弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

市民参加は 二の足踏むが 被害者参加は 一足か

2008年02月15日 20時10分47秒 | 未分類
「失敗したらどうするのか」という悪しき「事なかれ主義」が、裁判員制度のスタートに二の足を踏ませている、というのが私の持論である。
しかし、それだけでは説明が付かない現象があることに気付いた。
私が任官した5年前には考えられなかった内容の、刑事裁判への被害者参加が次々に実行に移されることになり、さらに少年審判にまで広げられようとしていることである。
試行もないまま、一足先に、一足飛びで。
この違いは、どこから生じてきているのだろうか。

「事前準備に 5年」もかけず 「5年試す」が 韓流か?

2008年02月14日 22時05分14秒 | 未分類
国民参加の裁判の実施では、韓国に追い越されてしまった。
改革を実行に移す早さには、目を見張るものがある。
とにかく5年間試行してみて、不都合な点は修正を加えていくという柔軟な発想のようである。羨ましい限りだ。
日本では、5年の準備期間のうち4年近くが過ぎようとしているのに、いまだに廃止論や延期論が根強い。
反対論に目立つのは、「失敗したらどうするのか」という、私に言わせれば「事なかれ」論である。日本国民特有の完璧主義(精密司法の要求を含む。)が影を落としているように感じられる。
しかし、それでは全く進歩の可能性がない。世の中には、たとえチャレンジが失敗したとしても、取り返しがつかないことなど殆どないはずだと割り切って、まず進むほうが良いと考える。

市民参加の 決め手はコレア! ひと足お先に 韓国で

2008年02月13日 21時33分02秒 | 未分類
韓国で「国民参与裁判」がスタート。
今日の朝日朝刊でも大きく取り上げられていますが、
TBSのホームページ
http://news.tbs.co.jp/
から昨日のニュース「韓国で市民参加型の裁判制度スタート」を見ることができました。韓国のTVのCMも見られて、面白かったです。

(TBSホームページから抜粋)
 日本では来年から裁判員制度が始まる予定ですが、お隣の韓国では、ひと足早く、一般市民が参加しての裁判が始まりました。
 12人の陪審員を確保するために、この日、呼び出された人は230人。裁判所の予想を大きく上回る87人が集まりましたが、理由無く欠席したとして、90人が罰金の対象となりました。
 適性検査とくじ引きを経て選ばれた12人が取り組んだのは、強盗傷害事件の裁判です。日本の検事らも傍聴する中、審議が始まりました。
 検察側が、懲役5年以上を求刑したのに対し、陪審員側は、被告が犯行後、被害者を病院に連れて行き、自首する意思を示したことを考慮し、減刑すべきと主張しました。裁判官もこの意見を支持し、執行猶予付きの有罪判決を下しました。

裁判員らを どう説き伏せる? ホカホカ弁護士 上戸彩

2008年02月12日 19時51分32秒 | 未分類
裁判員制度の広告キャラクターを務める上戸彩さんが、新人弁護士役に。
原作漫画の主人公は男性ですが、TVドラマでは女性に変更したとのこと。
これは楽しみです。ファンとしては必見。

(11日のスポーツ報知から抜粋)
 女優の上戸彩(22)が4月スタートの日テレ系主演ドラマ「ホカベン」(水曜・10時)で弁護士役に初挑戦することが10日、分かった。「なりたてホカホカ」の新米弁護士の成長物語で、少年犯罪や幼児虐待など社会問題をリアルに描いた人気コミックが原作。これまで明るく元気なキャラクターが多かった上戸が、シリアスな演技で新境地を見せる。
 上戸演じる堂本灯(あかり)は「弱者救済」を理想に掲げる新米弁護士。
 原作は漫画誌「イブニング」に2003年~06年まで連載(現在休載中、4月から再開予定)。現役弁護士で小説家の中嶋博行氏が原作を手がけており、医療過誤やいじめなどの社会問題や、違法行為スレスレの法的アドバイスなどリアルなストーリーが人気。ドラマでは司法試験合格者増による就職難や弁護士の質の低下など現状の問題点も盛り込まれる。

