突如鳴り響いた携帯電話、思いがけぬ懐かしい友からのコールだ。
千住からというので「首都圏にいるのかいな」と思えば250㎞も離れた郷里のお店からだった。
そこに同級の友が三人、新年会を催しているらしい。
代わる代わる電話口に出た彼ら、羨ましくもあり、微笑ましくもあるその光景が目に浮かぶ。
三人のうち一人は同じクラスになったことのある確か文学の素養のあるA君。
ホームルームで小説だったか、何かを読んで聞かせてくれた思い出がある。
残る二人はフォークソングを一緒に演奏した軽音楽クラブの仲間だ。
思えばエレキギターの音を認識したのは小学生の頃。
イギリスのシャドウズのインストルメンタルナンバー「アパッチ」だった。
テープ式エコーとフェンダー・ストラトキャスターのトレモロアームを駆使したサウンドにしびれた。
後でわかった低音弦をピックで引っ掻いて出す効果音にも感心した。
クリフ・リチャードのバックバンドとして結成されるシャドウズのリードギタリストにはトニー・シェリダンが候補にあがっていたという。
時間に来なかった彼の代わりにハンク・マーヴィンが選ばれる偶然があった。
「アパッチ」のリリースは1960年、アメリカの西部劇映画「アパッチ」をモチーフにして英国のジェリー・ローダンが作曲した。
相前後してベンチャーズ、ビートルズが現れて日本国内は空前のエレキブームが起こる。
「GS (グループサウンズ)」と称して和製エレキバンドが田舎の隅々までできたものだ。
繊細な印象のあるシャドウズに比べるとわかりやすくて野太い感じのベンチャーズの方が日本ではポピュラーになった。
ハンク・マーヴィンの計算し尽くされたギターワークとメンバーのアシストは確かに英国的だ。
一方でノーキー・エドワーズのプレイはカントリー・タッチで、アメリカを想像させてくれる。
エレキ・ギターが流行った頃、ボブ・ディランやジョーン・バエズ、P.P&Mなどフォークブームが同時進行したのも面白い。
それまで目にしなかった金属弦を張った「フォーク・ギター」が垂涎の的になったのもこの頃だ。
同級F君は、O君とP.P&Mバンドを編成して、私にウッドベースを弾くよう昼休みにやってきた。
私は、Y君、 M君、 K君たちとハワイアンバンドを楽しんでいたが、フォークの洗礼も受けた。
O君はクラシックギターとフォークを、F君は、Y君とエレキバンドを掛け持ちしていた。
軽音楽花盛りのあの頃が懐かしい。
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