まつや清の日記 マツキヨ通信

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地府議員発 崩せ一強 戦う野党を目指す 自治体議員立憲ネットワーク 31日朝日新聞報道

2014年08月31日 | ニュース・関心事



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(360゜)地方議員発、
崩せ1強 戦う野党目指す
「集団的自衛権に反対」旗印
2014年08月31日 朝日新聞デジタル
http://t.asahi.com/foyt

自治体議員立憲ネットワークの取り組みが朝日新聞に紹介されました。

以下転載

 野党がふがいない。なんとか安倍政権に対峙(たいじ)できないのか――。そんな思いで地方議員が政党の枠を超えて連携し始めた。
 
 「安倍政権の支持率が下がっているのに、なぜ民主党の支持率が上がらないのか。集団的自衛権の行使反対、脱原発で党の立ち位置を示せていないからだ」

 7月下旬に行われた、民主党の執行部と都道府県連の意見交換会。角倉邦良・群馬県議(53)が海江田万里代表を突き上げた。

 海江田氏も地方に渦巻く不満は理解していた。下手に返答すれば党内の集団的自衛権の行使容認派の反発を招き、不協和音を増幅しかねない。海江田氏は黙(だんま)りを決め込んでいたのだ。

 ただ、地方代表も海江田氏の行動を見越し、したたかに次の手を打っていた。

 意見交換会が終わると、角倉氏は党本部にほど近い衆院議員会館に急いだ。地下の会議室に滑り込むと、待ち受けていた10人あまりに報告した。「うちの代表はちょっと厳しい。地域から党派を超えて結集していくことがポイントだ」

 会議室に集っていたのは民主党の面々ではない。社民党や無所属、地域政党の「緑の党」や「生活者ネットワーク」系の地方議員たち。6月に発足した「自治体議員立憲ネットワーク」の打ち合わせ会だった。

 立憲ネットの旗印は集団的自衛権の行使反対。立ち上げ時に215人だった会員議員は、約1カ月で300人を超えた。「自民党のやりたい放題に地方から反撃しよう」。この日、会員の勧誘策を話し合った。

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 なぜ、地方議員は党派を超えて寄り合うのか。立憲ネット発足の経緯をたどると、野党への失望や、来年4月に迫る統一地方選への危機感が浮かび上がる。

 角倉氏や緑の党、無所属の地方議員ら5人がひざをつき合わせたのは、昨年10月だった。安倍政権が特定秘密保護法の成立に向けて動き出した時期だ。「どんどん右寄りになっていく。何とかならないか」。年末にかけ国会議員も交えて意見交換を重ねた。共通認識は「野党が国会で安倍政権に対峙できていない」ということだった。

 緑の党は昨年の参院選で完敗、統一地方選に向け超党派の枠組みづくりを模索していた。民主党も党勢回復の兆しは見えない。角倉氏は「民主党だけに依拠しても、世の中も民主党も安倍政権も変えられない。戦う野党の結集を地方から促したい」と呼応した。

 中核の5人はもともと脱原発運動の仲間だったが、結集軸は集団的自衛権に絞ることにした。社民党や生活者ネット系の地方議員らに賛同者を募っていった。

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 政党の枠組みを超えた動きは民間でも動き出す。今年1月、「万年野党」と銘打ったNPO法人が発足。政策提言や、国会議員の質問回数などをまとめた「国会議員三ツ星データブック」の刊行に取り組む。

 角倉氏が海江田氏を突き上げていた同時期、万年野党は、東京・丸の内の会員制レストランで政策討論会を開いていた。のぞいてみると、元経産官僚の岸博幸慶大院教授の経済談議に、起業家や大学職員ら約40人がワイングラスを傾けながら聴き入っていた。討論はネット中継された。「万年野党なんて下品な名前のNPOをつくらなければいけない状況は良くない。本来、野党やマスコミがやることです」。岸氏が軽口を飛ばすと、会場は笑いに包まれた。

 市議出身の高橋亮平事務局長(38)に聞くと、言い切った。「面白かったですよね。野党に期待するぐらいなら、ボクらがメディアを巻き込んで外から指摘した方が効果があると思う」

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 衆院は与党が3分の2を占め、残りの議席を9党が分け合う。山口二郎法政大教授は「野党が国家主義的な勢力、新自由主義的な勢力、リベラル勢力に分かれ、リベラルの軸が弱い。野党がだらしなさすぎるから、党を超えた動きが出る」と分析。「民主党や立憲ネットががんばり、統一地方選で集団的自衛権の民意を問う雰囲気が出てくることを期待する」と語る。

 ただ、民主党執行部は立憲ネットに困惑気味だ。海江田氏は心情的には理解を示すが、「党本部と異なる活動」と距離を置く。

 立憲ネットは統一地方選に向け、1千人の会員議員を集める目標を立てた。角倉氏は「オレたちの活動を超えて、学生や経済団体から安倍政権と戦う運動が起きたらいい。立憲ネットのような地域の政治主体をつくっておけば、そういう人が出てきた時に連携できる」と青写真を描く。「できるか分からないけれどね」と頭をかきながら。

 立憲ネットの人たちと接すると、与党もそうだが、むしろ野党への不満が地方で充満しているように感じた。こうした不満の受け皿になれれば野党にも活路はある。ただ、永田町では野党の一部は相変わらず数合わせの再編に奔走している。今のままで、こうした不満を取り込めるほど、事態は甘くないのだろう。

 (斉藤太郎、安倍龍太郎)