これも断定 的判断か? 「きっと生える!」と 和田アキ子

2008年02月11日 09時50分25秒 | 未分類
今日の朝日「天声人語」も取り上げている「リーブ21」大阪地裁和解から。
和田アキ子が歌うCMソング「悩み無用!あなたの髪きっと生えてくるー」が耳に残っています。
これも歌詞を変えた方がいいかも知れませんね。
さだまさしの「関白宣言」みたいに、
「たぶん生えてくるー」と思うとか、「生えてくるんじゃないかなー」とかに。

(朝日関西版から抜粋)
 「必ず毛が生える」との勧誘を信じ、育毛ケアを4年間受けたのに効果がなかったとして、大阪府内の男性会社員(58)が業界最大手「毛髪クリニック リーブ21」(大阪市)に対し、施術代や慰謝料など860万円の損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁(平林慶一裁判官)で和解した。同社が施術代の約9割にあたる430万円の解決金を支払うことで合意した。
 訴状によると、男性は01年4月、同社に「頭頂部が薄くなって久しい」と相談。担当者から「大丈夫。必ず生えてきます」「発毛には3年かかる」などと言われて契約した。
 しかし、実際には細い毛が少し生えただけで、男性は「頭頂部は光ったまま。効果はほとんどなかった」と主張。「必ず生える」と勧誘したことは、消費者契約法が契約を取り消せる理由に定める「断定的判断の提供」にあたると訴えた。

エロかわいい娘に 物言いつけて 袋叩きの かわいがり

2008年02月11日 00時46分39秒 | 未分類
私は別に、ファンではありませんし、確かに問題発言だとは思うのですが、本人も深く反省しているようですし、早く許してあげてほしいと思います。
一定年齢以上の女性に対し、もっと酷いことを言っているお方は、ほかにもいるのでは。

間違い探しの ヒントが出ても 残念! ねんきん特別便

2008年02月10日 10時13分10秒 | 未分類
一度ケチが付いた役所は、何をやっても突っ込まれるという感じです。
計627もの流行語集の中に「同情するならカネをくれ」が入っていたからといって、非難すべきことなのでしょうか。確かに1994年の文句なしの流行語だったわけですから。
それより、私の疑問は、これは果たしてヒントになっているのかどうか。
1994年当時の勤務先が思い出せない人に「それではヒントを差し上げます。この年の流行語は『同情するならカネをくれ』でした。さあ答をどうぞ。」と言って、思い出すケースがあるのか、ということです。
「残念!」という、みのもんたの声が聞こえてきそう。

(今日の朝日から抜粋)
 社会保険庁が、記録漏れの年金受給者らに過去の勤め先などを思い出してもらおうと、当時の流行語や重大ニュースなど計627の言葉を例示した「ヒント集」を作成したことがわかった。「同情するならカネをくれ」など、受給者の反感を招きかねないフレーズも含まれ、現場の社会保険事務所職員には「こんなヒントは言えない」との戸惑いもある。
 社保庁は昨年12月、宙に浮いた年金記録の解消策として「ねんきん特別便」の発送を始めた。その一方、記録漏れの特定につながる助言を行うことを禁じた「裏マニュアル」を作っていたことが表面化。助言を認める新マニュアルを作成し、全国の社保事務所で運用している。
 新マニュアルは原則として年金の種別や加入期間、勤務先の社名などを伝えるよう指示。それでも思い出せなかったり、社保事務所が伝えた情報を否定したりするケースも想定し、当時の社会情勢を教えるため、巻末に「世の中の動き」と題したヒント集を付け加えた。

花の弁護士 就職難で 「宅弁」「軒弁」 ご勘弁?

2008年02月09日 00時01分44秒 | 未分類
私が命名した日弁連と単位弁護士会の「スーパーフライデー」。
日弁連会長選の勝敗としては、現行の「司法改革」路線維持。
しかし、「イソ弁」からあぶれた「宅弁」(自宅弁護士)や「軒弁」(軒先弁護士)を生み出しつつある弁護士の就職難から、増員反対票が大きかったようで、高山候補も5回目で過去最高得票の大善戦。
もしも、例の「裁判員制度反対」の持論を抑えて、「3000人増員反対」の一本に絞っていたら、勝っていたかも知れないと言われているそうだ。

(日弁連会長選挙結果)日弁連HPより(仮集計)
(当)宮崎  誠 9402 (落)高山俊吉 7043
ちなみに、2年前の前回は、
(当)平山正剛 7748 (落)高山俊吉 3698 久保利英明 3335
さらに、4年前の前々回は、
(当)梶谷  剛 9157 (落)高山俊吉 4622

