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短歌で綴る学校の一断面   子ども編 -その1

2014年07月08日 | 教育
中学時代に石川啄木に接して以来、詩や俳句、短歌などの短詩系文学に関心を持っていました。また亡き兄二人が詩や短歌をつくっていたのでいっそう身近に感じていました。仕事についてからは歌会に参加して詠ってきました。
自分が仕事や生活を詠うだけではなく、子どもに詩や俳句を紹介し作らせたりしてきました。拙作の中から、いくつかを選んで短歌でその時代の学校の様子をお伝えします。
ある時代(40数年~10年前)の学校の一断面を切り取ったものですから、内容によっては今では考えられないことなどもあるかもしれません。

(1)「誕生日おめでとうとカード教卓にあり似顔絵とたどたどしき字にて」 
 子どもたちには必ず誕生会を開き、祝って来ました。私や親、友達からのメッセージをカードに書いて渡して、お祝いに歌を歌ったり出し物をやったりして過ごしました。また、黒板にその日誕生の子どもの名前を書いたこともありました。
そんな子どもたちですから、今度は3月3日の私の誕生日には祝ってくれました。高学年を教えていたときには、教室のドアを開けると紙吹雪が舞って黒板にはいっぱいお祝いに言葉が書いてあったこともありました。
また、クラス全員の子どものメッセージをカセットテープに入れてプレゼントしてもらったこともありました。
今は時間もなかなか窮屈ですから、のんびり誕生会なんて言うことも難しくなっているでしょうか。標記の歌は低学年の子どものことです。(1980年頃) 


(2)「親しげに足のけがなど話し来る子の父親が家出と言いし」 
 特に用事がないのに、帰らないでいろいろ話してくる子がいます。いろいろ話していると分かったのは、実はこの子の父親は家出してしまったのでした。このさびしさを分かってもらいたくても、それを直接言えないのでこんな形でいつまでも足のけがなどのことを話していたのでした。
父親のことを話してからは、ふっと気を抜くことができたのでしょうか、離れていきました。
子どもによっては母親が家出などという例もあり、子どもの世界も悩みが絶えません。(1980年頃)

(3)「今度こそ成績上げてと書きし子に採点する手やや重くなる」
 がんばっている子には皆○と書きたいのですが、思うような成績をあげられない子もいます。そんな子にかぎって、「今度成績が上がったら○○を買ってもらえるんだ。」などと話します。テスト用紙の裏にストレートにあげてと書く子もいて採点時には悩みます。(1985年頃)




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2 コメント

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目に浮かんできます (木漏れ日)
2014-07-09 21:16:24
生徒と先生と言う以前に、人と人の心のふれあいを感じました。
大変感動しました。

「親しげに足のけがなど。。。」 その場の光景が見えて切ない
 気持ちになりました。








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Unknown ()
2014-07-09 22:25:29
子どもの心を見失いがちな大人にとっては、一人一人に寄り添うことの大切さを感じます。
自分もそうだったなあと、子どものころを思い出します。
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