宮崎県知事が遂に辞職した。県議会で不信任決議をつき付けられた結果である。
業者との癒着が囁かれていた。いわゆる「天の声」で業者選定を部下に押し付けていたらしい。
少なくとも談合疑惑で逮捕されている土木部長は「天の声」を証言している。
なぜ「知事ドミノ」は起きたか、朝日新聞の記事が検証している。
ひとつは政治の権力構造の変容だと言ふ。
かっては政権構造の頂点には有力国会議員がいたが、政治改革が進んでからは族議員の没落や派閥の解消により、知事の存在がクローズアップされた事。
もうひとつは権力が増した知事に対する贈収賄からの、官製談合そのものにメスを入れる捜査方針が確立した事だと言ふ。
何度か引き合いにだしている元宮城県知事の浅野氏は「知事から国会議員になったのは3人だが、国会議員から知事になったのは9人だ。出世コースが変わったのだ」と皮肉るが、知事の力が強まった事を実感として述べている。
それだけに知事に対する公共事業の受注に対する業界の攻勢が激しくならざるを得ない。
自ずと知事選挙の応援にも力が入るし、当選の暁には見返りを激しく要求する事が当たり前になる。
選挙に多大の出費を負担しなければならない知事選挙が、業者との癒着を生む原因にもなっている。
公共事業の減少によるパイの奪い合いと、談合を封じられた地元業者が「天の声」を告発したのが今回の宮崎県の事態を招いたと言われている。
しかし公共事業が入札制度により7~8割程度安くなるのだとすると、談合そのものが税金の無駄ずかいをしている事になる。
地方自冶体の腐蝕の構図をこの際徹底的に解明、改善していく必要があると思う。