百姓通信

自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!

アグリビジネス

2006-09-13 01:35:28 | 農業
アグリビジネスが注目されているという。しかし、現実、農家の暮らしは一向に楽にはなっていない。何故だろうか。でも企業が容易に農業分野に参入出来るとも思えない。何故か。
農家は本当にプロなのか。プロなら自らが播種をして苗を育て、成果物の販売も自らかが行うべきではないのか。
企業は他の工業製品と同じように農畜産物を扱ってはならない。というのは、農畜産物は生き物であり、農業は様々な与件が複合的に機能してにのみ成り立つものであることを充分尊重する必要があると思えるから。
アグリビジネスは次世代の新ビジネスモデルの提案とも言われるが、どちらかというと僕は文化の創造ではないかと理解している。日本人の生活は、戦後高度成長期を迎え、それ以降は成熟期だといわれているが、経済は成熟したが、バブルで崩壊、再び成長局面を迎えようとしている。しかし、一方で生活や文化はどうか。生活は決して“豊か”になったと思えないし、格差社会は拡大しつつあるといわれている。経済は成熟、文化は低迷、生活は不安定・・・では日本は将来、なんとも不安な国になるしかない。
僕はそんな中で、アグリビジネスが地方経済を牽引し、牽引するのみならず、活気付け、かつ地方文化を育て、日本人の生活の“豊かさ”を取り戻してくれる唯一のツールのような気がしてならない。
各地域の特性を活かした農畜産物の栽培は、それぞれの地域での消費(『地産地消』)をベースに安全安心はもとより、新鮮で美味しいものを再び提供し、フェイスtoフェイスの関係の中での消費を促進する。いままで流通等によってトランスされていたものの本質が見えてきたとき、地域をベースとした食文化の提案は、おそらく多くの方々に受け入れが可能となる(決して富裕層のみならず)だろう。ただし、アメリカ型グローバルスタンダードを継承した現状の日本の国策では、おそらく地域地域の特性を掻き消してしまい、アグリカルチャーには至らず、日本の農は崩壊する。
アグリがカルチャーである・・・その中で人が生まれ、生き、食と農と環境のバランスが語られるべきで、それらが相互に関連して語られる中で、文化が初めて育まれて、そして定着し、“豊かさ”の本質がみえてくるのではないか。