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西やん67歳、日々の出来事独り言

何もない日412 【危険運転致死罪】

2023-01-14 09:26:57 | 何もない日
おはようございます。

このところ固い話題が多いのですが。
今日も「固い話題」にお付き合い下さい。

【危険運転致死罪】
Yahoo!ニュースで、「時速200kmのスポーツカー追突で夫婦死亡 首都高湾岸線の悲劇は本当に「危険運転致死」だったのか? あえて冷静に再考する」というMerkmalというところの記事を読みました。

著者は、「危険運転致死はまっとうな判断なのか」ということで問題提起しています。

対象としているのは、2020年8月に、川崎市川崎区の首都高速湾岸線下り線で発生した死亡事故についてです。
会社役員の52歳の男は、スポーツカーを時速200kmで暴走させ、他の車6台を妨害したあげくに追突事故を起こし、追突された車に乗っていた夫婦が死亡したというものです。

この事故について、横浜地検は2022年12月に「危険運転致死罪」で起訴したというもので、事故発生から2年半後の起訴。それまでは容疑者の男は普通の生活を送る事ができていた。それはおかしいのではないか。と提起しています。

引き合いに出したのは。
2018年に大阪府堺市の一般道で、バイクに乗った大学生に追い抜かれたことに腹を立て、時速100kmで追突して大学生を『殺害』した40歳の警備員の男は『殺人罪』で起訴されている点です。

当初は「危険運転致死」だったのが、『殺人罪』の摘要が可能と判断した大阪地裁堺支部、大阪高裁もこれを支持したのですが。(その後、最高裁で棄却され殺人罪による懲役16年が確定)
ハイビーム、クラクションであおり運転をしたあげくに「はい、終わり」と言ったことは「殺意」があると認定しました。
被告の車に設置されていたドライブレコーダーに録画、録音されていたものが「殺人罪」の決め手となりました。ただ、被告は「自分の人生が終わったという意味で言った」と主張したのですが認められませんでした。

これは、「ドライブレコーダー」が普及している現在であるため立証できたもので、これが無ければ、他の証言、証拠をもってしても「危険運転致死」か、下手をすれば「過失運転致死」もありえたということです。

最初の事故に戻って。
起訴状には、男は最大で時速268kmを出していたと記載されています。
大阪の例の様に、「はい、終わり」というような「殺意」を認定できるような記録はありませんが、これが「危険運転致死罪」の適用でよいのか、ということです。

首都高速湾岸線の制限速度は80km。もはやスピード違反どうのというレベルを超えた時速200km以上での走行。もちろん、アクセルを踏んだのは運転者である男の「意志」。このスピードで他の車6台を妨害したのも男の「意志」。
これを「人を殺す意志がなかった」と判断するのが正しいのかということです。「人を殺す認識があった」のではないか、ということです。ドライブレコーダーの証拠や事実を勘案すれば(「はい、終わり」というようなものがなくても)『未必の故意』による殺人罪が問えたのではないか、ということです。

『未必の故意』とは「人を殺してしまうかもしれないが構わない」と思う心理状態を指すとのことですが、あおり運転(殺人罪適用の判例あり)や飲酒運転(殺人罪適用の判例なし)での「殺人罪」も、明確に「殺してやろうと思った」とでも言わない限り、この『未必の故意』が論点となるとのことです。

制限速度80kmの首都高を時速200km以上で走行し、6台の車の妨害をした走行行為が『未必の故意』に当たらないのか。「もしかしたら、人を殺してしまう」ということに該当しないのかということです。「自分の運転技術なら大丈夫だから」は理由にはなりません。

ただ、結果として2年半かけて出た起訴内容が「危険運転致死」。
そこには、現行法制での問題などいろいろな要素が考えられます。
「殺人罪」の適用は「厳格主義」なのか。それほど難しいことなのか。です。

2006年8月25日の深夜、福岡市東区の海の中道大橋で、家族5人が乗った車が、飲酒運転の福岡市職員の車に追突された結果、橋から転落し、1歳と3歳、4歳の兄弟3人が死亡する事故が発生しました。
この事故をきっかけとして、「飲酒運転」「酒気帯び運転」に対する罰則、および、同乗者や飲酒させ車を運転することを容認した者も処罰されるよう法改正されました。
しかし、その後も「飲酒運転」が減っていないのが「実情」です。

それは、「厳罰化」しても「見つからなければ」とか「自分は大丈夫」という意識には勝っていない。要は『抑止力』になっていない。ということです。

であれば、いっそのこと。
「制限速度を〇〇km以上オーバーして事故を起こした場合、被害者がけがした場合は『殺人未遂罪』、(事故から〇日以内に)死亡した場合は『殺人罪』を適用する。」
「飲酒運転で事故を起こした場合、被害者がけがした場合は『殺人未遂罪』、(事故から〇日以内に)死亡した場合は『殺人罪』を適用する。」
と法改正してしまえばどうでしょう。

例えば「制限速度を100kmオーバーして事故を起こし、相手が死亡した場合は『殺人罪』」とすれば、最初の事例は『殺人罪』適用となります。
ある「レベル」以上のものを『未必の故意』と認定してしまうという考え方です。
例として「100km」としましたが、では「99km」は対象外かということにはなりますが、そこは割り切る必要があるかもしれません。または、「他の要素」(例えば、他の車の妨害や他の車、建物などへの接触)を加えることもあるかもしれません。

大阪府八尾市で、盗難車を発見したパトカーが1.6km追跡し、暴走した盗難車に向け2発ずつ計4発を発砲し、内1発が容疑者の胸に当り容疑者が死亡した事件が発生しました。
これと同様に、盗難車や薬物事犯などで逃走し、パトカーが追跡する際に「暴走」する事例は多くあります。場合によっては、事故を起こすこともあります。
これも、「逃走する」という行為の中で、信号無視やスピードを上げるということは『未必の故意』に当たると言えるのではないでしょうか。
万一、それに巻き込まれ「死亡」するようなことがあったら、遺族はいたたまれません。

ある「レベル」を超えた「違法行為」については『未必の故意』を認定する。
それくらいの法改正をしないと『抑止力』にはならないのではないでしょうか。更に、「危険運転致死罪」で起訴するまでに2年半は長すぎます。
先の首都高の事故(事件)は、明らかに『未必の故意』による『殺人罪』と認定する。くらい必要ではないか。私はそう考えます。

『死刑制度』がある日本ですが、「殺人」事件は絶えません。
『死刑』は『抑止力』になるという意見もあります。私も(実際の効果は別として)『抑止力』としては必要と考えます。
ただ、世界に目をやると、『死刑制度』を廃止している国などがありますが、そういう国などでも、「警察官が、現場で犯人を射殺」ということが多々行われています。
ただ、日本では警察官の「銃の使用」に関しては相当の困難があります。

ある記事を見て。
私も「危険運転致死罪」適用はおかしい。と思いましたので書いてみました。

では、また。




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