浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

議会を牛耳ろうとする首長

2010-07-21 07:52:18 | 国際・政治

大阪府の橋下知事、名古屋市の河村市長、阿久根市の竹原市長の、議会や議員の対立の報道がされています。それぞれのケースにおいて、対立の構図は違っていますが、二元代表制における議会とは何かという重要なテーマを内包していると思われます。

リーダーシップを発揮しようとすれば、多様な意見を持つ議会での対立は必然であり、議論される場が議会であるとすれば、首長は議会の決定に従うというのが本来の姿です。問題は、首長がそのリーダーシップを発揮するために、議員そのものを自らの配下に置こうとする行動に問題があります。橋下知事の大阪維新の会、たとえそれが政策集団であっても議員の立場が拘束されることになり、議会の形がい化につながります。また、河村市長の場合も、自分の主張が通らないから、議会解散のリコールを求めるという行動は、議会を尊重する行為ではありません。竹原市長は、もうすでに議会は必要ないという行動です。

民主主義は、多様な意見を集約するという政治システムであり、議会制度の在り方を今一度考えるべきではないかと思います。一つ一つの政策に関し、それぞれの賛否は当然あってしかるべきで、そのための議会の議論があるはずです。単に一つの政策や方針で自らの主張を強引に強行しようという態度は、民主主義の体制に逆らうものだと言わざるをえません。郵政選挙の小泉的手法が一つのリーダーシップの発揮方法であったとしても、二元代表制は、首長に全権をゆだねるという制度ではありません。

権力を持つことの怖さは歴史が証明しています。選挙の結果にとらわれることなく、多様な民意を吸収する行政のリーダーとしての良識ある行動を願うばかりです。

以上