恒例の春の撮影会に参加、大判は荷物がでっかいので信州から名古屋まで迎えにきてくれるのは大変ありがたい。今回は信州蓼科方面の新緑狙いで、この週末は予報通りの小雨模様になり、森や渓谷・滝の撮影には最高の条件だった。蓼科高原の中央に位置する杜鵑峡に蓼科原生林がある。大きく曲がりくねった大木や岩場乗り越える樹根、巨岩に覆いかぶさる巨樹など森の生命力は見事で荘厳な様相を醸し出していた。これを下ると「蓼科大滝」がある。周囲を原生林で囲む滝は他の滝と趣を異にする。滝壺周辺に岩苔があり、東屋もありがたかった。横谷渓谷の最上流部に、「オシドリ隠しの滝」がある。この滝の特徴は河床を覆う緑色のチャツボゴケである。茶色の岩との色彩的な対比が独特の景観を呈し、豊富な瀧水の流れと苔の生育がマッチングしておりいつまでも存続してほしいものである。近くの「御射鹿池」にも立ち寄った。ここで東山魁夷の代表作「白馬」が描かれたというが、生憎の天気で水鏡にはならなかった。翌日は北八ヶ岳・八千穂高原の美しい白樺林の新緑が旬で、雄大でみずみずしい風景を大判カメラにしっかり焼き付けることができた。いつもながら、カメラバスの撮影旅は写真談義が楽しい。デジカメ全盛時になぜ大判か?いろいろ意見はあったが、ピントグラス上に表象される被写体の美しさ故ではなかろうか。現実より美しい像がかぶりのなかで現れる。デジカメやプリズムファインダーカメラで味わえない世界だと思うのですがいかがでしょうか?
・蓼科原生林 ・蓼科大滝 ・オシドリ隠しの滝 ・御射鹿池 ・八千穂高原