やはりTV番組の話である。
何気なく観ていたNTVの「ゲツヨル」の番組に釘ずけになった。
既に世界各国で700回の公演をしており、中国本国では昨年正月TVで74%以上の視聴率を上げ、10億人の人達が観たと言ふ中国の若手男女による民族舞踊「千手観音」の踊りだ。
驚きは総勢21人の踊り子が縦一列に並び一体の「千手観音」を演じている事だ。
先頭を踊るリーダは世界的な評価を得ているバレリーナだが、その後に並ぶ20人の踊り子の一糸乱れぬ動きは、まさに当世に「千手観音」が舞い降りた感がする。衣装や照明も素晴らしい。
6分に足らない時間の踊りだが、これだけの集団で動き回る踊りで一体感を感じた事は今までに無い。
更に驚くのはこの踊り子達全てが聴覚障害を持つ人達である事だった。中国障害者芸術団の団員だそうである。
音の無い世界に生きる彼らは、太鼓の音が伝える空気中の振動でリズムを掴み、お互いの手先で動きを察し、お互いの呼吸で自分の動きを制御していくと言ふのだ。
随分長い間の訓練で会得していくには、並大抵の努力と周囲の人たちの理解と援助がないと出来ない事だろう。
中国には13億人の人口があり、全国から選りすぐられた素質のある人達が、色々な分野で活躍出来るシステムが出来ている。
有名な中国雑技団は広く知られているが、スポーツの面でも世界のレベルに追いつけ、追い越せと中国自体が力をいれている国だ。
2008年のオリンピック開催では将にその成果を世界に誇示しようとしている。