かわ遊び・やま遊び雑記

アユ・ワカサギ・ヒメマスなどの釣り情報と自然観察や山菜採りなど自然の中で遊び回った記録や雑記

アユがたくさん釣れる川づくり

2009年09月17日 | アユ釣り(~2023)

先日、紹介させて戴いた本「天然アユが育つ川」や「自然はそんなにヤワじゃない」、そして内水面水試の「アユ資源研究」の論文などを読んでいると、どうもアユがたくさん育ち釣れる川とは生態系のバランスや河川の生息環境が整っている川であると言うことが朧気ながらに分かってきました。



例えば「天然アユが育つ川」の第2章/変わりゆく川/川虫に見る生態系バランスの崩れ・・・を読むと川の攪乱が少なくなった川やカワウの食害によってウグイやオイカワなどが少なくなった川では、川虫が異常繁殖してアユの餌であるラン藻やケイ藻を摂取する場所が無くなりアユは生息場所を放棄してしまうと論じています。



また、中央水産研究所内水面研究部
の研究によるとウグイなどが底生生物を摂食することで付着藻類の現存量を増加させアユの生長が促進される(トロフィックカスケード効果と言うのだそうです)との報告がされています。このため愛知県水試では川虫が増えすぎてアユが付着藻類を十分摂食できない区間でアマゴを放流して川虫を摂食させ、アユの餌料環境を改善できないか研究しているそうです。



そして、石に付いた青藻(カワシオクサ)も問題です。青藻が繁茂するのは川の富栄養化が進んでいること、出水による藻の流亡や河床の攪乱が少なくなったことに起因しているのでしょう。この改善には水質浄化に加え、河川構造物によって上流からの土砂の供給が減って藻を洗い流す効果が減ったことなどが考えられ、これを改善することが必要だと論じている研究もあります。



放流種苗や放流数量、放流技術も大切なことですが、これら生態系のバランスや魚の生息環境を取り戻すことも同時に行っていかないと本当の意味で良い漁場づくりは出来ないのでしょうね。

友釣りでアユ以外の魚が釣れると外道だと言って放り投げてしまったりする釣り人を時々見かけますが、これらの魚がいることで川の環境が保たれているのですから・・・優しくリリースしてあげましょうね!


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コメント (2)
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