ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『若葉のころ』を観て

2017年02月15日 | 2010年代映画(外国)
『若葉のころ』(ジョウ・グータイ監督、2015年)をレンタルで借りた。

台北に住む17歳の女子高生バイは、離婚した母と祖母の3人暮らし。
チアリーダー部に所属し、高校生活を満喫していたが、最近、親友ウエンと男友達イエとの三角関係に心を痛めていた。
そんなある日、母のワンが交通事故で意識不明の重体となってしまう・・・
(公式サイトより一部抜粋)

2013年、17歳のバイの学園生活でのイエとの関係。
そして、1982年、17歳だった母ワンの学園生活でのリンとの関係。
それぞれのラブストーリー。

バイのイエに対する気持ちと、親友ウエンのイエを思う気持ち。
異性に対する憧れと、心のニュアンスのやりとり。
そのデリケートさと、そこからくる動揺。
そしてそれは、30年前の母ワンにも当てはまる。

娘のバイと、母親ワンが17歳当時の配役は、ルゥルゥ・チェンが二役を務めている。
遠い日の母の青春に思いを馳せるバイは、母に代わって、リンに“会いたい”とメールを送る。
娘と母の物語が混沌とし、その後で、これが一体化してくる。その融合が素晴らしい。

最初は、人間関係がどうなっているかチョッピリ戸惑ってしまったり、バイの母親やおばあさんがチョット若過ぎるなとシビアに観ていたけど、
話が進むにつれて、そんな微々たることは問題外。
“ルゥルゥ・チェン”を見ていると、それがバイであっても、ワンであっても、これが青春なんだなと、50年前の自分をダブらせてしまって心が痛くなる。

そして、『若葉のころ』(ビージーズ)のメロディとともにその歌詞が、この作品の低音主題となって印象を倍加し、忘れられない映画にする。
 
 僕が子供の頃 クリスマスツリーは高かった
 僕たちが大きくなって ツリーは小さくなった
 五月の始め
 あの時のすべてを思い出す

(you tubeより)
FIRST OF MAY (Lyrics) - THE BEE GEES
コメント
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