(今回の高山候補の善戦内容の分析)
・高山候補の得票率は約43%。つまり、4対3くらいまで迫った。
・52単位会のうち4分の1の13単位会で勝利(横浜、埼玉、千葉県、栃木県、群馬、長野県、愛知県、広島、大分県、仙台、岩手、函館、札幌)。
・東京三会と大阪を除いて集計すると、何と逆転してしまう(2978対3041)。
・8高裁所在地のうち、半分で勝利(愛知県・広島・仙台・札幌)。
・愛知(248対476)・大分(18対32)では、ほぼダブルスコアで逆転。
 千葉(59対198)に至っては、トリプルスコア以上の大勝利。 


明日の弁護士 世界を決める 今日はスーパー フライデー

2008年02月08日 00時06分45秒 | 未分類
今日は2年に1度の日弁連会長選挙。
東京新聞の6日朝刊「こちら特報部」でも大きく取り上げられていた。
司法改革路線を継承する宮崎誠候補(大阪弁護士会)と反対の高山俊吉候補(東京弁護士会)の一騎打ち。
東京新聞の記事は、愛知県弁護士会のことを旧称の「名古屋弁護士会」と誤記するミスはあったものの、「就職難で日弁連会長選 白熱」というとても興味深い内容だった。

高山候補の挑戦は、今回が5回目。その2回目は私の弁護士時代の最後の選挙だった。悩みに悩んだ末に、考慮時間切れで棄権した記憶がある。あらゆる選挙を通じて、棄権したのはこの時だけだ。

今回は果たしてどういう結果になるのだろうか。
前回は同票でくじ引き決着したという、私の今の地元(埼玉弁護士会長選)の激戦ともども、会員ではなくなった私ですら大いに気になる一日だ。

ホームで負けても アウェーで勝って タイに持ち込む ウルトラマン

2008年02月07日 20時41分52秒 | 未分類
たまたま、昨日はサッカーW杯アジア3次予選の日本×タイ戦でしたね。
観客は半分しか入らなかったそうですが。
そんなの関係ないか。
(今日の毎日朝刊から抜粋)
 日本の円谷プロダクションが「ウルトラマン」の著作権を侵害されたとしてキャラクタービジネスを行っていたタイの企業と経営者を訴えていた訴訟で、タイ最高裁は6日までに、円谷プロ側の主張を認め、タイ側に1070万バーツ(約3450万円)の損害賠償支払いを命じた。
 円谷プロなどによると、裁判でタイ企業側は、経営者のソムポート氏が円谷プロ創設者の故円谷英二氏にウルトラマンのアイデアを提供した「共同創作者」であるとし、同プロ側と締結した著作権譲渡契約に基づいて事業を行っていると主張。円谷プロ側は契約書は偽物などと主張して97年に提訴した。
 タイ企業のウルトラマンの利用権をめぐっては、円谷プロは日本では最高裁まで争ったが、敗訴が確定している。


悩んで編み出す 憲法学は 「うまい!」と唸らす 芸のうち

2008年02月07日 00時04分30秒 | 未分類
NHK「爆笑問題のニッポンの教養」(毎週火曜日夜11時~11時30分)を、昨年秋頃から欠かさず見るようになった。文句なしに面白い。
2月5日の放送は、FILE026:「みんなの憲法入門」だった。
長谷部恭男東大教授(憲法学)が登場。
私が感銘を受けたのは、「憲法学は芸である」という卓見。
自然科学と異なり、法律学とりわけ憲法学は悩みだらけだが、人権の最も幸せな調整をうまく説明するアイディアを追求しているのだという趣旨のことをおっしゃったと、私は勝手に理解した。
2月12日(火)午前8:30~ BS2にて再放送予定とのこと。必見。


