『女優と詩人』(成瀬巳喜男監督、1935年)を観た。
東京の郊外。
詩人・月風(げっぷう)は童謡を書いているが売れず、女優である妻・千絵子の収入で暮らしている。
隣りには、保険会社員の夫と妻・お浜が住んでいる。
お浜は噂好きで、今日も月風の所にやって来て、「向かいに若い男女が越して来たので、挨拶の“引っ越し蕎麦“が来るだろう」と期待したりする。
近所のたばこ屋の二階には、これまた売れない作家の能勢(のせ)が住んでいて、月風と仲がいい。
千絵子の帰りが遅いある晩、お浜が来て、「夫が、一人で飲むのはつまらないから呼んで来てほしがっている」と月風に言う。
お浜の家で二人が飲んでいると、お浜が夫に「近所に越してきた若い夫婦の所へ今から保険を勧誘していらっしゃい」と言う。
夫は億劫がり、それでも渋々出掛けて行ったところ、意外にも契約があっさりと取れる。
気をよくした夫は、お浜にビールをどんどん持ってこさせる。
いつも妻に頭が上がらない月風は、酔って帰って来て、千絵子の写真に向かって悪態をついたりしていると、そこへ丁度彼女が帰ってくる。
千絵子は、嫌なものを見るようにして別室へ寝に行くのだった・・・
月風と千絵子。
隣りのお浜と亭主。
それに能勢。
この5人による、コミカルでユーモラスな家庭喜劇。
特に、
翌日、お浜が千絵子の芝居の初日キップほしさに、丼に入れたダイコンをお裾分けに来て、丼を返すのはいつでもいいと月風に言ったのに、
キップがないとわかると、丼を今すぐ返してちょうだい、と言う場面の面白さ。
そして、
芝居の初日が迫っているのにセリフをちっとも覚えられない千絵子が、月風相手に稽古をやり出す。
居候を絡めての夫婦ゲンカの場面。
そこへ能勢が訪ねて来て、その様子にビックリ。
理由がわかった能勢は、二階に居候させてほしいと月風に頼み、許可を得たので荷物を取りに行く。
その話を聞いた千絵子は怒り、大喧嘩。
荷物を取ってきた能勢は、それが先程の芝居の続き場面と思い、何事かと来たお浜と一緒に面白がって見物。
芝居と現実が同じ筋書きでの大ゲンカ。
それが可笑しくてしょうがない。
その後で、追い打ちをかけるように、
若い夫婦が心中事件を起こし、生命保険に入れたばっかしに損してしまうとお浜は夫と喧嘩する。
そこがまたまた可笑しい。
いずれにしてもラストは、すべてメデタシ、メデタシで微笑ましい。
東京の郊外。
詩人・月風(げっぷう)は童謡を書いているが売れず、女優である妻・千絵子の収入で暮らしている。
隣りには、保険会社員の夫と妻・お浜が住んでいる。
お浜は噂好きで、今日も月風の所にやって来て、「向かいに若い男女が越して来たので、挨拶の“引っ越し蕎麦“が来るだろう」と期待したりする。
近所のたばこ屋の二階には、これまた売れない作家の能勢(のせ)が住んでいて、月風と仲がいい。
千絵子の帰りが遅いある晩、お浜が来て、「夫が、一人で飲むのはつまらないから呼んで来てほしがっている」と月風に言う。
お浜の家で二人が飲んでいると、お浜が夫に「近所に越してきた若い夫婦の所へ今から保険を勧誘していらっしゃい」と言う。
夫は億劫がり、それでも渋々出掛けて行ったところ、意外にも契約があっさりと取れる。
気をよくした夫は、お浜にビールをどんどん持ってこさせる。
いつも妻に頭が上がらない月風は、酔って帰って来て、千絵子の写真に向かって悪態をついたりしていると、そこへ丁度彼女が帰ってくる。
千絵子は、嫌なものを見るようにして別室へ寝に行くのだった・・・
月風と千絵子。
隣りのお浜と亭主。
それに能勢。
この5人による、コミカルでユーモラスな家庭喜劇。
特に、
翌日、お浜が千絵子の芝居の初日キップほしさに、丼に入れたダイコンをお裾分けに来て、丼を返すのはいつでもいいと月風に言ったのに、
キップがないとわかると、丼を今すぐ返してちょうだい、と言う場面の面白さ。
そして、
芝居の初日が迫っているのにセリフをちっとも覚えられない千絵子が、月風相手に稽古をやり出す。
居候を絡めての夫婦ゲンカの場面。
そこへ能勢が訪ねて来て、その様子にビックリ。
理由がわかった能勢は、二階に居候させてほしいと月風に頼み、許可を得たので荷物を取りに行く。
その話を聞いた千絵子は怒り、大喧嘩。
荷物を取ってきた能勢は、それが先程の芝居の続き場面と思い、何事かと来たお浜と一緒に面白がって見物。
芝居と現実が同じ筋書きでの大ゲンカ。
それが可笑しくてしょうがない。
その後で、追い打ちをかけるように、
若い夫婦が心中事件を起こし、生命保険に入れたばっかしに損してしまうとお浜は夫と喧嘩する。
そこがまたまた可笑しい。
いずれにしてもラストは、すべてメデタシ、メデタシで微笑ましい。