― 先ほど二期8年を振り返っていただきましたが、今後どのような取り組みを考えていますか。
身近なまちづくりでいいますと、鏡島地区は、本荘、三里、市橋とともに、都市計画マスタープランで、西岐阜駅を中心に「副都心」として位置づけられており、自然や文化的要素が強い住環境の整った街づくりの将来像が示されています。この4地区で人口5万人弱、動線ともいうべき環状線や21号バイパスが通り、病院や公共施設も多く、中心にはJR線西岐阜駅があるという一つの街を形成していると言えます。その意味でも、名古屋圏の通勤地域として交通利便性に優れた地域であるということが、今後の発展の大きなポイントになってきます。鏡島は、早くから住宅地域としての役割を担ってきましたので、私道や狭隘道路の問題はありますが、今後も住宅地としての再整備が必要です。それは一度に道路を拡幅するというようなことではなく、住宅の周辺環境を少しずつ徐々に整備をしていくことが重要かと思います。そのための寄付行為による道路の拡幅や、救急車や消防車が入るための隅切りの整備などの促進を考えています。地味ですが長期的視点で行っていきたいと思っています。
一方、市の政策面では、地方政策も大きな転換期にあるのではないかと思っています。従来の中央集権的な制度設計の明らかな歪みが、地方に打撃を与えているのは確かであり、財政再建の観点からも地方分権が進むであろうことが予測されます。これが意味するところは、主な税配分の決定が地方で行われるということであり、配分の決定は優先度も含め極めて重要になってきます。特に膨らむ社会保障費への対応は、ますます重要な地方政策の一つであり、国の制度にもたれることなく税の優先的配分も考えていかなければなりません。先の6月議会で岐阜市の独自策による国民保険料の引き下げの要望をしました。行政は、福祉政策が遅れているということではなく、画一的な制度による運用だけを行ってきているため、多様な市民の生活実態に合わなくなってきているのではないでしょうか。このように暮らしを良くする福祉政策にも重点的な配分を今後考えていかなければならないことは明らかです。とかく、目に見えるもの、例えば公共施設の建設や再開発及び環境整備に投資的経費として税配分がされがちですが、政策による生活のセーフティネットが今求められているのではないかと思っています。そうしたバランスのとれた政策をぜひ実現していく所存です。
以上