※安倍総理の解散について小沢氏と会話した際にも「好き勝手やりたい放題。権力を私物化している、こんなことを許しちゃいかん」と語っていた・・・
「安倍さんの権力の私物化に対する危機感が今回、野党を動かし始めた」"小沢氏側近"の民進議員が"引退前夜"に心境を吐露
民進党の鈴木克昌議員(73)もその一人だ。愛知県蒲郡市氏出身で、愛知県議や市長を務めた後、2003年、民主党から出馬し衆院議員に初当選。民主党政権時代には総務副大臣や党幹事長代理を歴任。2012年、消費税増税法案の強行採決に反対し、民主党を離党。小沢一郎氏らと共に「国民の生活が第一」の設立に関わり、その後継の「生活の党」では小沢代表からの強い要望もあり、代表代行に就任した。こうした経歴から、小沢氏の"側近中の側近"とも言われる。
その後、2014年には民主党に復党したが、今月23日、次の衆院選に立候補せず引退することを表明した。
衆議院が解散した瞬間、議員たちは失職することになる。27日夜のAbemaTV『AbemaPrime』では、議員として"最後の夜"を迎えた鈴木氏に話を聞いた。
番組放送時、まさに民進党では小池都知事率いる希望の党への合流へ向けた動きが水面下で続いていた。鈴木氏は「改めて、本当に政界は一寸先は闇だなと感じています」と感慨深げにコメント。
野党再編に向けて様々な情報が飛び交う中、民進党の前原代表と小沢氏が何度か会談したとも報じられており、豪腕・小沢"黒幕説"を唱える向きもある。
こうした見方について鈴木氏は「本当に誤解をされる人だなと思う。確かに今回色々とやられているのはその通りだと思う。小池都知事とも当然何かはあると思う。しかし、その目的ははっきりしている。今の自民党体制を変えなければならないということ。その手法がどうであれ、細川政権を誕生させたり、長く続いた自民党政権から民主党政権に交代させたり、ということをやってきた人。その一点で全くブレない、分かりやすい人なんだけれども、何か誤解をされて、黒幕とかフィクサーと呼ばれてしまう。心外だし、かわいそうだなと思う。純粋な人だ」と話す。
先週、安倍総理の解散について小沢氏と会話した際にも「好き勝手やりたい放題。権力を私物化している、こんなことを許しちゃいかん」と語っていたと明かし、「政策も大事だが、それ以前に小選挙区で選挙に勝っていくということが大前提だ。オリーブの木でやっていって、死票をしっかり活かすことが国民の気持ちを受け入れることになるのではないかという考え方。それを言い続けた人だから。きっかけを作っているのは小沢さんだと思う。ただ、今回は小沢さんの影響というよりも、安倍さんの権力の私物化をなんとかしないといけないという危機感が野党を動かし始めた」と話した。
今回の衆院選で、一気に"台風の目"になった感のある小池都知事。都民からは国政でのさらなる活躍を期待する声もある一方、「希望の党は民進党議員にとっての希望という意味だろう」「都知事が踏み台だったのか」「何のために都議選、都知事選をやったのか」といった厳しい意見もある。
鈴木氏は小池氏について「私の原点は地方なので、常に地方の目線で見てきた。地方自治体の首長経験からも、国が変わらなければ地方は変えられないという部分がかなりあるのは事実だ。だから、小池さんに非常に共感する部分もある。都知事を辞める辞めない、総理になるならないは別として、有権者に対して、きちっと説明しないと、理解してもらえないんじゃないか」と苦言を呈した。
議員生活を振り返って、「思い出はやはり、総務省副大臣していたときに発災した東日本大震災のあの惨状。まさに刻一刻と状況が変わり、現地のご要望、みなさんの悲痛な声を直接聞いて、人生観が変わった。大変な経験だった」と話す鈴木氏。
「幸せな政治家人生だった。すばらしい先輩にも恵まれ、そのうちの一人が小沢さんだったことは間違いない。河村たかしさんと議員年金廃止をやって、先輩にだいぶ叱られました(笑)。でも隗より始めよ、自分から見を切らないと行けないと。最近、それを復活させようという動きがあり残念。地方分権・地域主権の実現、財政再建、そして弱者に対する目配りの3点について最も力を注ぎ、警鐘を鳴らし、委員会で言い続けることができて幸せだったと思う。解散で私の政治生命は終わるけれども、人間が終わるわけではない。もちろん(取り組んできたことは)全てが道半ばだが、若い人に託し、一国民に戻って日本の将来の姿を見届けていきたい」と"最後の演説"を締めくくった。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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