塩野七生著「日本人へ~国家と歴史編」に、このような文章があります。
『民主主義政体の有権者とは、「何をやったか」で支持するのではなく、「何かやってくれそう」という想いで支持を寄せるのである。業績から判断して投票するのではなく、期待感で票を投じる人々なのだ。業績によって評価を下すのは、政治的センスを持った少数の有権者か、それとも歴史家か、・・・・』
改めて考えさせられる言葉です。確かに、政治家の仕事と実際のその評価を下す選挙とは、別のものであるというのが実感です。しかし、それで果たして本物の政治家が育つであろうかという疑問が残ります。権力者としての政治家に求められる実現力を考えたとき、表面的な期待感で選挙がおこなわれてしまう怖さを感ぜずには居られません。また、実績が評価されないとすれば、政治家の仕事にむなしさを感じてしまうことにはならないでしょうか。
以上