浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

産業廃棄物問題は終わったか

2010-07-07 07:56:24 | 社会・経済

平成16年に発覚し、不名誉にも日本一とも言われた岐阜市の産業廃棄物不法投棄問題は、昨年度からようやく最終処分に向けて100億円の費用をかけた撤去が動き出したところです。

先日、産業廃棄物最終処分場をめぐり前町長が襲われた御嵩町の現町長(当時は町会議員)の話を聞き、改めてこの産業廃棄物問題を考えさせられました。もちろん岐阜市のケースとは全く違う問題ではあると思いますが、どちらも経済の循環の中で必ずどこかで起こりうる問題ではないかと気づかされます。

御嵩町は、最終処分場のスタートに際しての問題であり、岐阜市は中間処理業者の不法投棄という大きな違いはあります。しかし、このことは産業廃棄物をどのように処理していくか制度的な問題を示しているのではないでしょうか。経済発展に伴う産業廃棄物の処理という部分はだれかが主導しなければならず、市場原理によって処理を任せるという現在の方法は、監督責任のある行政の不作為があれば必ずどこかにほころびが出る制度ではないかと思います。また、別の視点でとらえれば、この問題は、産業経済の循環、いわゆる新陳代謝を阻害する懸念さえあります。

御嵩町の問題も15年近くたち白紙撤回の形で解決しようとしています。岐阜市も撤去がスタートしたとはいえ、最終処分にはまだまだ時間がかかるでしょう。また特措法による撤去は70%程の処理しか予定しておりません。その後の処理についてもまだまだこれからです。お金と時間、そして市民の皆さんに理解していただく最終結論の議論を進めなければならないでしょう。

以上