雌雄決せず 白黒付かず 勝ってもマケイン とはいかに

2008年02月06日 17時34分01秒 | 未分類
予想どおりの展開。
白人女性vs黒人男性という対決図式は、比較的リベラルな民主党らしいし、分かりやすくて興味深い。
「雌雄を決する」というのは、雄が勝り雌が劣るという前提の比喩だろうから、良い日本語とは思わないが、今回はどちらを選ぶかという意味で使えばピッタリ。
「白黒を付ける」も、白が勝ちで黒が負けという前提だから同じ問題があるが、これも今回はピッタリ。
最終的にどっちが選ばれるのだろうか。あるいはどちらも嫌う保守派が勝つのか。
大接戦で盛り上がる民主党が、本選挙でも勢いづいて、久しぶりに共和党を破るような予感もするが、果たして結末はいかに。
(読売夕刊1面トップから抜粋)
 米大統領選は5日、民主、共和両党の候補指名争いのヤマ場である「スーパーチューズデー」を迎え、全米24州(民主党22州、共和党21州)で予備選・党員集会が一斉に行われた。
 民主党は、ヒラリー・クリントン上院議員(60)とバラク・オバマ上院議員(46)が接戦を展開。共和党は、ジョン・マケイン上院議員(71)が北東部を中心に順調に票を伸ばしている。


プレジデントの 候補の候補 選ぶスーパー CHOOSEデー

2008年02月05日 07時29分51秒 | 未分類
今日は、全世界が注目の「スーパーチューズデー」。

女だからと 差別は違法 おんなじ仕事を させといて

2008年02月04日 20時16分23秒 | 未分類
1月31日の「兼松」東京高裁判決から。
(朝日から抜粋)
 総合商社「兼松」(東京都港区)に57~82年に入った社員と元社員の女性6人が「女性というだけで差別される賃金制度は違法」として、男性との差額など3億8400万円余を求めた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁であった。西田美昭裁判長は請求棄却の一審・東京地裁判決を変更。「男女同一賃金の原則」を定めた労働基準法に違反する行為があったとして、うち4人に計7257万円余を支払うよう兼松に命じた。
 判決は、兼松では少なくとも原告が問題としている92年以降、(1)事務職の女性が定年まで勤めても27歳の一般職の男性と同じ賃金に達しなかった(2)原告と職務内容が同程度だった男性一般職との間に相当な賃金格差があった――ことから違法な男女差別が続いていたと指摘。97年の新人事制度でも、賃金格差は引き継がれたと認定した。毎月の賃金と一時金を合わせて1カ月につき10万円の損害に慰謝料も加えて、1人あたり842万~2355万円の賠償を命じた。

裁判員制 失敗したら どうするんだと 事なかれ

2008年02月03日 09時10分19秒 | 未分類
愛知県出身の私は、中日新聞を読んで育ったし、任官の際の中部弁護士会連合会の推薦委員会では小出宣昭編集局長にもお世話になった。
だからというわけではないのだが、任官して東京に来てからも、東京新聞だけは一貫して購読している。東京新聞には、中日新聞やインターネットでは読めない「こちら特報部」など素晴らしい記事も掲載されている一方で、日経・読売・朝日・毎日よりも低価格で、お得感がある。

特に楽しみなのは日曜日。まず、学校教育にも活用されている「サンデー版大図解」(今日のテーマは「レアメタル」)。
そして、社説「週のはじめに考える」では個別の問題から離れた論説委員の大局的な見識が示される。

今日の社説は「憲法に命を吹き込む」
後半では裁判員制度に対する一部の人による批判に反論している。
こちらはインターネットでも全文が読めるので、是非読んでいただきたい。

私は最近、反対論には一種の「事なかれ主義」を感じている。日本国民がそれでは、日本国の裁判官もそこから脱却できないだろう。

(新明解国語辞典より)
「事なかれ主義」
 最善の結果を得ようと努力するよりは、平穏無事に事が済めばいいということだけを願う、消極的な考え方。

(上記社説から抜粋)
 「違憲のデパート」だの「冤罪(えんざい)の巣」だのと一部の人による批判がやみません。いずれもさまざまな場で反論が尽くされていますからここで詳しくは触れませんが、批判論者の中心がかつて司法を担っていた人であることが示唆的です。
 背景に「自分たち専門家の聖域に素人が踏み込んでくる」という嫌悪感がないでしょうか。
 国民の直接参加は司法全般の基盤も強化します。
 裁判員制度の実現で幅広い層の理解と支持、つまり国民的基盤を得られれば、司法は立法、行政と対峙(たいじ)できるでしょう。裁判員制度は三権分立制に命を吹き込むのです。