こんな危機的な状況にある農業に・・・悩んでいると、
甘楽富岡農協(群馬県)の奇跡という取り組みについて教えてくれる人がいた。
いつか何処かで聞いたことはあったが、詳細まで知らず、細かく聞いてみると、なるほどと思いあたる節が多々ある。これは結構おもしろい、何か大きなヒントを頂いたような・・・。
蚕とこんにゃくの町だった甘楽は一時繭50億円・蒟蒻30億円あった販売高が,生糸絹製品の輸入自由化と中国の影響による蒟蒻相場の急落により、数年で最盛期の10%程度にまで激減したという。もはや町は死んでしまったみたいな状態に・・・。地域の危機意識は一気に高まり、地域における他の地域との差別化できるものはいったい何か考え、少量多品種で生き残る道を模索したという。この地域には900~1000ヘクタールの農地はあったが,そのうち1/5が荒地で、平坦な土地は少ししかなかった。そこで,地域資源は何かを考え、・中山間地では,山の上と下では季節ずらしながら多品種の作物がつくることができる。・東京も商圏に入るという距離感。地域の農家を販売農家,自給農家,土地もち農家にわけて、販売農家は自分達でやるだろうからと、ターゲットを自給農家と土地もち農家に絞り込み、富岡の財産は,・女性と高齢者のみが農業者とした。そしてまさにこれを人的資源と考え、自分で食べるだけではなく、市内に彩食館(直売所)をつくり、出荷してもらう政策を実施。直売の次のステップとして、良いものは価格を少し高めに設定し東京の契約スーパーへ届ける仕組みを加えてみた。旬感野菜と命名し,バーコードで誰の野菜か分かるようにし、講習会をノルマ化、レジュメは有料にしたという。このようにみんなで栽培作物の質を高める努力を惜しみなくしたという(普通の販売農家には出来なかった・・・だろう)。
現場に知恵がある、ピンチがチャンスをつくり、みんなの努力で地域が笑顔で包まれるようになる、そんな町づくりが望ましい。