TVでは数が少なくなった時代劇を、NHKBSハイビジョンで見せて呉れる。今回も楽しく拝見したのは
五味康祐原作の「薄桜記」である。脚本はジェームス三木さんが担当。
旗本丹下典膳の元に嫁いだ上杉家の家老の娘である妻女が、大阪勤番で夫が留守の間に過ちを犯
してしまう。主人公はその妻の名誉を守るために、実家に戻そうとするが、その離縁話に激高した妻の
兄によって片腕を切られてしまう。
上杉家で発生した刃傷沙汰が公になれば、幕府からのお咎めを受けかねない。ために主人公はこの
刃傷は路上で不逞の浪人によるものと奉行所に届け出る。しかし幕府の裁断は家名断絶で追放との
厳しい沙汰が下ろされる。
浪人となった主人公は、片手での剣の修練を怠りないが、後に高田馬場で高名を挙げた中山安兵衛
(堀部)の住む長屋暮らしを始める。安兵衛はやがて赤穂藩に出仕することになるが、主君浅野内匠
頭の松の廊下での刃傷沙汰が発生し浪々の身になる。
一方の丹下典膳は、上杉家の家老による依頼を受けて、討ち入りが心配される吉良上野介の屋敷に
客分として護衛役を引き受ける事に。討ち入りを前に主人公と安兵衛の葛藤が絡んで、ついに12月
15日未明の討ち入りが行われる。
このドラマは妻に対する愛と武士としての誇りを持ち続けた主人公の、そしてあくまで夫に対する愛を
貫こうとする妻との悲恋の物語である。さらに滅亡した赤穂藩の47人が亡き主君の仇討に名を借りた
幕府への抗議に対する同情を示すことをも主題としている様である。
主人公役の丹下典膳の山本耕史と、妻女役の柴本幸の、お互いを思いやる夫婦愛をやるせない思
いで見ているが、2人は実に適役だと思った。上杉家の重鎮や吉良上野介の信頼を受けながら、最
後は堀部安兵衛に義を捧げる場面には涙を禁じ得ない。脇役陣も充実していて重厚な時代劇にな
っているのではないだろうか。
10月以降には地上波での再放送があるらしい、是非ご覧頂く事をお勧めしたい。
五味康祐原作の「薄桜記」である。脚本はジェームス三木さんが担当。
旗本丹下典膳の元に嫁いだ上杉家の家老の娘である妻女が、大阪勤番で夫が留守の間に過ちを犯
してしまう。主人公はその妻の名誉を守るために、実家に戻そうとするが、その離縁話に激高した妻の
兄によって片腕を切られてしまう。
上杉家で発生した刃傷沙汰が公になれば、幕府からのお咎めを受けかねない。ために主人公はこの
刃傷は路上で不逞の浪人によるものと奉行所に届け出る。しかし幕府の裁断は家名断絶で追放との
厳しい沙汰が下ろされる。
浪人となった主人公は、片手での剣の修練を怠りないが、後に高田馬場で高名を挙げた中山安兵衛
(堀部)の住む長屋暮らしを始める。安兵衛はやがて赤穂藩に出仕することになるが、主君浅野内匠
頭の松の廊下での刃傷沙汰が発生し浪々の身になる。
一方の丹下典膳は、上杉家の家老による依頼を受けて、討ち入りが心配される吉良上野介の屋敷に
客分として護衛役を引き受ける事に。討ち入りを前に主人公と安兵衛の葛藤が絡んで、ついに12月
15日未明の討ち入りが行われる。
このドラマは妻に対する愛と武士としての誇りを持ち続けた主人公の、そしてあくまで夫に対する愛を
貫こうとする妻との悲恋の物語である。さらに滅亡した赤穂藩の47人が亡き主君の仇討に名を借りた
幕府への抗議に対する同情を示すことをも主題としている様である。
主人公役の丹下典膳の山本耕史と、妻女役の柴本幸の、お互いを思いやる夫婦愛をやるせない思
いで見ているが、2人は実に適役だと思った。上杉家の重鎮や吉良上野介の信頼を受けながら、最
後は堀部安兵衛に義を捧げる場面には涙を禁じ得ない。脇役陣も充実していて重厚な時代劇にな
っているのではないだろうか。
10月以降には地上波での再放送があるらしい、是非ご覧頂く事をお勧めしたい。