『人間の時間』(キム・ギドク監督、2018年)を観てきた。
7日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が7都府県に発令され、
名古屋飛ばしということで愛知県知事が本日、県独自の緊急事態宣言を発表した。
私にとって、どうしても観たい映画は不要不急の外出であるとは思っていないが、
それでも宣言が出れば自粛しようかなとの思いも強くなるから、その直前に行ってきた。
劇場は40席のミニシアターで、客はほとんどいないだろうと想定していたら、20名近くもいて驚いた。
と言っても、マスクをしているし隣り同士も一席離れているし、ましてや発声すらしないのでウイルス感染に極端に萎縮する必要もないではないか、
それよりか、このようなミニシアターが経営難となるほうが、文化的損失が大きいのではないだろうかと考える。
休暇へ向かうたくさんの人々を乗せ、退役した軍艦が出航する。
乗客には、クルーズ旅行にきた女性と恋人のタカシ、有名な議員とその息子、彼らの警護を申し出るギャングたち、謎の老人など、
年齢も職業も様々な人間たちがいる。
大海原へ出た広々とした船の上で、人々は酒、ドラッグ、セックスなど人間のあらゆる面を見せる。
荒れ狂う暴力と欲望の夜の後、誰もが疲れて眠りにつき、船は霧に包まれた未知の空間へと入る。
翌朝、自分たちがどこにいるのかわからず、そこから出られるのかもわからない状況に唖然とする人々は、
生き残りをかけて悲劇的事件を次々に起こしていく。
(公式サイトより)
第一幕「人間」、第二幕「空間」、第三幕「時間」、第四幕「そして人間」と副題がついているが、
残念なことに、この作品は期待したほどの内容ではなかった。
公式サイトのあらすじからすると、想像を絶するさも未知のできごとでも起きるのかのようだが、
実は、翌日になると船は天空に浮かんでいて、人々はその後の食糧難に対する危機のため、ついには殺し合いのバトルを繰り広げるという内容。
その中にひとり、老人がひと言も喋らず、死んだ肉体を打ち砕き、それを肥料として種を植え付ける。
それがずっと後年、船自体が林になり、ひとり生き残ったヒロインとその産んだ子が生きながらえるという話。
キム・ギドクはこの作品について、
「世の中は、恐ろしいほど残酷で無情で悲しみに満ちている。
どんなに一生懸命人間を理解しようとしても、混乱するだけでその残酷さを理解することはできない。
そこで私は、すべての義理や人情を排除して何度も考え、母なる自然の本能と習慣に答えを見つけた。
自然は、人間の悲しみや苦悩の限界を超えたものであり、最終的には自分自身に戻ってくるものだ。
私は人間を憎むのをやめるためにこの映画を作った」と、メッセージをしている。
だが、メッセージそのものが素直に納得できる内容でないように、作品自体もどこか空回りしているような、そんな感じの作品だった。
7日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が7都府県に発令され、
名古屋飛ばしということで愛知県知事が本日、県独自の緊急事態宣言を発表した。
私にとって、どうしても観たい映画は不要不急の外出であるとは思っていないが、
それでも宣言が出れば自粛しようかなとの思いも強くなるから、その直前に行ってきた。
劇場は40席のミニシアターで、客はほとんどいないだろうと想定していたら、20名近くもいて驚いた。
と言っても、マスクをしているし隣り同士も一席離れているし、ましてや発声すらしないのでウイルス感染に極端に萎縮する必要もないではないか、
それよりか、このようなミニシアターが経営難となるほうが、文化的損失が大きいのではないだろうかと考える。
休暇へ向かうたくさんの人々を乗せ、退役した軍艦が出航する。
乗客には、クルーズ旅行にきた女性と恋人のタカシ、有名な議員とその息子、彼らの警護を申し出るギャングたち、謎の老人など、
年齢も職業も様々な人間たちがいる。
大海原へ出た広々とした船の上で、人々は酒、ドラッグ、セックスなど人間のあらゆる面を見せる。
荒れ狂う暴力と欲望の夜の後、誰もが疲れて眠りにつき、船は霧に包まれた未知の空間へと入る。
翌朝、自分たちがどこにいるのかわからず、そこから出られるのかもわからない状況に唖然とする人々は、
生き残りをかけて悲劇的事件を次々に起こしていく。
(公式サイトより)
第一幕「人間」、第二幕「空間」、第三幕「時間」、第四幕「そして人間」と副題がついているが、
残念なことに、この作品は期待したほどの内容ではなかった。
公式サイトのあらすじからすると、想像を絶するさも未知のできごとでも起きるのかのようだが、
実は、翌日になると船は天空に浮かんでいて、人々はその後の食糧難に対する危機のため、ついには殺し合いのバトルを繰り広げるという内容。
その中にひとり、老人がひと言も喋らず、死んだ肉体を打ち砕き、それを肥料として種を植え付ける。
それがずっと後年、船自体が林になり、ひとり生き残ったヒロインとその産んだ子が生きながらえるという話。
キム・ギドクはこの作品について、
「世の中は、恐ろしいほど残酷で無情で悲しみに満ちている。
どんなに一生懸命人間を理解しようとしても、混乱するだけでその残酷さを理解することはできない。
そこで私は、すべての義理や人情を排除して何度も考え、母なる自然の本能と習慣に答えを見つけた。
自然は、人間の悲しみや苦悩の限界を超えたものであり、最終的には自分自身に戻ってくるものだ。
私は人間を憎むのをやめるためにこの映画を作った」と、メッセージをしている。
だが、メッセージそのものが素直に納得できる内容でないように、作品自体もどこか空回りしているような、そんな感じの作品だった。