールを受け取るようになる。
それは、NSA(国家安全保障局)が、米国民の膨大な通信データを秘密裏に収集している、という衝撃的な告発だった。
2013年6月3日、ローラは“シチズンフォー”の求めに応じて、旧知のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドとともに香港へ向かった。
ホテルで2人を待っていたのは、29歳の元CIA職員エドワード・スノーデン。
彼の話の一部始終をローラのカメラが記録する中、驚くべき真実が次々と暴露されてゆく。
NSAや他国の機関が、どのような仕組みでテロや犯罪への関与と無関係に、
あらゆる国民の電話、メールからインタネーットの検索ワードまで、すべての通信記録を収集・分析しているのか。
政府の監視活動にIT企業がいかに協力し、情報を提供しているのか。
驚いたことに、スノーデンは自ら内部告発者として名乗り出ることを望んでいた。
なぜ彼は、自分や恋人の身に重大な危険が及ぶことが予測されたにもかからず、この告発に至ったのか・・・。
当局の追跡がスノーデンに迫る中、6月5日、グレンは彼が契約していた英国紙ガーディアンに最初の記事を掲載する。
そのスクープはたちまち大反響を巻き起こした。
さらに6月10日、スノーデン自身が告発者であることを名乗り出る。
この前代未聞の暴露事件は、全世界にどのような影響をもたらしたのか・・・。
(すべてMovie Walkerより)
アメリカ政府の諜報活動は、9.11以後、テロリストの監視強化という名のもとに、国家機密として全国民をターゲットにしていく。
それだけでなく、世界の重要機関、友好国の要人さえも目標とした。
犯罪に関わりがなくても恣意的に、または意図的に、誰彼の行動を監視できるという完全なるプライバシー侵害。
その行き着くところは、アメリカの政治・経済等の世界制覇としての野心である。
この暴露があって、フランス、ドイツ政府等は抗議を行ったのに、この国の首脳は“これはアメリカの問題だ”としてダンマリを決めこんだ。
オバマ大統領(当時)が非民主的な監視システムを拡大させたのに、これが、何の危機感もない日本政府の態度であった。
このドキュメンタリー映画は、スノーデンの告発そのものを写し撮っているため、
観る者は時代の立会い人の位置に立たされ、それがフィクション映画にない迫力を伴う。
ただ、やはり『暴露 スノーデンが私に託したファイル』(グレン・グリーンウォルド著・田口俊樹ほか訳、新潮社・2014年)を読んでから観れば、
より詳しい背景、状況がわかって、もっと理解し易いだろうと思った。
イラク戦争やグアンタナモ収容所についてのドキュメンタリー映画で高い評価を得るとともに、当局からの監視や妨害を受けてきた映画監督ローラ・ポイトラス。
彼女は、2013年初め、“シチズンフォー”と名乗る人物から暗号化されたメールを受け取るようになる。
それは、NSA(国家安全保障局)が、米国民の膨大な通信データを秘密裏に収集している、という衝撃的な告発だった。
2013年6月3日、ローラは“シチズンフォー”の求めに応じて、旧知のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドとともに香港へ向かった。
ホテルで2人を待っていたのは、29歳の元CIA職員エドワード・スノーデン。
彼の話の一部始終をローラのカメラが記録する中、驚くべき真実が次々と暴露されてゆく。
NSAや他国の機関が、どのような仕組みでテロや犯罪への関与と無関係に、
あらゆる国民の電話、メールからインタネーットの検索ワードまで、すべての通信記録を収集・分析しているのか。
政府の監視活動にIT企業がいかに協力し、情報を提供しているのか。
驚いたことに、スノーデンは自ら内部告発者として名乗り出ることを望んでいた。
なぜ彼は、自分や恋人の身に重大な危険が及ぶことが予測されたにもかからず、この告発に至ったのか・・・。
当局の追跡がスノーデンに迫る中、6月5日、グレンは彼が契約していた英国紙ガーディアンに最初の記事を掲載する。
そのスクープはたちまち大反響を巻き起こした。
さらに6月10日、スノーデン自身が告発者であることを名乗り出る。
この前代未聞の暴露事件は、全世界にどのような影響をもたらしたのか・・・。
(すべてMovie Walkerより)
アメリカ政府の諜報活動は、9.11以後、テロリストの監視強化という名のもとに、国家機密として全国民をターゲットにしていく。
それだけでなく、世界の重要機関、友好国の要人さえも目標とした。
犯罪に関わりがなくても恣意的に、または意図的に、誰彼の行動を監視できるという完全なるプライバシー侵害。
その行き着くところは、アメリカの政治・経済等の世界制覇としての野心である。
この暴露があって、フランス、ドイツ政府等は抗議を行ったのに、この国の首脳は“これはアメリカの問題だ”としてダンマリを決めこんだ。
オバマ大統領(当時)が非民主的な監視システムを拡大させたのに、これが、何の危機感もない日本政府の態度であった。
このドキュメンタリー映画は、スノーデンの告発そのものを写し撮っているため、
観る者は時代の立会い人の位置に立たされ、それがフィクション映画にない迫力を伴う。
ただ、やはり『暴露 スノーデンが私に託したファイル』(グレン・グリーンウォルド著・田口俊樹ほか訳、新潮社・2014年)を読んでから観れば、
より詳しい背景、状況がわかって、もっと理解し易いだろうと思った。