今、半藤一利編集のDVD「激動の昭和史」が発売されて売れているとか。その半藤氏の歴史エッセイは楽しくいろいろな知識も身につきます。過日「歴史のくずかご」(文春文庫)から今の時代と符合するような内容がありました。いろいろある中から今回は「破局への誘惑」、次回は「愚かな開戦」。
「破局への誘惑」では昭和16年(1941年)11月2日の大本営政府連絡会議の激論の一部が紹介されています。
賀屋蔵相「米国が戦争を仕掛けてくる公算は少ないと判断する。今戦争を決意するのが良いとは思わない。」
東郷外相「私も、・・・・。戦争する必要はないと思う。」
永野軍令部総長「・・・、先は不明だ。安心はできぬ。三年たてば南の防備が強くなる。敵艦も増える。」
賀屋「しからば何時戦争したら勝てるのか。」
永野「今! 戦機はあとには来ない。いまがチャンスなのだ。」
このような論議は、何やら今と似ているというのです。尖閣列島、慰安婦問題などで急激に剣呑になっている日本の今と。
軟弱を唱える者には「それでは日本は成り立たない。」と脅迫し、強硬政策をナショナリストが支持するのは紛争が起こりやすい典型であると言います。両国とも引くに引けなくなり小競り合いがおこり、大きな破局へ進むというのです。
確かに今は、内では弱者を痛める政策が一層の格差を広め、同じ弱者がより弱い弱者をヘイトするような雰囲気が多くなりました。外では無法な北朝鮮の核やミサイルをめぐる問題です。それに対して世界各国が圧力かけつつも対話による解決をめざしているのにトランプ政権と一体の安倍政権は圧力一辺倒でその先が見えません。先制攻撃さえも口にし始めています。
こんな内外の問題がある中では、多くの国民は、敵を外にみつけて強行に進める論調や政権を支持し、支持しなければ罵倒するというのは今までの歴史が教えてくれています。
しかも、軍のはやる気持ち(今は政権がと言った方がいいかも)を外交主導でとおさえなければならない外務大臣が一緒になってトランプ大統領の強硬政策を持ち上げる始末です。これがハト派と言われた(過去形)河野外相です。
今、与党の議員や大臣だけではなく、日本全体が強いものに同調しブレーキが利かなくなり始めている虞れがないでしょうか。為政者やそれにくみする論者たちの力はマスコミも使い大きいので、よほど裏を読み解き考えないとわからないようになっていると思います。
先の会議の一か月後の昭和16年(1941年)12月8日真珠湾攻撃が開始されました。
「愚かな開戦」の章は次回。
「破局への誘惑」では昭和16年(1941年)11月2日の大本営政府連絡会議の激論の一部が紹介されています。
賀屋蔵相「米国が戦争を仕掛けてくる公算は少ないと判断する。今戦争を決意するのが良いとは思わない。」
東郷外相「私も、・・・・。戦争する必要はないと思う。」
永野軍令部総長「・・・、先は不明だ。安心はできぬ。三年たてば南の防備が強くなる。敵艦も増える。」
賀屋「しからば何時戦争したら勝てるのか。」
永野「今! 戦機はあとには来ない。いまがチャンスなのだ。」
このような論議は、何やら今と似ているというのです。尖閣列島、慰安婦問題などで急激に剣呑になっている日本の今と。
軟弱を唱える者には「それでは日本は成り立たない。」と脅迫し、強硬政策をナショナリストが支持するのは紛争が起こりやすい典型であると言います。両国とも引くに引けなくなり小競り合いがおこり、大きな破局へ進むというのです。
確かに今は、内では弱者を痛める政策が一層の格差を広め、同じ弱者がより弱い弱者をヘイトするような雰囲気が多くなりました。外では無法な北朝鮮の核やミサイルをめぐる問題です。それに対して世界各国が圧力かけつつも対話による解決をめざしているのにトランプ政権と一体の安倍政権は圧力一辺倒でその先が見えません。先制攻撃さえも口にし始めています。
こんな内外の問題がある中では、多くの国民は、敵を外にみつけて強行に進める論調や政権を支持し、支持しなければ罵倒するというのは今までの歴史が教えてくれています。
しかも、軍のはやる気持ち(今は政権がと言った方がいいかも)を外交主導でとおさえなければならない外務大臣が一緒になってトランプ大統領の強硬政策を持ち上げる始末です。これがハト派と言われた(過去形)河野外相です。
今、与党の議員や大臣だけではなく、日本全体が強いものに同調しブレーキが利かなくなり始めている虞れがないでしょうか。為政者やそれにくみする論者たちの力はマスコミも使い大きいので、よほど裏を読み解き考えないとわからないようになっていると思います。
先の会議の一か月後の昭和16年(1941年)12月8日真珠湾攻撃が開始されました。
「愚かな開戦」の章は次回。
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