今迄に比べて新聞を丹念に読むようになっている。
毎日余りある時間があるからなのだが、今まで読み飛ばしていた記事なども丹念に読んでいると、今までに気が付かなかった事が発見されて面白い。
「窓」と言ふコラムでこんな記事があった。
ある論説委員が日本中がバブルで浮かれていた時代に、イタリアで見た風景を書いている。
イタリア市民は当時の日本の平均所得に比して半分以下であったが、実に伸び伸びと豊かな生活を楽しんでいたと言ふ。
その理由は何かと考えた時に、住宅にある事に気が付いたらしい。
それは曽祖父の時代に土地を買い、祖父の時代に家を建て、その住宅を父から譲り受けて、今も確りとその住宅で暮らしている事だと言ふのだ。
日本の様に20年~30年程で建替える必要のある住宅は、一代限りの資産でしかない。
地震の多い国である特性はあるが、我が国の様に自己の住宅取得が一生の生甲斐で終わりになり、豊かな生活どころではないのは考えて見れば侘しい話だと思った。
200年は持つ住宅に住んで、毎日の生活を豊かに楽しんでいる国の人達が羨ましい。