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勉強代は高くつく。天使にも人間にも。







ブリュッセルの話続きます。


ブリュッセル王立美術館蔵「叛逆天使の墜落」ブリューゲル(父)1562年の作品。一部。

ブリューゲル(父)、大大大っ好き。

神に最も愛された大天使ルシファー、神よりも自分の方が優れているのではないかという慢心から、あるいは神の関心が人間に移り「大天使は今後は人間に仕えるよう」強制された嫉妬心からか、叛逆を企てる。

この場面は、ルシファー率いる「叛逆天使」軍団を、中央の大天使ミカエル率いる善軍が撃ち、叛逆天使らは醜い姿に変わりながらどこまでも堕ちてゆくところ。

ちなみにルシファーは「地獄」にあって、地獄とはすなわち「愛するものの不在」(つまり神の不在の意)だと言った。なんという悲哀。


......



久しぶりに会う友人と上機嫌でランチをした後のこと。
雨上がりの太陽で緑が濃く(秋に緑が濃いというのも相当変だが)、聖堂と、その方向にすっと伸びる道路がこれまた雨に濡れて黒く輝いて見え、思い出し笑いなどをしてウキウキだったからか、

うっかりスピードを出しすぎて違反で捕まるの巻。

反社会的行為、猛反省中ですよ、ほんとにもう...懺悔。


ブリュッセル市内の道や交通事情を、英国に引っ越して5年経った今でも覚えているということがちょっと得意で調子に乗ってしまったのだ。

が、そうそう、ここはどう見ても70キロ制限速度タイプの道なのに、なぜか50キロで悪名高い、死屍累累、反則金稼ぎスポットだったよ...

大天使ミカエル軍は、違反を減らすためにではなく、違反を増やすために取り締まりをしている。

分かりやすい標識を設置するよりも、茂みに隠れてカメラを構えるために選ばれたトラップ・スポットで。


現金を持っていないと告げたら、かっこいい白バイ2台(<ブルージュの方では”白鳥”とあだ名されている警察の花)に先導されて銀行へ現金をおろしに行かされた。
まるでVIP。
道ゆく人の好奇の目がわたくしの車に注がれる。絶対に王族だと思われているよ...

しかしなんなんですな、白バイってそんな用事でも赤信号も反対車線もバンバン通行止めにするんですね!
わたしが銀行にいる間、お菓子とジュース買いに行ってたけどねえ...


この罰金、ポンド暴落で財布の紐をかたくしたばかりの身にはかなり堪えた。

先日も書いたが、ロッシの靴が、ロンドンで買ったほうが50ポンドも安かった! と分かってショックを受けた矢先だったの...

身にこたえないと罰金の意味はありませんがね。
醜い姿に変えられ、どこまでも落ちたルシファーもさすがに反省したでしょうな。


大天使ミカエル、わたしに領収書を差し出しながら「どうもありがとうございます。良い一日をね!」ちゃうっちゅーねん。

善軍天使はおまわりさんはみな恭しく、とがめられているのは誰かと勘違いするほどだった。

今日から英国でもまた注意して安全運転に努めよう。

みなさまもどうぞお気をつけて安全運転で。
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