ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

映画「わが心の歌舞伎座」

2011-02-13 12:36:52 | インポート
 2009年、歌舞伎座は老朽化のために建て替えがきまりさよなら公演が始まった。10日に東京東劇で鑑賞した映画「わが心の歌舞伎座」は、そのさよなら公演に出演した名優たちが歌舞伎座への想いを語るものである。2013年に新歌舞伎座は再開場される。

 出演は現代の名優たち11名に及ぶ。市川團十郎、尾上菊五郎、片岡仁左衛門、坂田藤十郎、中村勘三郎、中村吉右衛門、中村芝翫、中村富十郎、中村梅玉、坂東玉三郎、松本幸四郎等々が、役への一念、受け継がれてきた名跡と芸、初舞台や思い出の舞台、先達たちの残した言葉、さらなる目標へと向かう志を熱く語っている。

 そして夫々の俳優たちの演ずる思い出の舞台が再現されて実に楽しく拝見した。特に印象深かったのは、中村吉右衛門が演ずる「熊谷陣屋」の名場面。祖父であり養父である初代が演ずる舞台が映画でも残っている。小生はこの映画は歌舞伎座で拝見している。さらに実父の先代松本幸四郎(白?)の舞台も見ている。もちろん現代の中村吉右衛門の舞台も見ているので3代続いた舞台を見ていることになる。

 さらに感激したのは、演目の稽古風景や制作現場や楽屋の様子。そして舞台を支える名代の音曲の奏者たち、さらに若手俳優たちが取り組むとんぼ返りの練習に励む様子なども克明に映し出している。それに影で舞台を支える床山、舞台装置製作者、衣装係等々も紹介して歌舞伎の真髄を余すことなく展示してくれている。

 小生はこの映画を見ていて、歌舞伎の世界と同じく永い時代を生き抜いてきた大相撲の世界の現状を思い浮かべてしまった。同じ個々の俳優たちの徒弟制度から始まった歌舞伎界は「松竹」という興業会社により、より現代に即した形で生まれ変わりながら隆盛を誇っている。一方の相撲界は古い仕来りを守ることから抜け出せなく、存亡の危機を迎えている。相撲協会と言う内輪の世界だけでは現代化の波に乗り切れないジレンマを抱えているのだろうと、大好きな歌舞伎の世界と対比して見てしまったのでした。

映画のHPから借用のポスタ-である
              
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